FiniteGroupData

FiniteGroupData[name,"property"]

name で指定された有限群の指定特性の値を返す.

FiniteGroupData["class"]

指定した類の有限群のリストを返す.

詳細

  • 群に指定には "C3""Quaternion"{"SymmetricGroup",4}のような一般的な名称が使える.
  • FiniteGroupData[name]name で指定される群の名前の標準的な形を返す.
  • FiniteGroupData[patt]およびFiniteGroupData[All]は,文字列パターン patt にマッチするすべての群の名前を返す.
  • FiniteGroupData[]は使用可能なすべての名前付き有限群のリストおよび無限族の一部を返す.
  • FiniteGroupData[{n, id},]は識別子 id を持つ位数 n の有限群のデータを返す.
  • FiniteGroupData[n]は位数 n の使用可能な非同型有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData[;;n]は位数 n までの非同型群のリストを返す.
  • FiniteGroupData[n1;;n2]は位数 n1から位数 n2までの非同型有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData[{"type", id}, ]は識別子が id である指定タイプの有限群のデータを返す.識別子は一般に整数かあるいは整数のリストである.
  • 次は,基本的な群の族である.
  • {"AlternatingGroup",n}代替群
    {"CrystallographicPointGroup",n}三次元結晶点群
    {"CyclicGroup",n}巡回群
    {"CyclicGroupUnits",n}巡回群中の単位群
    {"DicyclicGroup",n}非巡回群
    {"DihedralGroup",n}二面体群
    {"PointGroup",id}三次元点群
    {"SymmetricGroup",n}対称群
  • 次は,有限単純群である.
  • {"ProjectiveSpecialLinearGroup",{n,q}}射影特殊線形群
    {"ProjectiveSymplecticGroup",{n,q}}射影斜交群
    {"ChevalleyGroupB",{n,q}}例外的なシュヴァレー(Chevalley)
    {"ChevalleyGroupD",{n,q}}例外的なシュヴァレー群
    {"ChevalleyGroupE",{n,q}}例外的なシュヴァレー群 ,
    {"ChevalleyGroupF",{4,q}}例外的なシュヴァレー群
    {"ChevalleyGroupG",{2,q}}例外的なシュヴァレー群
    {"ReeGroupF",q}リー(Ree)
    {"ReeGroupG",q}リー群
    {"SporadicGroup",n}散在群
    {"SteinbergGroupA",{n,q}}スタインバーグ(Steinberg)のユニタリ群
    {"SteinbergGroupD",{n,q}}スタインバーグの直交群
    {"SteinbergGroupD",q}スタインバーグの直交群
    {"SteinbergGroupE",q}スタインバーグの直交群
    {"SuzukiGroup",n}鈴木群
  • 特殊な群指定
  • {"AbelianGroup",{m,n,}}アーベル群
    {"DirectProduct",{group1,group2,}}群の直積
    {"SemiDirectProduct",{group1,}}群の半直積 , は結果では標準的である
  • FiniteGroupData["Properties"]は群の使用可能な特性リストを返す.
  • 基本的な群の特性
  • "Center"群の中心(可換元)
    "CenterElements"中心部分群の元
    "ClassNumber"類の数
    "CommutatorSubgroup"交換子群
    "CommutatorSubgroupElements"交換子群の元
    "ConjugacyClasses"共役類
    "ElementNames"元の名前のリスト
    "Elements"群の元
    "Exponent"群の指数
    "Generators"生成元
    "InverseGenerators"生成元の逆元
    "Inverses"逆元
    "MultiplicationTable"掛け算表
    "NormalSubgroupElements"正規部分群の元
    "NormalSubgroups"正規部分群
    "Order"元の総数
    "SubgroupElements"部分群の元
    "Subgroups"部分群
    "SylowSubgroupCounts"シロウ(Sylow)部分群のサイズ
    "SylowSubgroupElements"シロウ部分群の元
    "SylowSubgroups" シロウ部分群
  • 群の元は1からその群の位数までの整数で指定される.1は単位元に相当する.
  • 群構造特性
  • "AutomorphismGroup"自己同型群
    "InnerAutomorphismGroup"内部自己同型群
    "IsomorphicGroups"同型群のリスト
    "OuterAutomorphismGroup"外部自己同型群
    "QuotientGroups"商群のリスト
    "SchurMultiplier"シューア乗数
  • 置換群特性
  • "CycleIndex"巡回指数
    "Cycles"巡回
    "PermutationRepresentation"置換リストとしての表現
    "PermutationGroupRepresentation"Wolframシステムの置換群としての表現
    "Transitivity"移行性レベル
  • その他の特性
  • "DefiningRelations"群多元環を説明する関係
    "CayleyGraph"組込みの方法で生成器を選んだケーリー(Cayley)グラフ
    "Classes"群が属す類
    "CycleGraph"巡回グラフ
    "Information"群についての情報
    "ParameterRange"パラメータについての仮定
  • 群表現特性
  • "CharacterTable"群の元の指標
    "ConjugacyClassNames"共役類の名前
    "ConjugacyClassSizes"共役類のサイズ
    "MatrixRepresentation"行列としての表現
    "RepresentationDimensions"表現の次元
    "RepresentationNames"表現の名前
    "SpaceRepresentation"3D直交座標変換としての表現
  • 結晶点群のその他の特性
  • "BravaisLattices"互換ブラべ(Bravais)格子
    "CrystalForm"結晶形
    "CrystalSystem"結晶系
    "HermannMauguin"へルマン・モーガン(HermannMauguin)表記
    "Orbifold"オービフォルド記法
    "PointGroupType"点群のタイプ
    "Schoenflies"シェーンフリース(Schoenflies)表記
    "Shubnikov"シューブニコフ(Shubnikov)表記
  • FiniteGroupData["Classes"]はサポートされているすべての類のリストを返す.
  • FiniteGroupData[name,"Classes"]は指定された群が含まれるすべての類のリストを返す.
  • FiniteGroupData[name,"class"]name に対応する群が指定の類にあるかどうかによってTrueまたはFalseを返す.
  • FiniteGroupData["class"]FiniteGroupData[]中の指定の類に属する有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData["class",n]は指定の類中の n 位数の有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData["class",;;n]は指定された類中の位数が n 以下の有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData["class",n;;]は指定した類の中で位数が n 以上の標準有限群のリストを返す.
  • FiniteGroupData["class",n1;;n2]は指定した類の中で位数が n1より大きいか n2より小さいすべての標準有限群のリストを返す.
  • 群の類
  • "Abelian"可換(アーベル)
    "Alternating"交代
    "Cyclic"巡回
    "Dihedral"二面
    "Perfect"完全
    "Simple"単純
    "Solvable"可解
    "Sporadic"散在
    "Symmetric"対称
    "Transitive"移行
  • 群の負の類
  • "Nonabelian"非可換
    "Nonalternating"非交代
    "Noncyclic"非巡回
    "Nondihedral"非二面
    "Nonperfect"非完全
    "Nonsimple"非単純
    "Nonsolvable"非可解
    "Nonsporadic"非散在
    "Nonsymmetric"非対称
    "Nontransitive"非変換
  • 群は,それぞれ同じ次数の交代群,巡回群,二面群または対称群と同型である場合は,"Alternating""Cyclic""Dihedral""Symmetric"のいずれかの類に属す.
  • 群は,与えらえた対応する置換表現が推移的である場合は"Transitive"類に属す.{"DirectProduct",{group1,group2,}}の置換表現は,商群のそれぞれの群作用の領域の互いに素な結合で構築されるため推移的ではない.
  • 命名関連特性
  • "AlternateNames"代替的な英語名を文字列で
    "AlternateStandardNames"代替的な標準Wolfram言語名
    "Name"英語名を文字列で
    "Notation"群の表記
    "ShortName"短縮名を文字列で
    "StandardName"標準Wolfram言語名
  • FiniteGroupData[name,"Information"]は指定された群の追加情報へのハイパーリンクを返す.
  • FiniteGroupDataの使用にはインターネットの接続が必要なことがある.

