Mathematica のインストール
| Mathematica のインストールに必要な条件 | Mathematica インストーラの起動 |
| ファイルサーバから Mathematica をインストールする | スクリプトから Mathematica をインストールする |
Mathematica のインストールに必要な条件
Mathematica はWindows,Linux,Mac OS Xで利用することができる.使用できるプラットフォームの詳細は,www.wolfram.co.jp/mathematica/features/system-requirements.htmlでご覧いただきたい.以下の2つの条件が満たされている限り,サポートされるマシンならどれでも Mathematica を起動するクライアントになれる.
- MathLM を実行するライセンスサーバが,TCP/IPネットワークで利用可能である.
ライセンスサーバは,自身のクライアントとしても機能する.しかし,何らかの理由でマシンを再起動しなければならない場合,ネットワーク上の他のクライアントへのライセンス発行が滞ってしまう.
MathLM ライセンスサーバから Mathematica のライセンスを取得する場合,MathLM はネットワーク上のライセンスサーバにすでにインストールされ動いていなければならない(詳細は「MathLM のインストール」を参照のこと).Mathematica のインストールを完了するためには,MathLM を実行しているライセンスサーバの名前かIPアドレスが必要である.
Mathematica をインストールするためには,管理者権限でログインしているか,管理者権限に昇格できなければならない.また,Mathematica を使うためには,Wolframユーザポータルで Mathematica をアクティベートする必要がある(詳細は「Mathematica のアクティベート」を参照のこと).
ファイルサーバから Mathematica をインストールする
クライアントに Mathematica をインストールする便利な方法の一つに,ファイルサーバからリモートでインストーラを実行するというものがある.この方法だと,各ユーザにCDやDVDを渡す必要なく,多数のユーザが効率的に Mathematica を使うことができるようになる.ファイルサーバから,サポートされる任意のプラットフォーム上で実行しているクライアント上に Mathematica をインストールすることができる.クライアントのプラットフォームはサーバのプラットフォームと同じである必要はない.
ファイルサーバから Mathematica をインストールするためには,まず,インストーラと Mathematica の全ファイルがクライアントで利用できるようにしなければならない.このためには,CDまたはDVDの内容をファイルサーバにコピーしてそのディレクトリをエキスポートするか,ファイルサーバ上のCD/DVDのマウントポイントをエキスポートするかすればよい.それからクライアント上の Mathematica のディレクトリをマウントするか,このディレクトリに変更するかして通常通りにインストーラを実行する.
ファイルサーバから Mathematica をインストールするためには,まずインストーラ実行ファイルと Mathematica のすべてのファイルをDVDからファイルサーバにコピーする必要がある.
Mathematica インストーラの起動
Windowsインストーラ
DVDからWindowsディレクトリを開く.Setup.exeファイルをダブルクリックしてインストーラを起動し,プロンプトに従う.メインのWindowsインストーラにはカスタム設定オプションが含まれている.これを使うと,Mathematica のWebブラウザプラグインのサポートやファイルシステムのノートブックの索引付けのためのコンポーネントを含む二次的なコンポーネントをインストールするかどうかを選ぶことができる.
Macintoshインストーラ
Mathematica は,DVDを挿入したときにスタートアップウィンドウに示されるように,Mathematica アプリケーションバンドルをアプリケーションフォルダにドラッグしてインストールする.DVDには,Mathematica WebブラウザプラグインおよびSpotlightのサポートや,Mathematica で作成されたドキュメントに対するQuick Lookのサポートを含む二次的なコンポーネントをインストールするためのインストーラも含まれている.
Linuxインストーラ
Linuxに Mathematica をインストールする方法は,以下の通りである.
1. CDあるいはDVDをマウントする.CD/DVDのマウントに関しては,「LinuxでCDあるいはDVDをマウントする」を参照のこと.
注:オペレーティングシステムによっては,自動的にマウントを実行するものもあるので,このステップが必要ではないLinuxプラットフォームもある..
