NumericalCalculus`
NumericalCalculus`
NLimit
NLimit[expr,z->z0]
z が z0に近付く際の expr の極限値を数値的に求める.
詳細とオプション
- NLimitを使うためには,まず数値計算パッケージをロードしなくてはならない.それにはNeeds["NumericalCalculus`"]を実行する必要がある.
- 式 expr は,その引数 z が数値である場合は,数値でなければならない.
- NLimitは極限を求めるために点 z0に接近する値の列を構築し,外挿を使う.
- NLimitは実際にはゼロとなるような小さい数を識別することができない.このような誤りの残余を排除するためにChopを使う必要があることがある.
- 極限がベキ法則的に無限に近付く場合,NLimitは失敗することがよくある.
- 次のオプションを与えることができる:
-
WorkingPrecision MachinePrecision 内部計算で使用する精度 Direction Automatic 接近の方向を与えるベクトル Scale 1 ステップ列の最初の刻み幅 Terms 7 極限の評価に使用する項の数 Method EulerSum 結果の評価に使用するメソッド WynnDegree 1 ウィン(Wynn)のイプシロン法で使用する次数 - オプションDirection->d は,有限の極限点 z0 への接近ベクトルが複素数 d で与えられることを指定する.デフォルト設定のDirection->AutomaticはDirection->-1と等価であり,z が大きい値から z0に近付くときの極限を計算する.
- NLimitは原点からの放射線上で無限の極限点に近付く.
- オプションScaleは構築された列の最初のステップを指定する.
- 有限極限点 x0 では,初期ステップは x0 から距離Scaleだけ離れたところである.無限極限点では,原点から距離Scaleだけ離れたところである.
- 結果の正確さは通常項の数を増やすことで改善される.しかし通常WorkingPrecisionを増やすことも必要である.
- Methodに可能な設定は以下の通りである:
-
EulerSum 列を総和に変換し,EulerSumを使う SequenceLimit 構築された列にSequenceLimitを使う - オプションWynnDegreeは,SequenceLimitで使われるウィンのイプシロン法の反復回数を指定する.一般に, 回の反復に対しては少なくとも個の項がなければならない.