MatrixGamePayoff

MatrixGamePayoff[mgame,{s1,,sn}]

行列ゲーム mgame について,戦略プロファイルが{s1,,sn}である各プレーヤーの期待利得を与える.

MatrixGamePayoff[mgame,{s1,,sn},"prop"]

各プレーヤーの利得特性"prop"を与える.

MatrixGamePayoff[mgame,"player1"s1,,"playern"sn]

行列ゲーム mgame の名前付きの各プレーヤーの期待利得を連想を使った戦略プロファイル{s1,,sn}で与える.

詳細

  • MatrixGamePayoffは期待利得あるいは期待効用としても知られている.
  • MatrixGamePayoffは,通常,各プレーヤーの戦略が与えられた場合のプレーヤーの期待利得の評価に使われる.
  • 戦略プロファイル は, 人のプレーヤーのための戦略のリストである.プレーヤー の戦略 は異なる行動を取る確率のベクトルである.
  • プレーヤー の期待利得は あるいは で与えられる.ここで,各記号は以下の通りである.
  • プレーヤー が行動 を取る確率
    プレーヤー が行動 を取った場合のプレーヤー の利得
    プレーヤー の戦略
    プレーヤー の利得配列
  • 利得の特性"prop"には以下が含まれる.
  • "Expectation"各プレーヤーの平均利得
    "MarginalDistributions"各プレーヤーの利得の分布
    "MultivariateDistribution"全プレーヤーの利得の多変量分布
    "Simulation"ゲームの1ラウンドあたりの利得のランダムに生成されたリスト
    {"Simulation", n} ラウンドのゲームについての利得のリスト
    "Variance"各プレーヤーの利得の多変量分布

例題

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  (4)

プレーヤーが2人の行列ゲームを生成する:

与えられた戦略に対して期待利得を求める:

3人の調整ゲームを生成する:

最初の行動をすべてのプレーヤーが選ぶ場合の期待利得を求める:

両方の囚人が協力する囚人のジレンマゲームで期待利得を求める:

3人の調整ゲームを生成する:

最初の2人のプレーヤーが協力する場合の期待利得を求める:

スコープ  (5)

プレーヤーが2人の行列ゲームを生成する:

指定された戦略の期待利得を求める:

指定された戦略について旅行者のジレンマゲームを考える:

期待利得を求める:

利得の分散を求める:

周辺分布を求める:

多変量分布を求める:

平均の2/3を推測するゲームを生成する:

3人目のプレーヤーが最も高額を賭けると思われるときの期待利得を求める:

最初の行動が好まれる際の3人が協力するゲームの期待利得を求める:

ランダムゲームを生成する:

プレーヤー2人の2つのグループの戦略が相関しているときの,期待利得を求める:

相関している戦略の分散を求める:

相関している戦略の分布を求める:

相関している戦略の多変量分布を求める:

相関した戦略を使って10ラウンドのシミュレーションを繰り返し行う:

アプリケーション  (7)

社会ゲーム  (2)

ボランティアのジレンマは,各プレーヤーがボランティアに参加することもしないこともできる状況を表している.少なくとも1人のプレーヤーがボランティアに参加すると他のすべてのプレーヤーがボランティアに参加しないことで少額の利益を得る.誰もボランティアの作業をしないと全員の利得が非常に低くなる.ボランティア作業をする人としない人がいるボランティアのジレンマゲームを生成する:

ボランティアに参加する可能性が高い人と可能性が低い人の期待利得を求める:

ボランティアに参加する可能性が高い人の期待利得を求める:

可能性が低い人の期待利得を求める:

非協力ゲームは調整ゲームと非調整ゲームのハイブリッドで,プレーヤーの一人のインセンティブが協力することであるのに他のプレーヤーはそれを拒否しようとするものを言う.ボランティアの参加者と非参加者がいるボランティアのジレンマゲームを生成する:

協力的なプレーヤーの期待利得を求める:

