連続分布
ここに記載されている関数は,連続分布で最も一般的に使用されるものであり,連続分布の密度,平均,分散,その他の関連特性を計算することができる.分布は
name[param1, param2, ...]という記号形式で表現される.統計分布の特性を与える
Meanのような関数は,引数として分布の記号表現を取る.
「離散分布」は多数の離散分布について記述する.
正規分布に関連した分布
対数正規分布
LogNormalDistribution[
,
]は正規分布に基づく確率変数の指数関数が従う分布である.この分布は多数の独立確率変数が乗法的に統合された場合に起る.半正規分布
HalfNormalDistribution[
]は領域
[0,
)に限られた分布
NormalDistribution[0, 1/(
Sqrt[2/
])]に比例する
逆ガウス分布
InverseGaussianDistribution[
,
]はワルド(Wald)分布とも呼ばれ,正のドリフト付きブラウン運動の初期通過時間の分布である.
正規分布に従う標本に関連する分布
X1,...,
X
が単位分散と零平均を持つ独立した正規確率変数ならば,

は自由度

の
2 分布を持つという.正規変数からその平均を引き標準偏差で割ることにより標準化されると,その数量の平方和はこの分布に従う.
2 分布は正規分布する標本の分散を記述する場合に最もよく用いられる.
スチューデントの
t 分布になる変数は,正規確率変数の関数として記述することもできる.
X と
Z が独立した確率変数であるとする.ここで
X は標準正規分布,
Z は自由度

の
2 変数である.この場合,

は自由度

の
t 分布を持つ.スチューデントの
t 分布は縦軸について対称であり,正規変数のその標準偏差に対する割合を特徴付ける.
=1ならば,
t 分布はコーシー分布と同じである.
F 分布は2つの独立した
2変数をそれぞれの自由度で割ったときの比の分布である.これは仮定検定で2つの母集団の分散を比較するときに広く使われる.
平均が非零の正規分布から派出する分布は非心分布と呼ばれる.
分散が
2=1で平均が非零である正規分布に従う

個の確率変数の平方和は,非心
2 分布
NoncentralChiSquareDistribution[
,
]に従う.非心パラメータ

は総和における確率変数の平均の2乗和である.文献によっては,非心パラメータとして
/2か

が使われることがある.
非心スチューデントの
t 分布
NoncentralStudentTDistribution[
,
]は,比

を記述する.ここで

は自由度

の
2確率変数,
X は分散
2=1,平均

の正規分布の独立した確率変数である.
非心
F 分布
NoncentralFRatioDistribution[n, m,
]は

に対する

の比の分布である.ここで

は非心パラメータ

,自由度
n1の非心
2確率変数であり,

は自由度
m の
2 確率変数である.
区分線形関数
三角分布
TriangularDistribution[{a, b}, c]は
c および
a<c<b における最大確率内の
a<X<b に対する三角分布である.
c が

ならば
TriangularDistribution[{a, b}, c]は対称三角分布
TriangularDistribution[{a, b}]である.
一様分布
UniformDistribution[{min, max}]は, 矩形分布と呼ばれることもあり,値がどこにでも等しくあるような確率変数を特徴付ける.一様分布の確率変数の例には,
min から
max までの直線上でランダムに選んだ点の場所がある.
その他の連続分布
X が
[-
,
]上で一様に分布しているなら,確率変数
tan (X)は
a=0,
b=1のコーシー (Cauchy) 分布
CauchyDistribution[a, b]に従う.
=n/2で
=2のとき,ガンマ分布
GammaDistribution[
,
]は
n 単位の正規確率変数の平方和の分布を描く.この形式のガンマ分布は,自由度

の
2 分布と呼ばれる.
=1のとき ,ガンマ分布は指数分布
ExponentialDistribution[
]の形式を取る.これはイベント間の待ち時間の記述によく使われる.
X1と
X2が,尺度母数が等しい別々のガンマ分布であるとき,確率変数

はベータ分布
BetaDistribution[
,
]に従う.ここで

と

はガンマ変数の形状母数である.

