セルのオプション
Mathematica はセルに極めて多くのオプションを提供する.フロントエンドのオプションインスペクタメニュー項目から,それらすべてのオプションにアクセスできる.オプションは,個々のセルのレベルに直接設定することもできるし,上位のレベルに設定して下位のレベルに継承させることもできる.
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| CellDingbat | None | セルを強調するためのマーク |
| CellFrame | False | セルを囲む枠 |
| Background | None | セルの背景色 |
| ShowCellBracket | True | セルブラケットの表示 |
| Magnification | 1. | セルを表示するときの拡大率 |
| CellOpen | True | セルを開いて内容を表示する |
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| CellMargins | {{7,0},{4,4}} | セルの内容が取る余白をプリンタのポイント数で表す |
| CellFrameMargins | 8 | セルの縁が内側に取る余白 |
| CellElementSpacings | 規則のリスト | セルの要素の配置を決める詳細 |
| CellBaseline | Baseline | セルの中のテキストのベースライン |
オプションCellMarginsはセルの周りの上下左右の余白を設定するのに使われる.左右の余白は,フロントエンドのメニュー項目ルーラーの表示を選ぶと表示されるルーラーのマージンストップを使って,対話的に設定することができる.
いかなるオプションも,それがセルの四隅を参照するときは,Mathematica は
の形で指定する約束になっている.上 と下 に0でない数を指定すると,CellMarginsはセルの上と下にそれだけの余白を取る.値は常にプリンタのポイント数で指定する.
Mathematica ノートブックのほとんどすべての特性は何らかのオプションによって制御できる.もっと詳細に関する特性の代表は
等の複数のオプションの集合である.これらのオプションは Mathematica のルールのリストとして与えられ,サブオプションの列にそれぞれの値を決めるものである.サブオプションの名前は記号でなく,普通,文字列である.
| In[4]:= |
| Out[4]= | ![]() |
Mathematica では,テキストの中にセルを埋め込むことができる.オプションCellBaselineは,埋め込まれたセルとその前後のテキストとのベースラインの上下関係を決める.GridのオプションBaselinePositionと全く同様に,オプションCellBaselineはセルのどこをベースラインとみなすかを指定する.
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| CellLabel | "" | セルのラベル |
| ShowCellLabel | True | セルのラベルの表示 |
| CellLabelAutoDelete | True | セルが編集されたときにラベルを消去する |
| CellTags | {} | セルのタグ |
| ShowCellTags | False | セルのタグの表示 |
| ConversionRules | {} | 外部への変換ルール |
セルの内容に加えて,さまざまな補足情報を付加しておくと便利なことがある.
普通の Mathematica セッションで,カーネルの計算の入力と出力には順にIn[n]:=とOut[n]=のラベルが付けられる.オプションShowCellLabelはこの入出力ラベルを表示するかしないかを決める.オプションCellLabelAutoDeleteは,セルの内容が修正されたときセルのラベルを消去するかしないかを決める.これによってIn[n]:=とOut[n]=のラベルが正しい順の計算を反映することになる.
セルタグは普通キーワードやその他の属性をセルに割り当てるのに使われる.これはNotebookFind.のような関数で検索することができる.Mathematica ノートブックにおけるハイパーリンクで,検索先を指定するにはこのセルタグを使う.
オプションConversionRulesは,"TeX"->data のようなルールのリストを与えることによって,セルの内容を外部に引き渡すときにフォーマットを変換する様式を指定する.これは,外部のファイルを読み込んでそれを Mathematica のフォーマットに変換したセル等で,もとのフォーマットを保存しておきたいときに特に役に立つ.
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| Deletable | True | セルをフロントエンドから対話的に消去可能 |
| Copyable | True | セルをコピーすることが可能 |
| Selectable | True | セルの内容を選択することが可能 |
| Editable | True | セルの内容を編集することが可能 |
| Deployed | False | セルのユーザインターフェースがアクティブであるかどうか |
オプションDeletable,Copyable,Selectable,Editableは,対話的に対応する操作が可能であるかどうかを指定する.ノートブックのレベルでこの設定をFalseにすると,それに含まれるすべてのセルをプロテクトすることができる.
Deployedでは,セルの内容がユーザインターフェースであるかのように扱える.ユーザインターフェースでは,通常ラベルは選択不可能であり,ボタン等のコントロールは使えても編集はできない.Deployedはセル内部の特定の要素に設定することもできるので,例えば,Manipulateは,それが含まれるセルのDeployedオプションがFalseになっていても,常に出力を配備することができる.
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| Evaluator | "Local" | 式の評価を行うカーネル |
| Evaluatable | False | セルの内容を評価可能にするかどうか |
| CellAutoOverwrite | False | 新たな出力が古い出力結果を上書きするようにするかどうか |
| GeneratedCell | False | そのセルがカーネルによって生成されたかどうか |
| InitializationCell | False | ノートブックを開くとそのセルが自動的に評価されるようにするかどうか |
Mathematica では,それぞれのセルを別々のカーネルで評価させるようにできる.しかしほとんどの場合,Evaluatorオプションはフロントエンドのカーネル環境設定メニュー項目を使ってノートブックあるいはグローバルレベルに設定される.
Mathematica の出力を表現するセルのスタイルでは,オプションCellAutoOverwriteは通常Trueに設定されている.これによって,対応する入力を再び評価すると,以前の計算によって得られている結果は消去されて新たな結果が上書きされる.
オプションGeneratedCellは,フロントエンドによって対話的に作られたセルでなく,フロントエンドが外部から指令を受けて作られたセルに設定される.従って,例えばカーネルが返す結果あるいは二次的出力の書かれたセルはGeneratedCell->Trueと設定される.ノートブックを直接操作することを意図したNotebookWrite,NotebookApply等の低レベル関数により生成されたセルでは,GeneratedCell オプションは設定されない.
オプション | 代表的なデフォルト値 | |
| PageBreakAbove | Automatic | そのセルのすぐ上で改ページ |
| PageBreakWithin | Automatic | そのセルの途中で改ページ |
| PageBreakBelow | Automatic | そのセルのすぐ下で改ページ |
| GroupPageBreakWithin | Automatic | そのセルグループの途中で改ページを許す |
画面に表示されているノートブックは連続的にスクロールできる.しかし,ノートブックを印刷するときはどこで改ページするかを決めなければならない.改ページの設定がAutomaticであると,Mathematica は必要に応じて改ページを行う.一方Trueは必ず改ページが行われ,Falseではその反対である.
オプションPageBreakAboveおよびPageBreakBelowを使って設定した改行は,スライドショーのスライドの改ページも決定する.スライドショーを作成する場合,通常各スライドがどこで始まるかを指定する特別な名前のスタイルを持つセルを使う.このスタイルに改ページオプションのいずれかを設定することができる.

