ParallelCases

ParallelCases[{e1,e2,…},pattern]

パターンにマッチする eiのリストを並列で与える．

ParallelCases[expr,pattern,levelspec]

パターンにマッチする levelspec で指定されたレベルの expr のすべての部分のリストを与える．

詳細とオプション

  • ParallelCasesはCasesの並列版である．
  • ParallelCasesは，計算中の副作用を除いて，Casesと同じ結果を与える．
  • Parallelize[Cases[data,pattern]]はParallelCases[data,pattern]に等しい．
  • 以下は，使用可能なオプションである．
  • Method Automatic並列化の粒度
    DistributedContexts $DistributedContexts並列計算にシンボルを配布するために使われるコンテキスト
    ProgressReporting $ProgressReporting計算の進捗状況を報告するかどうか
  • Methodオプションは使用する並列化メソッドを指定する．次は，使用可能な設定である．
  • "CoarsestGrained"計算を使用可能なカーネルと同数に分割する
    "FinestGrained"計算をできるだけ小さいサブユニットに分割する
    "EvaluationsPerKernel"->e計算を1カーネルについて最大で e 個になるように分割する
    "ItemsPerEvaluation"->m計算を最大 m 個のサブユニットの評価に分割する
    Automaticオーバーヘッドと負荷分散の間で妥協する
  • Method->"CoarsestGrained"は，すべてが同じ時間を要する多くのサブユニットを含む計算に適している．これを使うとオーバーヘッドは最小化されるが負荷分散は提供されない．
  • Method->"FinestGrained"は，所要時間が異なるいくつかのサブユニットを含む計算に適している．これを使うとオーバーヘッドは大きくなるが負荷分散は最大化される．
  • DistributedContextsオプションは expr のどのシンボルの定義を使用可能な全カーネルに自動的に計算前に配布するかを指定する．
  • デフォルト値はDistributedContexts:>$DistributedContextsで，$DistributedContexts:=$Contextである．これは，現行コンテキストの全シンボルの定義を配布するがパッケージからのシンボルの定義は配布しない．
  • ProgressReportingオプションは，並列計算の進捗状況を報告するかどうかを指定する．
  • デフォルト値はProgressReporting:>$ProgressReportingである．

例題

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例  (1)

整数と明示的にマッチするケースを求める：

整数にはマッチしないケースを求める：

スコープ  (1)

レベル2までの整数のケースを取り出す：

オプション  (5)

Method  (1)

計算をカーネルの数と同数の下位区分に分割する：

各計算をそれ自体としてスケジュールする：

DistributedContexts  (2)

デフォルトで，現行コンテキストの定義は自動的に配布される：

関数の定義は何も配布しない：

ProgressReporting  (2)

一時的な進捗レポートは表示しない：

最も正確な進捗レポートにMethod"FinestGrained"を使う：

特性と関係  (1)

Parallelize[Cases[…]]はParallelCases[…]に等しい：

考えられる問題  (1)

Casesの任意の length 引数は並列化できない：

Wolfram Research (2025), ParallelCases, Wolfram言語関数， https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelCases.html.

テキスト

Wolfram Research (2025), ParallelCases, Wolfram言語関数， https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelCases.html.

CMS

Wolfram Language. 2025. "ParallelCases." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelCases.html.

APA

Wolfram Language. (2025). ParallelCases. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelCases.html

BibTeX

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