分布
ChiDistribution[
]は,
2 確率変数の平方根が従う分布である.
n=1のときは,

分布は

の
HalfNormalDistribution[
]に等しい.
n=2のときは,

分布は
=1のレイリー (Rayleigh) 分布
RayleighDistribution[
]に等しい.
n=3,のときは

分布は
=1のマックスウェル-ボルツマン(Maxwell-Boltzmann)分布
MaxwellDistribution[
]に等しい.
ラプラス (Laplace) 分布
LaplaceDistribution[
,
]は,同一の指数分布を持つ2つの独立した確率変数の差の分布である.ロジスティック分布
LogisticDistribution[
,
]は裾の長い分布を望む場合に,正規分布の代りに頻繁に使われる.
パレート分布 (Pareto) 分布
ParetoDistribution[k,
]は収入を表すために使われる.
k は最小の収入を示す.
ワイブル (Weibull) 分布
WeibullDistribution[
,
]は,物体の寿命を記述するために工学で広く使われている.極値分布
ExtremeValueDistribution[
,
]は,正規分布を含む多様な分布から抽出された大きい標本における最大値に対する極限分布である.このような標本の最小値に対する極限分布は,ガンベル(Gumbel)分布
GumbelDistribution[
,
]である.最大極値と最小極値は,変数の線形変化により関連しているので,極値分布とガンベル分布は同じ意味で使われることがある.また極値分布した確率変数と,適切にシフト・スケールされたワイブル分布した確率変数との間には対数関係があるので,極値分布は対数ワイブル分布と呼ばれることもある.
| PDF[dist,x] | x における確率密度関数 |
| CDF[dist,x] | x における累積分布関数 |
| InverseCDF[dist,q] | CDF[dist, x]がq に等しくなるようなx の値 |
| Quantile[dist,q] | q 分位数 |
| Mean[dist] | 平均 |
| Variance[dist] | 分散 |
| StandardDeviation[dist] | 標準偏差 |
| Skewness[dist] | 歪度係数 |
| Kurtosis[dist] | 尖度係数 |
| CharacteristicFunction[dist,t] | 特性関数 (t) |
| ExpectedValue[f,dist] | dist の純関数 f の期待値 |
| ExpectedValue[f[x],dist,x] | dist のx に対するf[x]の期待値 |
| RandomReal[dist] | 指定された分布を持つ擬似乱数 |
| RandomReal[dist,dims] | 次元dims で,指定された分布からの要素を持つ擬似乱数配列 |
分布の関数
x における累積分布関数(cdf)は
x までの確率密度関数(pdf)の積分によって与えられる.従ってpdfは一般的な意味でcdfを微分することによって得られる.このパッケージでは,分布は記号形式で与えられる.
PDF[dist, x]は
x が数値であれば
x における密度を評価し,数値でなければ関数を記号形式のままにしておく.同様に
CDF[dist, x] は累積密度を与える.
Domain[dist] は
PDF[dist, x]と
CDF[dist, x] の領域を与える.
逆累積分布関数の
InverseCDF[dist, q] は,
CDF[dist, x]が
q に達するときの
x の値を返す.中央値は
InverseCDF[dist, 1/2]によって与えられる.四分位数,十分位数,百分位数は,逆累積分布関数の特定の値である.逆累積分布関数は統計パラメータの信頼区間を構築するときに使われる.
InverseCDF[dist, q] と
Quantile[dist, q] は,連続分布については等価である.
平均
Mean[dist]は
dist に従って分布した確率変数の期待値であり,通常

と表記される.平均は
y
x f (x)
xによって与えられる.ここで
f (x)とは分布のpdfである.分散
Variance[dist]は
(x-
)2f (x)
xによって与えられる.分散の平方根は標準偏差と呼ばれ,通常

で表記される.
Skewness[dist]と
Kurtosis[dist] の両関数は,それぞれ分布の非対称度と尖鋭を要約する形状の統計を与える.歪度は

によって,尖度は

によって与えられる.
特性関数
CharacteristicFunction[dist, t]は
(t)=
f (x)exp (itx)
x によって与えられる.離散の場合は,
(t)=
f (x)exp (itx)となる.各分布にはそれぞれ固有の特性関数があり,分布を定義するためにpdfの代りに使用されることもある.
関数
g の期待値
ExpectedValue[g, dist]は,
f (x)g (x)
xで与えられる.離散分布の場合,
g の期待値は
f (x)g (x)となる.
ExpectedValue[g[x], dist, x]は
ExpectedValue[g, dist]と等価である.
RandomReal[dist]は指定された分布から擬似乱数を与える.
=3, =1のガンマ分布の記号表現である.
| Out[1]= |  |
|
| Out[2]= |  |
|
| Out[3]= |  |
|
| Out[4]= |  |
|
ガンマ分布に従って分布した要素を持つ擬似配列である.
| Out[5]= |  |
|