2. ディレクトリを/cdrom/Unix/Installerに変更する.CD/DVDのマウントポイントの厳密な位置は,プラットフォームによって異なる可能性があるので注意すること.
スクリプトから Mathematica をインストールする
複数のマシンに Mathematica をインストールする場合,各マシンのインストーラプロンプトすべてに応答していくと時間がかかることがある.インストーラにコマンドラインオプションを与えることにより,インストールプロセスの様々な機能をカスタマイズしたり,完全に自動化したりすることができる.
Windows
| /dir="C:\path\here" | インストール先のディレクトリを指定する |
| DisableShellVerbs | .m,.nb,.nbp等のファイルの関連付けを無効にする(デフォルトでは有効) |
| /group="start menu folder name" | スタートメニューフォルダの名前を指定する |
| /noicons | スタートメニューフォルダおよびショートカットの生成を無効にする |
| /norestart | 必要なときでもシステムを再起動しない |
| /restartexitcode=code | 再起動が必要な場合に返すインストーラの終了コードを指定する |
| /silent | 自動インストールを強制し,インストールウィンドウが表示されないようにする |
| /suppressmsgboxes | インストーラのメッセージボックスが表示されないようにする(/silentとともに使う場合にのみ有効) |
Mathematica インストーラがサポートするコマンドラインオプション
Mathematica のサイレントインストールを実行するスクリプトを作成する
以下はファイルサーバから Mathematica をサイレントインストールするための簡単なスクリプトの書き方を説明したものである.この方法では有効なパスワードを含むmathpassファイルが必要である.サイト規模のmathpassの設定に関する情報は「登録とパスワード」を参照のこと.
1. 「ファイルサーバから Mathematica をインストールする」の最初の部分の指示に従って,インストーラとファイルをDVDからファイルサーバへコピーする.
2. mathpassファイルを,ファイルサーバ上のインストーラ,Mathematica ファイルと同じディレクトリにコピーする.
3. 「メモ帳」(スタートメニュー ► すべてのプログラム ► アクセサリ ► メモ帳)を開き,新しいファイルに以下の行を入力する.
@echo off
echo Installing Mathematica...
\\server\math\setup.exe /silent /suppressmsgboxes /log="C:\Windows\Temp\install.log"
echo Creating password file...
copy \\server\math\mathpass "C:\Directory\Name"
echo Mathematica installation complete.
4. \\server\mathという部分すべてを Mathematica のインストールファイルとmathpassファイルがコピーされたネットワーク共有のパス名に変更する.
5. Windowsのバージョンに応じて,"C:\Directory\Name"を以下に挙げたディレクトリに変更する.ディレクトリ名は,ダブルクォートで囲むよう注意すること.
Windows 7/Vista—"C:\ProgramData\Mathematica\Licensing"
Windows XP—"C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\Mathematica\Licensing"
注:上記のディレクトリは,それぞれのWindowsバージョンでの$BaseDirectoryの値である.詳細は「環境設定ファイル」を参照のこと.
6. ファイルを保存するためには,ファイル ► 保存を選ぶ.ファイルは Mathematica のインストールファイルと同じディレクトリに保存する.ファイル名はinstall.batと入力し,ファイルの種類ポップアップメニューからすべてのファイルを選ぶ.保存をクリックして,メモ帳を終了する.
Mathematica のサイレントインストールを実行する
1. クライアントでコマンドプロンプトウィンドウを開く.install.batファイルのパス名をタイプし,Enterを押す.例えば,ネットワーク共有が\\server\mathとすると,以下のようにタイプする.
2. これでインストールの完了である.上記以外のメッセージが出た場合は,クライアントマシンのC:\Windows\Temp\install.logファイルをチェックすると詳細情報が得られる.
