ツールバー入門

Wolfram言語のユニークな記号アーキテクチャにより,どのようなWolframシステムノートブックにもさまざまな外観および機能を持つツールバーが簡単に加えられる.

ルーラー

ルーラーとは,選択されたセルのテキストの余白およびセルの名称・キーワードのインデントを設定するために使用されるツールバーである.ノートブックのルーラーは,ウィンドウメニューのルーラーの表示を選ぶことによりノートブックに加えることも,ノートブックオプションWindowToolbarsを使ってプログラム的に加えることもできる.

WindowToolbars->"RulerBar"余白設定のルーラーを表示するためのオプション値
ウィンドウ ルーラーの表示ノートブックの上部にルーラーを表示するかどうかを切り替えるメニュー項目

ルーラーの表示

ルーラーはSetOptions[EvaluationNotebook[],WindowToolbars->"RulerBar"]を評価して,現在のノートブックに表示することができる.

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ドックセル

ドックセルとはノートブック上部のツールバーあるいはバナーとして表示され,配備されたものとして扱われる.

DockedCells->cellsノートブック上部のドックとして表示されるセルのリストを与えるノートブックオプション

ドックセル

cells にはどのようなタイプのセルも含ませることができるが,セルスタイルのセルだけを使った方がよい.スタイルを使うと,セルがツールバーのように確実に動作するようなる.

ドックセルを実装する方法の一つに,SetOptions[EvaluationNotebook[],DockedCells->cells]を使うというものがある.

以下は文字列を含むドックセルの基本的な例である.

次の例題にはTraditionalFormの数式 が含まれている.

ドックセルの中では,アクションメニュー,ポップアップメニュー,ボタン,入力フィールド等のコントロールオブジェクトを使用することができる.ツールバーの内容を作成しそれをToBoxesでラップすると,自動的にフロントエンドのボックス構造が生成される.その後ToBoxes式をCellBoxDataに入れる.次の入力では,選択されたスタイルを持つセルを挿入点に置くアクションメニューツールバーが作成される.

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ツールバー要素間のスペースが静的であると,ウィンドウ幅によってはドックセルの要素で隠れてしまうものがあるかもしれない.これは項目の大きさをGridでスケールすることで避けることができる.次の例題にはラベルとButtonBarが含まれている.

In[3]:=
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ノートブックには複数のドックセルを含ませることができる.

高度な例題

ワープロツールバー

次の例題には,段落配置や行間隔の設定およびフォントダイアログ,印刷ダイアログ,ドキュメントセンターを開くためのボタンが含まれている.この例題では,ツールバー要素のそれぞれが別々に生成され,最後のCreateWindow文でToBoxesを使ってボックスに変換されている.

次はノートブックテキストの行間隔と段落配置を制御するボタンである.
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次のボタンはフォントダイアログを開き,選択したテキストの書式のオプションを設定する.
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Out[35]=
このボタンはシステムの印刷ダイアログを開き,ノートブックを印刷する.
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Out[36]=
下のボタンはドキュメントセンターを開く.
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これはツールバーのボタンのラベルである.
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Out[38]=
これは新規ノートブックで完成したツールバーである.

装飾的ツールバー

ドックセルには画像を使うこともできる.下の例では多くのスタイルシートに見られるものに類似した装飾的ドックセルとして,1399×24ピクセルの画像が使われている.

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スタイルシートでのツールバーの定義

ドックセルは個々のノートブックではなく,スタイルシートで定義することもできる.例えば,NaturalColorスタイルシートを使ったノートブックはすべてその上部に以下のドックセルを含む.

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スタイルシートのDockedCellsオプション値はスタイルシートノートブック内のノートブックスタイル定義セルに保存されている.ドックセルを追加するためには,まずスタイルシートノートブックを開く.スタイルシートの中にこのセルがまだ存在していなければ,Cell[StyleData["Notebook"]]という式を含む新規セルを作成し,それをスタイルシートノートブックの上部に置く.

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ノートブックのスタイル定義セル式をCell[StyleData["Notebook"],DockedCells->{cells}]のような形式に更新することにより,ドックセル cells をスタイルシートに加える.例えば,前の例題からのセルを出力する.

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出力されたセルの式を表示し,そのセル式をノートブックスタイル定義セルのDockedCellsオプション値としてコピーする.

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セル セルを式で表示を選んでノートブックのスタイル定義セルを再フォーマットする.

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このスタイルシートの新規ノートブックすべてにこのドックセルが含まれる.

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