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2.1.2 式の意味

式の概念は,Mathematicaにおいて中核的で統一的な原理である.Mathematicaの扱うすべてのオブジェクトは同じ基本構造を持つという事実が,Mathematicaを限られた数の基本操作だけで多くの領域に対応することができるものとしている.

すべての式は同じ構造を持つが,式の使われ方は式によりいろいろ違う.式の各部分がどのような意味を持つか簡単な例で見てみる.

式の各部分の持つ意味

多くの式は,行いたい操作を指示する目的で使われる.例えば,2 + 3とタイプすると,23を加える操作を指示することになるし,Factor[x^6 - 1]と入力すれば,因数分解の操作を指示することになる.

さらに,重要な式の使い方として,他の関数を適用させることができる構造体の保持がある.例え ば,式{a, b, c}は演算操作を保持するのではなく,3成分からなるリスト形式の構造体の構築を保持するために使われる.この構造体には,ReverseDot等の他の関数を作用させることができる.

{a, b, c}は,完全形ではList[a, b, c]になる.頭部Listは何の操作も行わない.その代り,構造体の「型」を指定するための「タグ」としての働きを持つ.

完全形の式を使うことで任意の構造体を構築することができる.例として,3つの座標で決定される,3D空間の点を表した構造体を考える.点は英語でポイントというので,point[x, y, z]で表すことにする.リストと同じように,このpoint構造体も何も操作は行わない.単に,3座標をまとめて保持し,その結果としてのオブジェクトにラベルpointを付けたにすぎない.

point[x, y, z]等の式は,特定の頭部が名札として付けられた「データの集合体」ととらえることもできる.すべての式は同じ構造を持つが,式の「型」は,違った頭部が与えられるとき当然変わり得る.このため,式の取る型に応じて式を違った方法で扱う変換規則やプログラムを設定することができる.



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