MassFluxValue

MassFluxValue[pred,vars,pars]

偏微分方程式のための質量流束境界条件を,適用される場所を示す境界 pred,モデル変数 vars,大域パラメータ pars で表す.

MassFluxValue[pred,vars,pars,lkey]

質量流束境界条件を pars[lkey]で指定される局所パラメータで表す.

詳細

  • MassFluxValueMassTransportPDEComponentについての境界条件を指定し,以下のモデリング方程式の一部として使われる.
  • MassFluxValueは,一般に,領域外の種源あるいシンクによって形成された,境界を通る質量種の流れをモデル化するために使われる.
  • 流量は,エネルギーや質量の量の時間あたりの流れのことである.流束は境界を通る流量のことで,時間あたり面積あたりの数量の単位で計量される.1時間あたりの開口面積の断面あたりの1ミリメートルの雨が雨の流れである.
  • MassFluxValueは,境界の一部を通って流入する質量種の割合を,従属変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"mol", , "/", , {"m", ^, 3}}, moles per meter cubed, {{(, "Moles", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]]),独立変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]]),時間変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]])でモデル化する.
  • 定常変数 varsvars={c[x1,,xn],{x1,,xn}}である.
  • 時間依存変数 varsvars={c[t,x1,,xn],t,{x1,,xn}}である.
  • 非保存型時間依存物質移動モデルMassTransportPDEComponentは,質量拡散係数 ,物質対流速度ベクトル ,質量反応率 ,物質源項 の対流拡散モデルに基づいている.
  • 保存型時間依存物質移動モデルMassTransportPDEComponentは,以下で与えられる保存型対流拡散モデルに基づいている.
  • 質量流束 (単位:),境界単位法線 非保存型MassFluxValueは以下をモデル化する.
  • 保存型MassFluxValueモデル
  • モデルパラメータ parsMassTransportPDEComponentについてと同じように指定できる.
  • 次の追加的なモデルパラメータ pars を与えることができる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "BoundaryUnitNormal"Automatic
    "MassFlux"
  • 0
  • ,質量流束(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"mol", , "/(", , "m",  , "s", , ")"}, moles per meter second, {{(, "Moles", )}, /, {(, {"Meters",  , "Seconds"}, )}}}, QuantityTF]]
    "ModelForm""NonConservative"-
  • モデルパラメータはどれも, の任意のもの,あるいは他の従属変数に依存することがある.
  • モデルパラメータを局所化したければ,キー lkey を指定して連想 pars[lkey]からの値をモデルパラメータに使うことができる.
  • MassFluxValueを評価するとNeumannValueになる.
  • 境界述語 predNeumannValueにおけるのと同じように指定できる.
  • MassFluxValueが連想 pars,keypi,pivi,]として指定されるパラメータ に依存するなら,パラメータ で置換される.

例題

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  (2)

質量流束境界条件を非保存型で設定する:

質量流束境界条件を保存型で設定する:

スコープ  (10)

基本的な例題  (2)

過渡種場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars と特定の境界条件パラメータで定義する:

過渡種場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars と複数の特定のパラメータ境界条件で定義する:

1D  (1)

右側と左側がそれぞれ質量濃度と流入条件に依存する,非圧縮性流体内の1D化学種場をモデル化する:

 del .(-d del c(x))+v^->.del c(x)^(︷^(           mass transport model              )) =|_(Gamma_(x=0))q(x)^(︷^( mass flux value  ))

定常物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

物質移動モデルパラメータ種拡散率 と流体流速 を指定する:

種の流束境界条件を指定する:

質量濃度境界条件を指定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

2D  (1)

等方性均質媒体中の汚染物質の移動を2Dの矩形領域でモデル化する.関心領域全体の汚染物質濃度は最初は0である.左境界の中央の0.2 幅の帯では濃度3000 が保たれている.一方,右境界は物質移動を可能にする1500 の一定濃度の平行な種流の影響を受ける.100 の汚染物質の流出が上下境界の両方に適用される.拡散係数0.833 が一様水平速度0.01 で一様に分布される:

 del .(-d del c(x,y))+v^->.del c(x,y)^(︷^(           mass transport model              )) =|_(Gamma_(y=0, y=10))q(x,y)^(︷^(    mass flux value     ))+|_(Gamma_(x=20))h (c_(ext)(x,y)-c(x,y))^(︷^(         mass transfer value       ))

物質移動モデル変数 vars を設定する:

,高さの矩形領域を設定する:

モデルパラメータ種拡散率 と流体流速 を指定する:

左側面中央に長さ0.2 の種濃縮源を設定する:

右側面に物質移動境界を設定する:

の流出束 を上下の面に設定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

3D  (1)

単位立方体領域内の非保存型化学種場を,2つの側面の2つの質量条件,天面の中心の半径0.2 の円を通る質量流入,直交異方性の質量拡散率 でモデル化する:

 del .(-d del c(x,y,z))+v^->.del c(x,y,z)^(︷^(                              mass transport model                        )) =|_(Gamma_(z=1& (x-0.5)^2+(y-0.5)^2<=0.04))q(x,y,z)^(︷^(                          mass flux value                      ))

物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

拡散率 と流速場 を指定する:

物質濃度を指定する:

天面の領域円を通る流速条件 ()を指定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

材料領域  (1)

反応速度1で異なる物質を通る1Dの化学種移動をモデル化する.右側と左側は,それぞれ質量濃度と流入条件に依存する:

 del .(-d del c(x))+a c(x)^(︷^(           mass transport model              )) =|_(Gamma_(x=0))q(x)^(︷^( mass flux value  ))

