Mathematica では,任意の変換のための規則として,非常に一般的な関数の概念を持っている.変数に対する値も同様の形で割り当てられる.変数に値を設定すると,その変数はその値に対する記号となる.
以下は簡単な変換規則である.「

があるといつもそれを3で置き換える」という規則である.
| Out[31]= |  |
変数

は値3を持つ.
式を評価するときにはいつも

は3で置き換えられる:
| Out[32]= |  |
この規則は,新しい規則を定義することによって削除することができる:
| Out[33]= |  |
新しい規則は,「

があると必ずそれを

で置き換える」というものである.これまでのところ

に関連する規則はないので,その値はそのままである.

に値を割り当てる:
| Out[34]= |  |

を評価すると,

についての規則によって

は

に置き換えられ,

についての規則によって

は4で置き換えられるため,結果は

,つまり16となる:
| Out[35]= |  |

の値を変えると

の値も変わる:
| Out[36]= |  |
| Out[37]= |  |
今度は以下のように

に値を割り当てる:
| Out[38]= |  |

は既に値3を割り当てられているため,ここで定義される規則は 「

を9で置き換える」であって,「

を

で置き換える」ではない.つまり

は

に依存しない:
| Out[39]= |  |
| Out[40]= |  |
このことが起るのは,

(
Set)を使って規則が定義される場合,規則が定義される前に右辺が評価されるからである.
規則は,以下のように

(
SetDelayed)を使って定義することもできる:
規則が

を使って定義される場合には,規則が定義される前に右辺が評価されるということはない.したがって

が既に値を持つ場合でも,この規則では「

があると必ずそれを

で置き換える」と言っていることになる.このため,

は

に依存している:
| Out[42]= |  |
| Out[43]= |  |
| Out[44]= |  |
Mathematica の関数は,パターンに作用する規則によって定義されている.以下は簡単な例である:

は,

が任意の式(これは名前

で右辺に表示されるものである)を表すパターンである.これは「任意の式の

がある場合は,それをその式を平方したもので置き換える」という規則である:
| Out[46]= |  |
| Out[58]= |  |
| Out[49]= |  |
関数を定義する場合は必ず

を使わなくてはならない.さもなければ,右辺の変数は規則が定義される前に評価されるので,これらの変数が左辺の関連する式を表さないことがある:
| Out[50]= |  |

が9で

が3であるため,それが起った.この規則では「パターン

にマッチするものは何でも90で置き換える」と言っている:
| Out[59]= |  |