例題

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  (2)

四元群:

四元群の掛け算表:

スコープ  (34)

名前と類  (6)

すべての名前付き有限群と無限族の成員若干.その多くが互いに同型である:

標準的な名前が文字列である有限群:

有限群の英語名を求める:

代替名のリストも求めることができる:

群の中には短縮名で与えられるものもある:

有限群の類:

指定された類に属するFiniteGroupData[]中の群のリスト:

類中の群の所属関係を検証する:

類の成員を指定の位数のものに制限する.これらはすべて互いに同型群である:

26の単純散在群のリスト:

三次元結晶点群の短縮形:

FiniteGroupData[n]は位数 n の非同型群のリストを,最初はアーベル群,次に
非アーベル群で返す:

FiniteGroupDataが与えられた群の名前付きバージョンを持たない場合,その群は{order,index}で指定される:

特性と注釈  (4)

使用可能な特性のリストを得る:

群に関する情報をさらに得る:

英語名を求める:

標準的なタイプセット表記:

特性値  (3)

特性値は任意の有効なWolfram言語による式でよい:

群に適用できない特性の値はMissing["NotAvailable"]である:

特性の値が大き過ぎて含むことができない場合には,その値はMissing["TooLarge"]となる:

特性の詳細  (21)

名前と表記  (3)

一般に,群は標準名で言及される:

それは,このより簡単な文法と同等である:

