簡略表記は
Mathematica の豊かなシンタックスシステムの一部であり,複数の方法で関数に引数を与えることができるようにする.コンパクトなコードを作成するだけでなく,簡略表記の使用は
Mathematica における自分のワークフローをカスタマイズすることを可能にする.
Mathematica は関数を入力するための便利な方法をいくつか提供する.
例えば,
Lengthを角カッコで囲んだリストに使うと,リストの長さを得ることができる:
| Out[1]= |  |
「

」記号を関数とリストの間に使っても同じ操作が行える.「

」を使うと,式の終りまで行って閉じる角カッコを付ける必要がない:
| Out[2]= |  |
また,後ろに付ける「

」の表記を使うこともできる:
| Out[3]= |  |
これらの表記法は,どのような関数に対しても,そしてどのような種類の引数についても,拡張して使用できる:
| Out[4]= |  |
| Out[5]= |  |
| Out[6]= |  |
中置記法は,2つの引数を取る関数に対しても使用することができる:
| Out[7]= |  |
純関数は
Mathematica で大変よく使用される.純関数は,関数に明示的な名前を定義しなくても関数を使用できるようにする.
Functionの簡略表記を使って純関数を与えることができる.
Functionを使って,入力を3乗する純関数を与える:
| Out[8]= |  |
「

」および「

」の記号を一緒に使って同じ操作を行うことができる.「

」記号は変数のプレースホルダの働きをし,「

」記号は関数の中で置換したい値の前に付ける:
| Out[9]= |  |
Mapおよび
Applyは,関数型プログラミングに欠かせないものである.これらの関数の簡略表記を使うと大変便利である.
| Out[10]= |  |
「

」を使っても同じ操作が行える:
| Out[11]= |  |
Applyにも簡略表記「

」が存在する:
| Out[12]= |  |
| Out[13]= |  |
Mathematica の簡略表記は組み合せて効率的なコードを作成することができる.
Mapおよび
Functionを使ってリストの各要素をベキ乗し,記号を結果に加える:
| Out[14]= |  |
同じ操作を
Functionの簡略表記を使って行う:
| Out[15]= |  |
| Out[16]= |  |
新しい計算で前の出力が必要になる場合がよくある.これは
Outの簡略表記である「

」記号を使って得ることができる.
| Out[17]= |  |
Outの簡略表記である「

」記号を使って直前の出力を指定する:
| Out[18]= |  |
「

」を
Partの簡略表記である

と一緒に使ってリストの最初の要素を取る:
| Out[19]= |  |
「

...

」を使って前の出力を指すことができる.2つ前の計算で生成された出力を得る:
| Out[20]= |  |
すぐ前ではない計算からの出力を得たい場合には,たくさんの「

」記号を使わなくてはならないのでやっかいである.
代わりに,特定の出力セル番号を
Outと一緒に使う.このセルを評価すると,以下のように,現行の
Mathematica セッションから
Out
という出力が得られる:
| Out[28]= |  |
| Out[29]= |  |
前の出力をラベルや簡略表記で参照することは便利ではあるが,現行の評価が常に前の出力に縛られるため,すぐに収拾が付かなくなってしまうことがある.このため,使用したい出力が確実に現行の計算で使用できるようにしなくてはならない.この表記を使用する際には注意する必要がある.
文字列操作関数の簡略表記を使って,文字列操作を簡略化することができる.
複数の文字列を一つにまとめる操作は,よく行われる文字列操作である.これは
StringJoinを使って行う:
| Out[30]= |  |
StringJoinの簡略表記である「

」を使ってこの同じ操作を以下のように書くこともできる:
| Out[31]= |  |
StringExpressionを使って文字列式のオブジェクトを作成する:
| Out[25]= |  |
あるいは,
StringExpressionの簡略表記である「

」を直接使う:
| Out[26]= |  |