この方法で Mathematica をインストールすると,インストーラの質問にいちいち応答せずに簡単なスクリプトを実行することができるので,各クライアントマシンにDVDを使う必要がなくなる上,時間が節約できる.
Linux
| -auto | ユーザに情報の入力を求めることなく,自動的にインストールを実行する |
| -createdir=value | オプション-targetdirおよび-execdirで指定されたディレクトリを生成するかどうかを指定する |
| -execdir=dir | 実行スクリプトへのシンボリックリンクに使用するパスを指定する |
| -help | インストーラオプションについての情報を表示する |
| -method=type | 実行したいインストールの種類を定義する |
| -overwrite=value | インストーラが,ターゲットディレクトリにすでに存在するファイルを上書きしてもよいかどうかを指定する |
| -platforms=value | インストールを行うLinuxプラットフォームのシステムIDを指定する |
| -selinux=value | 含まれているライブラリが正常に動作するよう,そのセキュリティコンテキストをインストーラが編集するよう試みるかどうかを指定する |
| -silent | 自動インストールを強制する(-autoオプションと同じ) |
| -targetdir=dir | インストールディレクトリを指定する |
| -verbose | インストールされているファイルとディレクトリについての詳細情報を表示する |
注:コマンドラインで明示的に指定されていないオプションにはすべてデフォルト値が使われる.
-createdirに有効な入力は「yes」にはy,「no」にはnである.デフォルトではこの値はyに設定されている.
-execdirのデフォルトディレクトリは/usr/local/binである.このオプションは自動インストールの場合にのみ有効である.
-methodの値は製品により異なる.このオプションが利用可能な場合は,値はインストーラを起動することで決定される.このオプションのデフォルト値はFullである.
-overwriteに有効な入力は「yes」にはy,「no」にはnである.デフォルトではこの値はyに設定されている.このオプションは自動インストールの場合にのみ有効である.
-platformsのデフォルトは,インストーラがこの情報を利用できる場合は,デフォルト値はインストールを行うシステムとなる.このオプションは自動インストールの場合にのみ有効である.
-selinuxに有効な入力は「yes」にはy,「no」にはnである.デフォルトではこの値はnに設定されている.
オプション-silentは,出力がスクリーン上に表示されないようにする.この場合,出力はInstallerLog-number というファイルに書き込まれる.インストールがうまくいかなかったら,ログファイルは/tmpディレクトリに保存される.インストールが成功したら,ログファイルはターゲットディレクトリに移され,InstallerLogという名前に変更される.
-targetdirに指定されるディレクトリは,大域変数$InstallationDirectoryの値に相当する.デフォルト値は/usr/local/Wolfram/Mathematica/9.0である.このオプションは自動インストールの場合にのみ有効である.
インストールをワンステップで終了するためには,以下のコマンドを実行する.
./MathInstaller -auto -targetdir=/home/mathematica
sudoコマンドを使って同じことを行うためには,sudoの -- フラグを使う必要がある.
sudo ./MathInstaller -- -auto -targetdir=/home/mathematica
このコマンドを使うと,ワンステップでインストールを自動的に完了することができる上,インストール先となるディレクトリ等の詳細もカスタマイズすることができる.この方法では,パスワードの入力は求められないので,初めて Mathematica を起動するときにパスワードを入力する必要がある.
多数のインストールを実行する場合は,必要なオプションを指定したMathInstallerコマンドをシェルスクリプトに入れると便利であろう.シェルスクリプトを実行すると,複数マシンへ同様にカスタマイズしたインストールを簡単に行うことができる.既存のmathpassファイルを,新しくインストールされたマシンの適切な場所にコピーする行をスクリプトに入れることで,インストールがさらに簡単になる.MathInstallerを実行する際は,それが存在するディレクトリから実行しなければならないので,スクリプトにディレクトリを変更するコマンドを入れる必要があるかもしれないという点に注意する.サイト規模のmathpass設定についての情報は,「登録とパスワード」をご参照いただきたい.