この他の使用可能な入力形は代替標準名で呼ばれる:

これは,群の英語名(常に文字列)である:

群によっては代替名がある:

名前の短縮文字列形式もある:

すべての群に短い表記形式がある:

32三次元結晶点群のデフォルト表記はシェーンフリース表記であるが,他の表記も可能である:

これらは結晶点群にのみ適用可能である:

基本的な群の特性  (4)

群の二大特性はその位数と乗積表である:

乗積表は群を抽象群(つまり,同型写像に至るまで)として定義する.例えば,乗積表が対称であるときかつそのときに限りその群はアーベル群である:

群の元は乗積表中の位置によって抽象的に定義される:

これはその逆元である:

これによって,さまざまな部分群を形成するのがどの元であるかの識別が可能になる.例えば,4番目の元は他のすべての群の元と可換である:

元の可換性に関するより詳しい情報は群内のすべての交換子の群によって与えられる.交換子の部分群(導来部分群)が自明ではないので,この群はアーベル群ではない:

しかし,さらに交換することで自明群が得られる:

したがって,もとの群は可解である:

これは,各元にそれ自身を繰り返し掛けて得られた閉路である:

これはグラフとして自然に表現できる.単位元がハイライトしてある:

群表現  (4)

生成元と関係による提示:

群積は小さい円として表されており,その随伴ベキを示すのにも使われる:

これら2つの生成元(それぞれ位数4と2)で,次のケイリーグラフが得られる:

生成元に名前を付けることで,群のすべての元を言葉で表すことができる:

置換リストの完全集合としての置換群表現:

あるいは,続けての計算に使える置換群として:

軌道が単一軌道なので,これは推移表現である:

しかし,固定群はどれも自明である:

したがって,これは乗積推移表現ではない:

置換表現の巡回構造によって,いわゆる巡回指数多項式が与えられる:

巡回群の行列表現:

群同型  (1)

与えられたものの群同型を得る:

どれも抽象群としての同じ特性を共有している:

群構造  (8)

それぞれの元のリストとして与えられた群の共役類:

類番号は共役類の数として定義される:

自己共役であるこれらの元は,群内の他のすべての元と可換となって,その群の中心を形成する:

クラインの四元群には1つのタイプの部分群しかない:

しかし,そのタイプが3回実現されている:

n5のとき,代替群 はその可換部分群と等しい:

そのような特性を持つ群は完全群と呼ばれる:

単純群はすべて完全群である:

"Tetrahedral"群の標準的な部分群:

これには自明ではない標準的な部分群もあるので,単純群ではない:

シロウ(Sylow)部分群はその位数が素数の最大ベキの部分群である:

標準的な部分群についての商を求めることで得られた可能な商群:

シューア乗積群:

自己同型群:

結晶に特有の特性  (1)

次は結晶群のみに適用されるさまざまな特性である:

一般化と拡張  (2)

パターンにマッチする群名のリストを得る:

特性の中には群の無限族の記号パラメータについてのものもある:

これはパラメータの値の有効な範囲である:

しかし,このようなパラメータについてはほとんどの特性値は整数でなければならない.そのような場合にはMissing["NotApplicable"]が返される:

アプリケーション  (1)

交代群の無限族は{"AlternatingGroup",n}を与える:

特性と関係  (3)

FiniteGroupCount[n]は位数 n の有限群の数を返す:

したがって,位数によって呼ばれると,FiniteGroupDataは非同型群のリストを返す:

これと同型の他の群を得る:

FiniteAbelianGroupCount[n]は位数 n のアーベル群の数を返す:

位数1225の有限群はすべてアーベル群である:

n を法とした整数環の単元の群は常にアーベル群である.しかし,常に巡回群であるわけではない:

ある群の元に群の位数と同じ位数のものがあれば,その群は巡回群である.{"CyclicGroupUnits", n}の位数はEulerPhi[n]であり,CarmichaelLambda[n]はその元の中の最高の位数を返す:

例えば,次の群は,元の中に位数が群の位数と等しいものがあるので,巡回群である:

条件EulerPhi[n]CarmichaelLambda[n]は,2, 4, pk, 2pkの形で素数p2かつ k1の正の整数 n についてのみ守られる:

考えられる問題  (1)

FiniteGroupDataの結果は同型群を含むことがある:

位数1の群は1つしかない:

位数を第1引数として使うことで非同型の結果が得られる:

Wolfram Research (2008), FiniteGroupData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FiniteGroupData.html (2020年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2008), FiniteGroupData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FiniteGroupData.html (2020年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2008. "FiniteGroupData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2020. https://reference.wolfram.com/language/ref/FiniteGroupData.html.

APA

Wolfram Language. (2008). FiniteGroupData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FiniteGroupData.html

BibTeX

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BibLaTeX

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