有理式の変形操作

普通の多項式では,関数FactorExpandで式の2つの基本形が得られる.有理式になると,いろいろな形の式が役に立つ.

ExpandNumerator[expr]分子だけを展開する
ExpandDenominator[expr]分母だけを展開する
Expand[expr]分子を展開した上で,各項を分母で割った形にまとめる
ExpandAll[expr]分子と分母の両方を完全に展開し,分子の各項を分母で割った形にまとめる

有理式の展開操作のいくつか

例に使う有理式を入力する.
In[1]:=
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Out[1]=
ExpandNumeratorを使い,各項の分子を展開する.
In[2]:=
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Out[2]=
Expandを使うと,各項の分子を展開した上で対応する分母で割った形に式が展開される.
In[3]:=
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Out[3]=
ExpandDenominatorだと,各項の分母が展開する.
In[4]:=
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Out[4]=
ExpandAllを使い,各項の分子と分母の両方を展開し,分子の各項を分母で割った形にまとめる.
In[5]:=
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Out[5]=
ExpandAll[expr,patt]パターン patt にマッチした項を持たない部分は展開しない

展開操作における制約の付加

を含まない項は展開しないようにする.
In[6]:=
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Out[6]=
Together[expr]通分する
Apart[expr]単純な分母を持ついくつかの分数項に展開する(部分分数分解)
Cancel[expr]約分する
Factor[expr]分母分子を因数分解する

有理式の構造に関する演算

例に使う有理式を入力する.
In[7]:=
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Out[7]=
Togetherを使い,通分する.
In[8]:=
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Out[8]=
まとめた式にFactorを適用し,分母と分子を因数分解する.
In[9]:=
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Out[9]=
Apartを使い,より簡単な分母を持った項からなる和の式に書き直す(部分分数分解).
In[10]:=
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Out[10]=
Cancelを使い,分母と分子の共通因数を約分する.
In[11]:=
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Out[11]=
Factorを使うと,まず,通分し,その後に分母分子を因数分解する.
In[12]:=
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Out[12]=

数学用語で言えば,Apartは有理式を「部分分数」に分解することを意味する.

複数の変数を持つ式は,Apart[expr,var]を使い各変数について部分分数へ分解できる.

変数を2つ持つ有理式を作っておく.
In[13]:=
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Out[13]=
について部分分数へ分解する.
In[14]:=
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Out[14]=
今度は,について部分分数分解する.
In[15]:=
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Out[15]=