問題が適切であるかどうか
DSolveは初期条件か境界条件が指定されていない場合,問題の一般解を返す.
| Out[1]= |  |
しかし,初期条件か境界条件が指定されている場合は,DSolveの出力は内在する微分方程式と与えられた条件の両方を満足しなければならない.
| Out[3]= |  |
| Out[4]= |  |
このような場合,DSolveへ与える問題が妥当であるかどうかをチェックしてみるとよい.つまり,問題が正しい形式であるかどうかをチェックするのである.初期値あるいは境界値問題の解が有名な関数(正則関数等)に存在することが保証される場合,解が一意の場合,解がデータに連続的に依存する場合,問題は適切であるといえる.
階常微分方程式(あるいは
個の一階方程式からなる系)と
個の初期条件があるとすると,指定された条件の下で問題は適切であることを示す標準的な存在・一意性定理がある.前の例の一階線形常微分方程式の右辺は
の多項式なので,無限に微分可能である.これは,右辺がLipschitz連続であることしか必要としないピカール(Picard)の存在・一意性定理を適用するのに十分である.
実際に生じる問題は,正しい理論的原則から導かれているため,ほとんどが適切である.しかし,注意事項として,DSolveが問題を満足する解を見付けることが難しい例を以下に挙げる.
以下の一階常微分方程式の解では,右辺が0付近においてLipschitz条件を満足しない.
| Out[5]= |  |
| Out[6]= |  |
この初期値問題は初期条件付近の領域で正当な形式であるため,
DSolveは与えられた初期条件に対して,正しい分岐を選ぶ.
| Out[7]= |  |
以下は二階常微分方程式である.境界条件のため,この問題には解がない.
| Out[8]= |  |
次の例では
DSolveは1対の解を返す.表に示されている通り,最初の解は

の値が2以上の場合のみ有効である.
| Out[10]= |  |
| Out[11]= |  |
問題に解があっても,一般解が陰形式であったり高次の超越関数を含んでいたりするために,DSolveでは見付けることができないことがある.
次の例では,従属および独立変数の役割を交換した後で初めて解が求められる.
| Out[13]= |  |
このセクションでは効率的にDSolveを使うための基本原則について説明した.DSolveの開発中やこのドキュメントの執筆中に役立った「参考文献」のリストがある.