定常物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

物質移動モデルパラメータ種拡散率 と領域 でアクティブな反応率 を指定する:

種流束境界条件を指定する:

種濃度境界条件を指定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

時間依存  (1)

1D非保存型化学種場と境界の一部を通る質量流束を以下でモデル化する:

 (partialc(t,x))/(partialt)+del .(-d del c(t,x))^(︷^(          diffusion term        )) +v^->.del c(t,x)^(︷^(  convection term)) =|_(Gamma_(x=0))q(t,x)^(︷^( mass flux term))

時間依存物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

物質移動モデルパラメータ物質拡散率 と質量対流速度 を指定する:

最初の50秒間の左端における質量流束 ()で方程式を設定する:

濃度0の初期条件で偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

非線形時間依存  (1)

非線形拡散係数 と境界の一部を通る以下で表される流出条件で1D非保存型化学種場をモデル化する:

 (partialc(t,x))/(partialt)+del .(-d del c(t,x))^(︷^(          diffusion term       )) +v^->.del c(t,x))^(︷^(  convection term)) =|_(Gamma_(x=0.2))q(t,x)^(︷^( mass flux term ))

物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

非線形種拡散率 と流体流速 を指定する:

右端に適用される の流出束 を指定する:

時間依存質量濃度表面条件を指定する:

初期条件を設定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

結合時間依存  (2)

1Dの非保存型結合二化学種場を,境界の左部分を通る対応する質量流束でモデル化する:

 (partialc_1(t,x))/(partialt)+del .(-d_(11) del c_1(t,x))^(︷^(             mass transport model                  )) =|_(Gamma_(x=0))q_1(t,x)^(︷^(    mass flux value     ))

 (partialc_2(t,x))/(partialt)+del .(-d_(22) del c_2(t,x))^(︷^(             mass transport model                  )) =|_(Gamma_(x=0))q_2(t,x)^(︷^(    mass flux value     ))

種と 種にそれぞれ対応する,時間依存物質移動モデル変数 vars を設定する:

一様領域 を設定する:

種と 種について,物質移動モデルパラメータ質量拡散率 を指定する:

最初の50秒間の左端の質量流束 (についてについて)で境界条件を設定する:

方程式を設定する:

初期条件を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

左境界を通る拡散速度と質量流束で1D結合化学種場をモデル化する:

 (partialc_1(t,x))/(partialt)+del .(-d_(11) del c_1(t,x))+v^->.del c_1(t,x)^(︷^(                                        mass transport model                               )) =|_(Gamma_(x=0))q_1(t,x)^(︷^(    mass flux value     ))

 (partialc_2(t,x))/(partialt)+del .(-d_(22) del c_2(t,x))+v^->.del c_2(t,x)^(︷^(                                       mass transport model                                  )) =|_(Gamma_(x=0))q_2(t,x)^(︷^(    mass flux value     ))

について時間依存物質移動モデル変数 vars を設定する:

一様領域 を設定する:

種と 種について,物質移動モデルパラメータ質量拡散率 をそれぞれ指定する:

最初の50秒間の左端の質量流束 (について6 について12 )で方程式を設定する:

方程式を設定する:

初期条件を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

アプリケーション  (2)

単一の方程式  (1)

等方性均質媒体中の2D矩形領域における汚染物質の物質移動をモデル化する.最初は,関心領域全体の汚染物質の濃度は0である.左境界の中心の0.2 の帯では3000 の濃度が保たれており,上下の境界には100 の汚染物質の流出が適用される.拡散係数 0.833 は均一に分布しているが,水平垂直の両速度は空間に依存する.

 del .(-d del c(x,y))+v^->.del c(x,y)^(︷^(           mass transport model              )) =|_(Gamma_(y=0, y=10))q(x,y)^(︷^(    mass flux value     ))

物質移動モデル変数 vars を設定する:

,高さの矩形領域を設定する:

モデルパラメータ種拡散率 と流体流速 を指定する:

長さ0.2 の種の濃度源を左側面の中央に設定する:

の流出流束 を天面と底面に設定する:

方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

連立方程式  (1)

熱伝導と物質移動の結合モデルを境界の熱伝導値と質量流束値で解く:

(partialT(t, x))/(partialt)+del .(-k del T(t,x))-Q^(︷^(                      heat transfer model                         ))  = |_(Gamma_(x=1))h (T_(ext)(t,x)-T(t,x))^(︷^(             heat transfer boundary      )); (partialc(t,x))/(partialt)+del .(-d del c(t,x))-R^(︷^(                      mass transport model                         ))  = |_(Gamma_(x=0||x=1))q (t,x)^(︷^(  mass flux boundary ))

熱伝導物質移動モデル変数 vars を設定する:

領域 を設定する:

熱伝導パラメータと物質移動モデルパラメータ,熱源 ,熱伝導率 ,質量拡散率 ,物質源 を指定する:

熱対流値についての境界条件パラメータを外部流れ温度 (1000K)と熱伝導係数 ()で指定する:

方程式を指定する:

初期条件を設定する:

モデルを解く:

解を可視化する:

Wolfram Research (2020), MassFluxValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MassFluxValue.html.

テキスト

Wolfram Research (2020), MassFluxValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MassFluxValue.html.

CMS

Wolfram Language. 2020. "MassFluxValue." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/MassFluxValue.html.

APA

Wolfram Language. (2020). MassFluxValue. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MassFluxValue.html

BibTeX

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BibLaTeX

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