システム規模のデフォルト
複数のユーザが起動できるような場所(例えば,ファイルサーバ上,またはマルチユーザマシン)にWolframがインストールしてある場合は,Wolframフロントエンドとカーネルのシステム規模のデフォルトを設定することができる.これはWolframをコンピュータラボや授業で使うときに理想的な設定である.ネットワーク上で$BaseDirectoryディレクトリを共有している場合は,共有された$BaseDirectoryを使うローカルインストールにもこのデフォルトが影響する.
以下のパス名では,変数$BaseDirectoryと$UserBaseDirectoryをシステムの適切なディレクトリで置き換えること.場所が知りたいときは,Wolframノートブックでコマンド$BaseDirectory(あるいは$UserBaseDirectory)を評価するとよい.
1. Wolframを起動して,必要なフロントエンドの変更を加える.例えば,デフォルトのファイルの場所,言語設定,メニュー設定等が変更できる.
3. $UserBaseDirectory/FrontEnd/init.mファイルを$BaseDirectory/FrontEndディレクトリにコピーする.
これで,ユーザの$UserBaseDirectory/FrontEndディレクトリに保存されたローカルのinit.mファイルでオーバーライドされない限り,この設定がフロントエンドで使われるようになる.
5. 起動時に評価するWolfram言語コマンドを加える.例えば,関数の定義を加えたり,起動時にメッセージを表示したりするもの等がある.コマンドはすべてセミコロンで区切って同一セルの中に入れる.
6. このセルのセルブラケットを選び,セル ▶ セルのプロパティ ▶ 初期化セルを使うか,キーボードショートカットのCtrl+8を使うかして,セルを初期化セルにする.
7. ファイル ▶ 保存でファイルの種類ポップアップメニューからWolfram Mathematicaパッケージを選び,ファイルを$BaseDirectory/Kernel/init.mとして保存する.
作成したシステム規模のデフォルトを新しくローカルにインストールしたものにも適用したい場合は,インストールスクリプトに行を追加して,新しいインストールの一部として設定済みのinit.mファイルをコピーすることができる.インストールスクリプトについての詳細は,「Wolframのインストール」を参照のこと.システム規模のデフォルトをコピーするためには,mathpassファイルをコピーする行と同様の行をスクリプトに加える.