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3.5.6 不定積分
関数 Integrate[f, x]は,不定積分 を返す.不定積分は微分の逆操作ととらえてもよいだろう. Integrate[f, x]で積分した結果を微分すると,必ずもとの式 f と数学的に等しい結果が得られる.
一般に,微分を取ると f になる関数はいくつも存在する. Integrate[f, x]はその内の1つにすぎない.微分した形が同じになる関数は任意の積分定数を加えたり,離散点以外では定数である任意の関数を加えることで他にいくらでも構成できる.
特別に積分範囲を指定した定積分では,積分定数は消えてしまう.不定積分は任意定数分の不確定さはあるものの,積分範囲を指定しないままの方が都合がよいことも多い.
標準的な規則が適用され不定積分が求められる.
In[1]:= Integrate[x^2, x]
Out[1]= 
任意な定数を不定積分に加えても,微分すれば同じ形が得られる. Integrateは同じ導関数を持った関数の1つでしかない.
In[2]:= D[ % + c, x]
Out[2]= 
不定積分 を求める.
In[3]:= Integrate[1/(x^2 - 1), x]
Out[3]= 
微分することでもとの関数が得られるはずである.
In[4]:= D[%, x]
Out[4]= 
手を加えなければもとの式が得られない.
In[5]:= Simplify[%]
Out[5]= 
関数 Integrateの機能の仕方として,積分変数に従属していることが明示的に示されていない関数または変数は,積分変数から独立していると見なされ定数として扱われる.このため, Integrateは偏微分関数 Dの逆関数のように機能する.
変数 aは xから独立していると見なされる.
In[6]:= Integrate[a x^2, x]
Out[6]= 
数学の演算操作を必要としない式であればどんな式でも積分変数として指定してよい.
In[7]:= Integrate[x b[x]^2, b[x]]
Out[7]= 
Integrateでは,さらに,積分式にある未知な項はすべて「一般的」な値を持つものとして扱われる.例えば,積分 を求めると, が求まる.これは,一般的な の値では正解でよいが, の特殊な場合には間違いになってしまう.
nは -1ではないとされ,標準的な積分が行われる.
In[8]:= Integrate[x^n, x]
Out[8]= 
指数に -1を指定すると,先とは異なる結果を返してくる.
In[9]:= Integrate[x^-1, x]
Out[9]= 
ある積分をしたなら,結果として得られる式はいくつもの形で書き表すことが可能である. Mathematicaはその中でも最も使いやすい形を見付けて返すようになっている.例えば,複素数で入力をしていなければ積分における複素数の明示的な提示はしない.
ArcTanが使われ積分が構成される.
In[10]:= Integrate[1/(1 + a x^2), x]
Out[10]= 
今度は,積分に ArcTanhが使われる.
In[11]:= Integrate[1/(1 - b x^2), x]
Out[11]= 
これは数学的に最初の積分に等しい.しかし,構成される形は微妙に違っている.
In[12]:= % /. b -> -a
Out[12]= 
それでも,導関数は正確である.
In[13]:= D[%, x]
Out[13]= 
見た目には違うように映るが, ArcTan[x]と -ArcTan[1/x]はともに の不定積分として求まる.
In[14]:= Simplify[D[{ArcTan[x], -ArcTan[1/x]}, x]]
Out[14]= 
Integrateは,最終的により単純な形にする.
In[15]:= Integrate[1/(1 + x^2), x]
Out[15]= 
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