MOL2 (.mol2)
予備知識
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- MIMEタイプ:chemical/x-mol2Tripos社のMOL2分子モデルファイル.
- ケモインフォマティクスアプリケーションおよびWeb上にて3D分子モデルの保管,交換のために使用される.
- SYBYLケモインフォマティクスアプリケーションのネイティブ形式.
- プレーンテキスト表形式.
- 単一の化合物あるいは複数の化合物を表す.
- 原子座標,化学結合情報,メタデータを保持する.
Import とExport
- Import["file.mol2"]は分子のリストをMOL2ファイルからインポートする.
- Export["file.mol2",expr]は分子または分子のリストをMOL2ファイルにエキスポートする.
- Export["file.mol2",mol]は mol をMoleculeとしてMOL2ファイルを作成する.
- Import["file.mol2",elem]はMOL2ファイルから指定された要素をインポートする.
- Import["file.mol2",{elem,suba,subb,…}]は子要素をインポートする.
- Import["file.mol2",{{elem1,elem2,…}}]は複数の要素をインポートする.
- インポート形式はImport["file","MOL2"]あるいはImport["file",{"MOL2",elem,…}]で指定できる.
- Export["file.mol2",expr,elem]は expr が要素 elem を指定するものとして扱って,MOL2ファイルを作成する.
- Export["file.mol2",{expr1,expr2,…},{{elem1,elem2,…}}]では,それぞれの expri が対応する elemiを指定するものとして扱われる.
- Export["file.mol2",expr,opt1->val1,…]は指定値を持つとされる指定のオプション要素と一緒に expr をエキスポートする.
- Export["file.mol2",{elem1->expr1,elem2->expr2,…},"Rules"]は規則を使い,エキスポートされる要素を指定する.
- ImportとExportについての完全な一般情報は,関数ページを参照のこと.
- ImportStringとExportStringはMOL2形式をサポートする.
- 一般的な情報は,以下の関数ページを参照のこと.
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Import, Export ファイルからインポートする,あるいはファイルへエキスポートする CloudImport, CloudExport クラウドオブジェクトからインポートする,あるいはクラウドオブジェクトへエキスポートする ImportString, ExportString 文字列からインポートする,あるいは文字列へエキスポートする ImportByteArray, ExportByteArray バイト配列からインポートする,あるいはバイト配列へエキスポートする
Import要素
- 一般的なImport要素:
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"Elements" ファイル中の有効な要素とオプションのリスト "Summary" ファイルの概要 "Rules" 使用可能なすべての要素の規則のリスト - データ要素:
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"Molecule" 分子モデルの記号表現 "Molecule", n n 番目の分子の記号表現 - グラフィックス要素:
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"Graphics3D" ファイルに保持されたすべての分子模型の3D描画 "Graphics3D", n n 番目の分子の3D描画 "StructureDiagram" すべての分子模型の2D構造式 - データ表現要素:
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"EdgeRules" 規則のリストのリストとして与えられる,結合性データ "EdgeTypes" 文字列のリストのリストとして与えられる結合タイプ "VertexCoordinates" 原子座標(通常オングストロームで与えられる) "VertexTypes" 分子を構成するすべての原子あるいはグループ(通常,化学元素の省略形のリストとして与えられる) "PartialCharges" 実数のリストとして与えられる原子の電荷 "Residues" 3文字省略形のリストのリストとして与えられる残基列 "Sequence" 文字列のリストとして与えられる残基列 "ResidueAtoms" 残留原子のリストのリスト "ResidueCoordinates" 残留原子の3D座標 "ResidueCharges" "ResidueAtoms"で与えられる原子の電荷 - Export["file.mol2",{vert,coord},{{"ResidueAtoms","ResidueCoordinates"}}]は原子の型とその2Dあるいは3Dの座標の指定からMOL2ファイルを作成する.
オプション
- 一般的なImportオプション:
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ImageSize Automatic 表示するグラフィックスの全体的なサイズを指定する Background White どの背景色を使用するかを指定する ViewPoint Automatic 3D模型を見る空間内の視点 - デフォルト設定の"ViewPoint"->Automaticで,Wolfram言語はインポートされた分子の形状を見るのに最適な角度を自動的に計算する.
- 3D描画スタイルを選択する:
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"Rendering" "BallAndStick" 可視化メソッドを指定する - "Rendering"に可能な設定:
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"BallAndStick" 原子と結合を玉と棒の模型として表示する "Spacefilling" 重なり合う球として表示された原子 "Wireframe" 線として描画された結合
例題
例 (2)
MOL2ファイルで使えるImport要素を表示する:
以下でこのファイル中のすべての分子について残留原子の型とその3D座標を求める:
以下では前の出力からMOL2ファイルを作成する(残留原子名のデフォルト値は"Unk"で,デフォルトの原子電荷は0である):