このユーザガイドの使い方

このユーザガイドは,Wolfram言語を外部プログラムとともに使う二種類の方法について従来の対比を反映し,二部で構成されている.1つ目の使用方法は外部プログラムを「インストール」してWolfram言語環境を拡張することにより,その機能がWolfram言語に組み込まれているかのようにするというものである.これは,人気のある数多くのアプリケーションやツールによってサポートされる「プラグイン」の概念に似ている.2つ目はバックグラウンドで実行される演算エンジンとしてWolfram言語を呼び出すプログラムを作成するというものである.

Javaクラスをロードして呼び出すことによってWolfram言語環境を拡張する方法は,「Wolfram言語からJavaを呼び出す」で説明する.そのセクションは特別なプログラム技術を必要としないので,幅広い方々に興味を持っていただけるであろう.そこで説明されている機能を使うのに,Javaプログラマーである必要はない.J/Link をそのように使いたい場合は,J/Link ユーザガイドのJ/Link の基本」をお読みいただきたい.すぐに J/Link を使い始めることができる.J/Link ユーザガイドの「高度なトピック」にもぜひ目を通していただきたい.これは J/Link に少し慣れてから精読されるとよい.「例題プログラム」は便利なプログラムの例を提示している.

「Wolfram言語を使うJavaプログラムを書く」では演算にWolfram言語を使うJavaプログラムの書き方を説明する.第2部では J/Link をJava用のWolfram Symbolic Transfer Protocol (WSTP) Developer Kitとして扱っている.WSTPについて多少の知識をお持ちであることを想定している.WSTPについては「WSTPと外部プログラム通信」で取り上げられている.

このユーザガイドでは演算にWolfram言語を使うJavaプログラム,およびJavaを呼び出すWolfram言語プログラムの作成を説明するのに「J/Link プログラミング」という言葉を使っている.どちらを意味するかは,文脈から分かるはずである.