テキスト型インターフェースを使った入出力
「ノートブック型インターフェース」で説明したように,標準的なフロントエンドインターフェースはほとんどの用途に適している.しかし場合によってはノートブックフロントエンドを使う必要がなく,
Mathematica カーネルとより直接的にインタラクトしたいこともあろう.そのような場合はテキスト型インターフェースを使うことができる.テキスト型インターフェースでは,キーボードでタイプしたテキストが直接カーネルに届く.
テキスト型インターフェースでは
Mathematica カーネルのほとんどの機能にアクセスできるが,
Mathematica フロントエンドのグラフィックス機能および動的インタラクティブ機能は利用できないので注意が必要である.
テキスト型インターフェースで
Mathematica を起動するためには,通常オペレーティングシステムのプロンプトでコマンド
mathをタイプする.システムによっては,
Mathematica カーネルアイコンをダブルクリックすると
Mathematica をテキスト型インターフェースで起動することができるものもある.
| math | Mathematica を起動するためのオペレーティングシステムのコマンド |
| Enterで終了するテキスト | Mathematica の入力 |
| Ctrl+D または Quit[] | Mathematica の終了 |
テキスト型インターフェースでのMathematica の起動
次はテキスト型インターフェースを使った Mathematica との「対話」である.
In[1]:= 2^100
Out[1]= 1267650600228229401496703205376
In[2]:= Integrate[1/(x^3 - 1), x]
1 + 2 x ArcTan[-------] 2 Sqrt[3] Log[-1 + x] Log[1 + x + x ] Out[2]= -(---------------) + ----------- - --------------- Sqrt[3] 3 6
|
入力待ちのとき,行頭には
In[n]:=の行番号からなるプロンプトが表示され入力が催促される.入力をタイプし
Enterあるいは
Returnを押す.
入力すると
Mathematica はそれを処理し結果を生成する.結果を出力する場合,
Out[n]=というラベルが付く.
Mathematica のドキュメントでは,
Mathematica との「対話」は次のように示されることが多い.
コンピュータが In[1]:=と表示する.そこに 2+2とタイプするだけである. Out[1]=で始まる行が Mathematica からの結果である.
| Out[1]= |  |
|
In[n]:=プロンプトは明示的にタイプする必要はない.このプロンプトに続くテキストをタイプするだけである.
Mathematica チュートリアルに含まれている実際の対話のほとんどは,
Mathematica のノートブックインターフェースで得られる形式の出力を示している.テキスト型インターフェースでの出力も同様であるが,特殊文字やフォントサイズの変更等の機能はない.
短い入力は1行で行うことができる.入力が長い場合は数行に分けることができる.
Mathematica は行が連続する場合には式が完了するまで自動的に読み続けるようになっている.このため,例えば,開きカッコが式の一部として入力されたとすると,閉じカッコの入力があるまでは,続く行が式の一部になるものとみなされる.完全に空白の行を入力すると,それまでの入力は無効になり,新たな入力プロンプトが現れる.
| %n または Out[n] | n 番目の出力値 |
| In[n] | n 番目の入力を再評価 |
前の入出力値の引用と再評価
テキスト型インターフェースでは入出力は常に交互に表示され,表示面の上から下に向かい連続して進行する.ただし,オペレーティングシステムによっては前の行にスクロール移動し前に行った計算を参照したり,入力行をカットしたりペーストしたりすることができるため入出力の流れは変わることがある.
使用するコンピュータシステムの種類によらず,
Mathematica では前の入出力を再利用したり再評価したりすることがいつでもできるようになっている.ただし,式を再評価すると最初と違った結果が得られる場合があるので注意が必要である.この理由は,前の計算から最新の計算までの間に入出力の式で参照している変数の値が変更される,というようなことが起るためである.
Out[n]の要求があると,
Mathematica は
n 番目の出力を最終の形のまま返してくる.また,
In[n]の要求があれば,
n 番目の入力がユーザにより与えられたままの形で取り込まれ,変数の取る現在の値に従って再評価が行われる.
Mathematica を終了するためには,入力プロンプトに
Quit[]とタイプする.コンピュータシステムによっては,
Ctrl+Dか
Ctrl+Zでも
Mathematica を終了することができる.