FCS (.fcs,.lmd)

予備知識

    • FCS分子生物学形式.
    • フローサイトメトリーデータの保管と交換のための標準形式.
    • ASCII/バイナリ混合形式.
    • 細胞のイベントのシグナル強度を配列として保管する.
    • ファイルにはデータ取得についてのメタ情報が保管される.

ImportとExport

  • Import["file.fcs"]ファイルに保管されている細胞のイベントを表す配列を返す.
  • Export["file.fcs",{paramnames,events}]はパラメータ名のリストとイベントの配列をFCS形式にエキスポートする.
  • Export["file.fcs",{paramnames,paramreagents,events}]はパラメータ名のリスト,パラメータ試薬のリスト,イベントの配列をFCS形式にエキスポートする.
  • Import["file.fcs",elem]はFCSファイルから指定の要素をインポートする.
  • Import["file.fcs",{{elem1,elem2,}}]は複数の要素をインポートする.
  • インポート形式はImport["file","FCS"]またはImport["file",{"FCS",elem,}]で指定できる.
  • Export["file.fcs",{expr1,expr2,},{{elem1,elem2,}}]は各 expri が対応する elemi を指定しているとして扱う.
  • Export["file.fcs",expr,opt1->val1,]は指定の値を持つ指定のオプション要素で expr をエキスポートする.
  • Export["file.fcs",{elem1->expr1,elem2->expr2,},"Rules"]は規則を使ってエキスポートする要素を指定する.
  • ImportExportについての一般的な全情報は,関数ページを参照のこと.
  • ImportStringExportStringはFCS形式をサポートする.
  • 一般的な情報は,以下の関数ページを参照のこと.
  • Import, Exportファイルからインポートする,あるいはファイルへエキスポートする
    CloudImport, CloudExportクラウドオブジェクトからインポートする,あるいはクラウドオブジェクトへエキスポートする
    ImportString, ExportString文字列からインポートする,あるいは文字列へエキスポートする
    ImportByteArray, ExportByteArrayバイト配列からインポートする,あるいはバイト配列へエキスポートする

Import要素

  • 一般的なImport要素:
  • "Elements" ファイル中の有効な要素とオプションのリスト
    "Summary"ファイルの概要
    "Rules"使用可能なすべての要素の規則のリスト
  • ファイルのメタデータ:
  • "Header"規則のリストで与えられた生のファイルヘッダ
  • データ表現要素:
  • "Events"細胞のイベントの配列
    "ParameterName"規則のリスト(インポート)またはリスト(エキスポート)で表されるパラメータ名
    "ParameterReagent"規則のリスト(インポート)またはリスト(エキスポート)で表されるパラメータ試薬
  • その他のデータ要素:
  • "Data"細胞のイベントの配列
    "LabeledData"ファイルに保管されたデータの規則のリスト
  • ImportはデフォルトではFCS形式に"Events"要素を使用する.
  • Exportは少なくともパラメータ名のリスト1つとイベントの配列1つを必要とする.
  • Exportはパラメータ試薬のリストをオプションとして取る.他のすべてのオプションのキーは"OptionalKeys"オプションで指定しなければならない.

オプション

  • 高度なExportオプション:
  • "DataType"Automaticイベントの符号化に使用されたデータ型
    "OptionalKeys"{}規則のリストとしてヘッダに含む,オプションのキー
  • Wolfram言語はイベントが符号化できる最も圧縮された形式の特定を試みる.字殿データ型特定は"DataType"オプションでオーバーライドできる.
  • "DataType"の有効な設定:
  • "UnsignedInteger8"8ビット符号なし整数
    "UnsignedInteger16"16ビット符号なし整数
    "UnsignedInteger24"24ビット符号なし整数
    "UnsignedInteger32"32ビット符号なし整数
    "Real32"IEEE単精度実数
    "Real64"IEEE倍精度実数
  • Wolfram言語は"OptionalKeys"で指定されている特定の保護されたキー("$BEGINDATA""$BYTEORD"等)を自動的にオーバーライドする.そのため,インポートされたFCSを再度エキスポートする場合は,"OptionalKeys"をインポートされたFCSファイルの"Header"要素の値に直接設定できる.パラメータ試薬("$PnS"キー)は,Export式でパラメータ試薬が提供されている場合にのみ"OptionalKeys"から削除される.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (7)

サンプルのFCSファイルからファイルヘッダを読み込む:

パラメータの名前と試薬を読み込む:

イベントを読み込み,最初のいくつかを表で表示する:

イベントの値とパラメータ名の配列をエキスポートする:

エキスポートの際に使用するデータ型を指定する:

イベントの値,パラメータ名,パラメータの試薬の配列をエキスポートする:

同じヘッダのデータファイルをイベントの少数の部分集合とともにエキスポートする:

スコープ  (6)

変換していないイベントを密度ヒストグラムでプロットする:

ArcSinhで変換した軸に影付等高線プロットでイベントをプロットする:

FindClustersを使って自動的に類似の細胞群を検出する:

可能な25の二軸プロットのグリッドを作成する:

細胞集団の多角形ゲーティングを行う:

FCS標準は負の整数をサポートしていない:

代りに,負の整数は実数としてエキスポートする: