WOLFRAM

Model Center信頼性ビュー

行動モデリング分布の編集
信頼性モデリングWolfram言語における信頼性解析
Model Centerにおける信頼性モデリング

コンポーネントやシステムの信頼性は特定の時間範囲にそれらが機能する確率である.これは寿命分布でモデル化される.個別のコンポーネントから構築されたシステムには,コンポーネントの寿命分布とシステムの構造から計算できる,システム自体の寿命分布がある.信頼性は安全性のために使われたり(原子核,海上,航空宇宙等),経済性のために使われたり(保証,顧客満足度等)する.

行動モデリング

行動モデリングはシステムがどのように動作するのかを解析しようとする.例えば自動車のようなシステムでは,エンジンの中のガソリンの燃焼,ピストンの動き,力の車輪への伝達等がモデル化できる.

行動モデリングは物事がどのように動作するのかや,設計を変更するとシステム全体の動作がどのように変化するのかを理解したり,特定のシステム設計における問題点を見付けたりするのに非常に便利である.

信頼性モデリング

信頼性モデリングは,システムがどれだけの間期待通りに機能するかを調べるためのものである.これはシステムが機能するためにはコンポーネントのどのような組合せが機能しなければならないかを調べることによって行われる.自動車の簡略された信頼性モデルでは,車輪が機能しており(パンクしていない等),エンジンが十分な出力を生成しており,トランスミッションが力を車輪に伝えることができており,最後にブレーキシステムの冗長ペアの一つが機能しているなら,自動車は機能していると見なされる.

システムのそれぞれのコンポーネントについて,そのタイプのコンポーネントがどれだけの間機能すると想定されるかを表す分布が与えられる.これらのコンポーネントの信頼性と,どのコンポーネントが機能しなければならないかについてのシステムレベルでの記述を組み合せると,システム全体がどれだけの間機能するのかについての分布が計算できる.同じ情報を使って,全体の信頼性を高めるためにどのコンポーネントを改良しなければならないのかや,システムの信頼性を失うことなくどのどのコンポーネントの信頼性を下げることができるのか等も計算することができる.

信頼性情報は動作のシミュレーションに使われる同じモデルに組み込むことができ,Wolfram言語と,System Modelerに含まれるWSMLinkパッケージを使って信頼性解析に使用できる.

Model Centerにおける信頼性モデリング

System Modelerの Model Centerでは,コンポーネントとシステムの信頼性についての情報を編集することができる.これはメインウィンドウ下部の信頼性ビューで行う.ビューが表示されていない場合は,Model Centerで「ビュー」 「信頼性」を選んで表示する.

各コンポーネントには,コンポーネントの寿命を表す分布を割り当てることができる.また,コンポーネントを含むクラスには,そのクラスのコンポーネントの寿命に依存するReliabilityDistributionまたはFailureDistributionを割り当てることができる.

分布の編集

各クラスは,クラスがモデル化するシステムまたはコンポーネントの期待される寿命を表す寿命分布を持つことができる.この分布を編集するためには,クラスを開き,Model Center下部の信頼性ビューで分布を設定する.

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Model Centerにおける信頼性ビュー

クラスをより大きいシステムのコンポーネントとして使用する場合,より大きいシステムを開き,アイコンビューダイアグラムビュー,またはコンポーネントブラウザでコンポーネントを選択し,信頼性ビューで分布を設定すると,この新しい分布は元のクラスの寿命分布に優先される.

最後に,より大きいシステムについては,ExponentialDistributionのようなコンポーネントに依存しない分布を選択するか,ReliabilityDistributionFailureDistribution等のシステムの分布を選択することで,寿命分布を完全に設定することができる.

システムの分布を選択する場合は,与えられる引数は,システムが動作する,または動作しないために,どのコンポーネントを動作する,または動作しないようにしなければならないかを述べるブール式でなければならない.例えば,ReliabilityDistributionを使っており,コンポーネント"resistor1"および"resistor2"が動作する場合はシステムも動作する場合は,入力するブール式は"resistor1 and resistor2"となる.

システムに構造的ではない分布を使用する場合は,そのクラスのすべてのコンポーネントは,その信頼性情報がどのようなものであっても無視される.

表示されているクラスが読取り専用の場合は,信頼性ビューも読取り専用となる.この場合,信頼性情報は表示されるが,編集することはできない.

Wolfram言語における信頼性解析

System Modelerのモデルに信頼性情報が存在する場合,その情報はWolfram言語でWSMModelReliabilityを使って信頼性の計算に使用できる.

並列システムの寿命分布を取り出す:

特定の時間経過後もシステムが動作する最尤度を示す生存関数をプロットする:

システム全体の故障までの平均時間(MTTF)を取り出す:

その他の例とドキュメントは,Wolfram言語でWSMModelReliabilityを参照されたい.