DiscreteRiccatiSolve
DiscreteRiccatiSolve[{a,b},{q,r}]
離散代数リッカチ(Riccati)方程式 の安定化解である行列 を与える.
DiscreteRiccatiSolve[{a,b},{q,r,p}]
を解く.
詳細とオプション
- における「」は共役転置を表す.
- が安定可能,が検出可能で,かつ のときのみ,方程式 には一意的で対称な半正定値解がある.したがって,行列 の固有値はすべて単位円内にあり解は安定している.
- が可制御でが可観測であれば解は正定値である.
- DiscreteRiccatiSolveはMethodオプションをサポートする.次は,指定可能な設定値である.
-
Automatic 自動的に決定されたメソッド "Eigensystem" 固有値分解に基づく "GeneralizedEigensystem" 一般化された固有値分解に基づく "GeneralizedSchur" 一般化されたシューア(Schur)分解に基づく "InverseFree" "GeneralizedSchur"の変化形 "MatrixSign" 行列符号関数を使った反復法 "Newton" 反復ニュートン(Newton)法 "Schur" シューア分解に基づく - どのメソッドも,近似数値行列に適用される."Eigensystem"は厳密行列に適用される.
例題
すべて開くすべて閉じるオプション (7)
Method (7)
厳密な系には,Automaticおよび"Eigensystem"メソッドが使われる:
厳密ではない系には"Schur"メソッドを使うことができる:
"Newton"は非厳密系に適用され,Automaticよりも正確な場合がある:
"Newton"は,サブオプションとして,"StartingMatrix","MaxIterations","Tolerance"を取る:
"Newton"法は,たとえそれが存在する場合でも,安定化解を計算しないことがある:
Automaticメソッドと比較する:
"MatrixSign"は,一般に,"Newton"法の初期近似として使われる:
"MatrixSign"は,サブオプションとして,"MaxIterations"および"Tolerance"を取る:
a が特異値の場合は,"GeneralizedSchur"あるいは"GeneralizedEigensystem"が適用される:
"Eigensystem"は,a が特異行列のときは使うことができない:
アプリケーション (2)
特性と関係 (10)
DiscreteRiccatiSolve[{a,b},{q,r,p}]はDiscreteRiccatiSolve[{a-b..p,b},{q-p.r -1.p,r}]に等しい:
p を行列 a および q に組み込んでも同じ結果を得ることができる:
{a,b}が安定化可能,{a,g}が検出可能で q=Transpose[g].g であれば,離散リッカチ方程式の解は半正定値である:
{a,b}が可制御で{a,g}が可観測であり q=Transpose[g].g であれば,離散リッカチ方程式の解は正定値である:
離散代数リッカチ方程式に関連する行列はシンプレクティックである:
リッカチ方程式の安定化解を得るためには,シンプレクティック行列は安定性および相補性の特性を満足しなければならない:
のあるフィードバック系の固有値はシンプレクティック行列の安定固有値である:
DiscreteRiccatiSolveを使って最適状態フィードバックゲインを計算する:
LQRegulatorGainsを使って同じ結果を直接得る:
DiscreteRiccatiSolveを使って最適出力フィードバックゲインを計算する:
LQOutputRegulatorGainsは同じ結果を与える:
DiscreteRiccatiSolveを使って最適推定器ゲインを計算する:
LQEstimatorGainsを使う:
テキスト
Wolfram Research (2010), DiscreteRiccatiSolve, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteRiccatiSolve.html (2014年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2010. "DiscreteRiccatiSolve." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteRiccatiSolve.html.
APA
Wolfram Language. (2010). DiscreteRiccatiSolve. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteRiccatiSolve.html