ファンクショナルモックアップインターフェース(FMI)
ファンクショナルモックアップインターフェース(FMI)標準は，ツール間でモデルを交換するための，ツール非依存のオープン標準である．FMIはファンクショナルモックアップユニット(FMU)と呼ばれる実行ファイルによって実装されるCインターフェースを定義する．System Modeler等のシミュレーション環境はFMIを使ってFMUのインスタンスを作成し，そのシミュレーションを他のFMUやシミュレーション環境にネイティブのモデルと一緒に行うことができる．
FMIの開発はモデリング環境がシステムモデルのCコードを生成することができる標準環境を作るために始まった．そのCコードはその他のモデルとシミュレーション環境で使用できるため，モデリングプロジェクトにおいてさまざまなツールやワークフローを使ったモデリングプロジェクトが容易になる．
System Modelerは現在FMI 1.0および2.0 for Model Exchange（インポートとエキスポート）と，FMI 2.0 for Co-Simulation（インポートとエキスポート）をサポートしている．
System ModelerにおけるFMUのエキスポートとインポートのワークフローについての詳細はにFMUのエキスポートとインポートついてのページを参照されたい．インポートされたモデルの特性については「インポートされたFMUを使用する」で説明する．
SYSTEM MODELERにおけるFMI
|
| FMUのエキスポートとインポート インポートされたFMUを使用する FMI 変数の命名 |
ファンクションモックアップユニット
ファンクションモックアップユニット(FMU)はインターフェースを実装する実行可能ファイルである．FMUのエキスポート中はシステムモデルからFMUアーカイブが生成され，FMUのインポート中はFMUアーカイブからシステムモデルが生成される．
- モデル方程式：モデルは時間，状態，ステップ事象を含む常微分方程式，代数的関係，および離散方程式を使って記述できる．これらの方程式は少しのC関数で表すことができる．Cコードはその後FMUでソースで，またはバイナリ形式で分配され，一つのFMUには複数のプラットフォームおよび／またはプラットフォームのバージョンのバイナリを含むことができる．
- オプションのリソースファイル：ドキュメントのファイル(HTML)，モデルアイコン（ビットマップファイル），マップと表，モデルに使われているその他のライブラリまたはDLLファイル等，その他にもFMUに含まれる可能性のあるオプションのファイルがある．
モデルの交換と連成シミュレーション
FMI標準は現在FMI for Model Exchange（インポートとエキスポート）とFMI for Co-Simulation（マスタとスレーブ）の2つのプロトコルを指定している．これら2つののプロトコルの主な相違点は，Model ExchangeではFMUはインポートツールのソルバを使ってシミュレーションが行われるのに対し，Co-SimulationではFMUはそのソルバと共に送られるということである．
FMI for Model Exchangeでは，複数のFMUが繋ぎ合すことのできるオフラインまたはオンラインのシミュレーションでも，マイクロプロセッサに埋め込まれた制御システム上でも，FMUを使用することができる．Model ExchangeとCo-Simulationのどちらにおいても，FMUは何万もの変数を含んで非常に大きくなることがある．
FMUとFMI標準についての詳細情報はwww.fmi-standard.org を参照されたい．