システム構成

Wolframシステムはモジュール型のシステム構成を取っている.計算を実行するカーネルと呼ばれるモジュールと,ユーザインターフェースを司るフロントエンドと呼ばれるモジュールから構成される.
Wolfram言語カーネル
カーネル計算処理を実行するモジュール
Wolframシステムフロントエンド
フロントエンドユーザとの対話処理を行うモジュール
Wolframシステムの基本構成
このような設計は,一体型のシステムより多くの利点がある.例えば,Wolframシステムフロントエンドは高度なグラフィックス機能を備えたローカルのコンピュータで実行し,Wolfram言語カーネルはより高速のリモートコンピュータで実行することができる.また,1つのフロントエンドから複数のカーネルを実行することも可能である.
Wolframシステムで最もよく使われるインターフェースは,ノートブックと呼ばれるインタラクティブなドキュメントである.ノートブックを使うことで,Wolframシステムの入出力に文章,グラフィックス,パレットを加えることが可能になる.ノートブックは,継続した計算を行うことはもとより,計算結果を発表用にまとめたり,出版用の論文を作成するために使ったりすることもできる.
この他によく使われるWolframシステムインターフェースには,テキストベースのインターフェースやWolfram Symbolic Transfer Protocol (WSTP)インターフェースがある.
ノートブック型インターフェース
対話形式の文書の作成
テキスト型インターフェース
キーボードを使ったテキスト形式の入力
WSTPインターフェース
インターフェース外部プログラムとの連結
Wolframシステムの共通インターフェース
Wolframシステムの重要な側面のひとつに,ユーザとの対話処理だけでなく他のプログラムとの対話ができることがある.これは主にWSTPと呼ばれる,外部プログラムとWolfram言語カーネルとの間の双方向通信のために標準化されたプロトコルによって行われる.
WSTPに互換なプログラムが数多く存在するが,中にはWolframシステムの完全なフロントエンドとして動作するものもある.このようなフロントエンドはよく独自のユーザインターフェースを備えており,Wolfram言語カーネルを組込み型の計算エンジンとして使うようになっている.