非協力的なプレーヤーの期待利得を求める:

協力的なプレーヤーと非協力的なプレーヤーの期待利得を求める:

経済ゲーム  (2)

Cournot寡占ゲームは一組の企業が同じ製品を製造する状況を表している.各企業は製造コストと他の企業の製品品質を考慮しなければならない.最低価格の企業だけが製品を販売する.Cournot寡占ゲームを生成する:

最初の2人のプレーヤーが共謀した場合の期待利得を求める:

価格戦争は,複数の企業が最低価格を提供しようとするが任意の企業の利得が選択される価格に直接相関することである.3つの企業間の価格戦争について考える.各企業は低価格か高価格を選ぶことができる:

ゲームを可視化する:

明らかに,協力的なプレーヤーは高い価格を選択することに関心を持っている.複数の戦略の利得を比較することでこれを示す:

軍事ゲーム  (1)

ブロット大佐ゲームは,将校(プレーヤー)が同時にいくつかの戦場(オブジェクト)に限られた資材を分配する状況を表している.戦場ごとに最も多くの資材を届けたプレーヤーがその戦闘に勝つ.利得は勝利を収めた戦場数である.ブロット大佐ゲームを生成する:

五分五分の戦略を考慮して期待利得を求める:

交通ゲーム  (1)

驚くべきことに,道路網に1本あるいはそれ以上の道路を加えると交通が全体的に遅くなることがある.これはブライスのパラドックスとして知られているものである.a から b までの道路網がある場合,c または d を介して2つの異なる道路網を使用するとする.道路 acdb20 n 分かかる.ここで,n は道路上のドライバーの数である.cbad はドライバーの数には関係なく45分かかる.道路網をグラフとして表す:

ドライバーの数を n=2として,a から b へのすべての経路を求める:

全部で4通りの経路がある:

各経路の所要時間の合計を求める:

負の通勤時間を最大にする:

利得行列に基づいて交通ゲームを作成する:

交通ゲームを可視化する:

通勤者が選択した異なる経路に対応する2つの純粋な戦略がある:

これらの純粋な戦略は65分という最短通勤時間を与える:

上記の交通ゲームを追いながら,モデリングを自動化し一般的な道路網を解く.ここで,start end は車の出発点と到達点であり,道路の各部分の容量は辺重みを使って符号化されている:

dc の間に短いが容量が高い道路を加える:

この状況は2人のドライバーのための新たな交通ゲームを定義する:

交通ゲームを可視化する:

ゲームを解く:

既存の2つの経路間で切り替えると,唯一の安定解では通勤時間は制限された道路網(65分)よりも長く(82分)なるという囚人のジレンマのような状態になる:

収束する均衡  (1)

2人ゲームの各プレーヤーの期待利得について考える:

各プレーヤーの利得の式を求める:

各プレーヤーが期待利得を勾配に従って変えると仮定する:

勾配を流線プロットとしてプロットする:

以下のプロットから,軌道がそれらに収束するという意味で純粋な戦略{{0,1},{1,0}}{{1,0},{0,1}}だけが「安定」していることが分かる:

おもしろい例題  (1)

サイズが等しい3つの母集団がジャンケンをするとする.各母集団は,常に石を出すか,紙を出すか,はさみを出すかする.各ゲームでプレイヤーAが負けた場合,プレイヤーAは敵の戦略を採用する.人口増加を模倣するために,各ゲームの後にすべての人口が1.02ずつ指数関数的に増加する.一定数のゲームで,割合が最も高い人口が勝者となる.

Wolfram Research (2025), MatrixGamePayoff, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGamePayoff.html.

テキスト

Wolfram Research (2025), MatrixGamePayoff, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGamePayoff.html.

CMS

Wolfram Language. 2025. "MatrixGamePayoff." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGamePayoff.html.

APA

Wolfram Language. (2025). MatrixGamePayoff. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGamePayoff.html

BibTeX

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