KalmanEstimator

KalmanEstimator[ssm,{w,v}]

プロセスノイズと測定ノイズの共分散行列 wv を伴うStateSpaceModel ssm のKalman推定器を構築する.

KalmanEstimator[ssm,{w,v,h}]

相互共分散行列 h を含む.

KalmanEstimator[{ssm,sensors},{}]

ssm のノイズの多い測定値として sensors を指定する.

KalmanEstimator[{ssm,sensors,dinputs},{}]

ssm の決定論的入力として dinputs を指定する.

詳細とオプション

  • 標準状態空間モデル ssmStateSpaceModel[{a,b,c,d}]として与えることができる.ただし,a, b, c, d はそれぞれ,連続時間系あるいは離散時間系の,状態,入力,出力,伝送の各行列を表す.
  • 連続時間系
    離散時間系
  • ディスクリプタ状態空間モデル ssm は,連続時間あるいは離散時間の,StateSpaceModel[{a,b,c,d,e}]で与えることができる.
  • 連続時間系
    離散時間系
  • 入力 は決定論的入力 と同様にプロセスノイズ を含むことができる.
  • 引数 dinputs における の位置を指定する整数のリストである.
  • 出力 は他の出力と同様にノイズの多い測定値 からなる.
  • 引数 sensors における の位置を指定する整数のリストである.
  • 引数 sensors および dinputs は値AllおよびNoneも許容する.
  • KalmanEstimator[ssm,{}]KalmanEstimator[{ssm,All,None},{}]に等しい.
  • ノイズの多い測定値は でモデル化される.ただし, および に関連する および の部分行列であり,はノイズである.
  • プロセスノイズと測定ノイズはホワイトノイズおよびガウスノイズであると考えられる.
  • , プロセスノイズ
    , 測定ノイズ
  • プロセスノイズと測定ノイズ間の相互共分散は で与えられる.
  • デフォルトで,相互共分散行列 は零行列であるとみなされる.
  • KalmanEstimatorMethodオプションをサポートする.次は使用可能な明示的設定値である.
  • "CurrentEstimator"現在の推定器を構築する
    "PredictionEstimator"予測推定器を構築する
  • 現在の推定値は現時点までの測定値に基づく.
  • 予測の推定値は前の時点までの推定値に基づく.
  • 連続時間系では,現行推定器と予測推定器は等しく,推定器ダイナミクスは で与えられる.
  • 連続時間系の最適化ゲインは l=x_r.c_n.TemplateBox[{r}, Inverse]で計算される.ただし, は連続代数リッカティ方程式 a.x_r+x_r.a-x_r.c_n.TemplateBox[{r}, Inverse].c_n.x_r+b_w.q.b_w=0を解く.
  • 推定器を持つ連続時間系のブロック図
  • 下付き文字 を持つ行列は決定論的入力,確率論的入力,ノイズの多い測定値にそれぞれ関連した部分行列である
  • 離散時間系では,予測推定器のダイナミクスは で与えられる.予測推定器を持つ離散時間系のブロック図は上記に等しい.
  • 離散時間系の現在の推定器の推定器ダイナミクスは であり,現在の状態推定値 は現在の測定値 から として得られる.
  • 離散時間系の現行推定器も最適ゲインは l_c=(x_r.c_n+b_w.h).TemplateBox[{{(, {{{c, _, n}, ., {x, _, r}, ., {{c, _, n}, }}, +, {{c, _, n}, ., {b, _, w}, ., h}, +, {{h, }, ., {{b, _, w}, }, ., {{c, _, n}, }}, +, v}, )}}, Inverse]で計算される. は離散代数リッカティ方程式 を解く.
  • 離散時間系についての予測推定器の最適ゲイン として計算される.
  • 現在の推定器を持つ離散時間系のブロック図
  • Kalman推定器モデルへの入力は決定論的入力 とノイズの多い測定値 である,
  • Kalman推定器モデルの出力は推定状態 とノイズの多い測定値の推定値 からなる.
  • が特異値ではなく,ペアが検出可能で,が任意の について安定化可能であれば,最適化推定器は漸近的に安定である.

例題

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  (3)

連続時間系のKalman推定器:

確率論的出力が1つある系のKalman推定器:

離散時間Kalman推定器:

スコープ  (5)

測定された1つの出力と確率論的な1つの入力がある系のKalman推定器:

非零の相互共分散がある系のKalman推定器:

1つの検出器出力と2つの決定論的入力がある系の推定器:

相互相関ノイズがある連続時間系のKalman推定器:

ディスクリプタ状態空間モデルの最適推定器を求める:

オプション  (2)

Method  (2)

デフォルトで,Kalman推定器は現在の測定値に基づいている:

予測推定器:

連続時間系では,現在と予測の推定値は等しい:

アプリケーション  (2)

確率論的系の応答を平滑化するKalmanフィルタを構築する:

プロセスノイズと測定ノイズが存在する場合の正弦曲線入力に対する系の応答:

フィルタがかかった応答

ノイズ行列があるディスクリプタ系:

ガウスノイズ数列を作る:

ノイズ信号を得るために数列を補間する:

系の出力とノイズの多い測定値を求める:

Kalmanフィルタを設計する:

ノイズの多い出力にフィルタをかける:

実際の出力,測定された出力,フィルターがかけられた出力を比較する:

特性と関係  (2)

KalmanEstimatorは系の状態と応答を推定する:

状態推定器を抽出する:

出力推定器:

StateOutputEstimatorを使ってKalman推定器を構築する:

KalmanEstimatorを直接使う:

Wolfram Research (2010), KalmanEstimator, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/KalmanEstimator.html (2012年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), KalmanEstimator, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/KalmanEstimator.html (2012年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "KalmanEstimator." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2012. https://reference.wolfram.com/language/ref/KalmanEstimator.html.

APA

Wolfram Language. (2010). KalmanEstimator. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/KalmanEstimator.html

BibTeX

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BibLaTeX

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