SpectralLineData

SpectralLineData[entity]

原子状態または状態遷移についての,既知の特性すべての値を与える.

SpectralLineData[entity,property]

与えられた実体についての指定された特性の値を与える.

SpectralLineData[quantity]

指定された波長または周波数に最も近い状態遷移を返す.

SpectralLineData[class,quantity]

波長またはエネルギーが指定された数量に最も近い,指定された実体クラスの実体を返す.

SpectralLineData[spec,{quantity1,quantity2}]

指定された quantity1から quantity2までの範囲にある spec の実体を返す.

詳細

  • entity は原子状態か原子状態遷移のどちらかである.
  • SpectralLineData["Ions"]はサポートされるイオンの完全リストを与える.
  • SpectralLineData["EntityClass"]は実体クラスの完全リストを与える.
  • SpectralLineData[element]は,指定された元素についての全実体クラスを返す.
  • SpectralLineData[class]は,実体クラスについての全実体を返す.
  • SpectralLineData[class,property]は,実体クラスの全実体についての特性値を返す.
  • 実体クラスは元素とイオン化によって特定される.最低レベル1は基底状態に相当する.
  • SpectralLineData["Properties"]は原子状態について使用可能な全特性のリストを与える.
  • 特定のケースについて該当しないあるいは未知の特性はMissing[]で示される.
  • "Entity"特性を使って,入力がSpectralLineDataに対して有効な実体または実体クラスであるかどうかを確かめることができる.
  • 原子状態と状態遷移の共通特性には次がある.
  • "Element"元素
    "IonizationLevel"1(中性)から始まるイオン化準位
    "Name"表示名
    "Isotope"同位体(既知のものがあれば)
    "NISTIdentificationNumber"NIST Atomic Spectrum Databaseの識別番号
  • 原子状態特性には次が含まれる.
  • "ElectronConfiguration"各小軌道の占有数
    "ElectronConfigurationString"標準表記で書かれた電子配置
    "Energy"基底状態上のエネルギー
    "JValue"結合定数Jの値
    "OrbitalL"方位量子数
    "Parity"パリティ値
    "PrincipalN"主量子数
    "QuantumNumbers"量子数のAssociation
    "SpinS"スピン量子数
    "TermSymbol"項記号
    "Wavenumber"基底状態上のエネルギーの波数
  • 原子状態遷移特性には以下が含まれる.
  • "CalculatedFrequency"放出されたあるいは吸収された光子の計算された周波数
    "CalculatedWavelength"放出されたあるいは吸収された光子の計算された波長
    "Energy"放出されたあるいは吸収された光子のエネルギー
    "EnergyPrecision"エネルギーの最低確度
    "Frequency"放出されたあるいは吸収された光子の観測された周波数
    "Intensity"相対強度
    "LogGF"縮退を説明する振動強度の対数
    "LowerLevel"遷移の低エネルギー状態
    "TransitionLevels"遷移に含まれる原子状態
    "TransitionProbability"遷移確率
    "TransitionStrength"吸収あるいは放出の確率
    "TransitionType"禁制遷移のタイプ(該当する場合)
    "UpperLevel"遷移の高エネルギー状態
    "Wavelength"放出されたあるいは吸収された光子の観測された波長
  • "TransitionType"にはいくつかの可能な禁制遷移が含まれる.
  • "M1"磁気双極子
    "E2"電気四重極
    "M2"磁気四重極
    "E3"電気八重極
    "M3"磁気八重極
    "M1+E2"電気双極子と磁気四重極の混合
    "2P"二光子遷移
    "HF"超微細誘導遷移
    "UT"不特定のタイプ
  • SpectralLineData[quantity,n]は,数量に最も近い n 個の実体を返す.n は正の整数でなければならない.
  • SpectralLineData[class,quantity,n]は,数量に最も近い n 個の実体を返す.n は正の整数でなければならない.
  • 原子レベルについては,SpectralLineData[spec,{quantity1,quantity2}]はエネルギー量または反転長を取る.数量は,原子線の長さ,周波数,角周波数のいずれかで与えられなければなない.
  • SpectralLineData[class,Quantity[Interval[...],unit]]は,ある範囲内の値についての実体のクエリにも使うことができる.
  • SpectralLineData[<|"Element"->element,"IonizationLevel"->i,"PrincipalN"->n,"OrbitalL"->l,"SpinS"->s,"JValue"->j|>,"Entity"]は,リクエストされた量子数の全レベルを返す.SpectralLineData[quantumnumbers]SpectralLineData[quantumnumbers,property]を使って,これらの遷移の特性についてクエリすることができる.
  • SpectralLineData[level1->level2,"Entity"]SpectralLineData[level1->level2]SpectralLineData[level1->level2,property]を使って原子線遷移とその特性を求め,それについてクエリを行うことができる.
  • SpectralLineData[level->quantity,"Entity"]は,指定された高エネルギー準位または低エネルギー順位の波長または周波数を持つ遷移を検索する.SpectralLineData[level->quantity]SpectralLineData[level->quantity,property]を使ってこれらの遷移の特性についてのクエリを行うことができる.
  • SpectralLineData[level->type,"Entity"]は指定されたエネルギー準位と禁制遷移タイプを含むすべての遷移を返す.SpectralLineData[level->type]SpectralLineData[level->type,property]を使ってこれらの遷移の特性についてのクエリを行うことができる.
  • SpectralLineData[quantumnumbers1->quantumnumbers2,"Entity"]SpectralLineData[quantumnumbers1->quantumnumbers2]SpectralLineData[quantumnumbers1->quantumnumbers2,property]を使って原子線遷移とその特性を求め,それらについてのクエリを行うことができる.
  • SpectralLineDataMethodオプションを取る.サブオプションの"Search"はオプションAllAutomaticを取る.Automaticは観測された波長の状態遷移について検索する.Allは計算された波長だけを持つ状態も検索に含める.
  • SpectralLineDataは幅広いデータソースに基づき,Wolfram Researchが人力およびアルゴリズムを使って処理,拡張したものである.
  • [1] Ralchenko, Y., et al. "NIST Atomic Spectra Database (Version 4.0.1)." National Institute of Standards and Technology(アメリカ国立標準技術研究所).

例題

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  (5)

400nm近くの原子線の特性を求める:

さまざまな元素の基底状態における電子配置を求める:

励起状態における電子配置列を調べる:

原子状態のエネルギー準位を求める:

2つの原子状態間のスペクトル線の波長を求める:

特定範囲における状態遷移を求める:

スコープ  (14)

イオン  (3)

有効な全イオンを求める:

ある元素についてのすべての実体クラスを求める:

あるイオンについての全実体を取り出す:

特性  (2)

特性のリストを得る:

中性ヘリウムの状態の全特性を求める:

列挙可能性  (1)

SpectralLineDataは実体のリストに対して実行できる:

検索可能性  (8)

波長または周波数で原子状態遷移を検索する:

特定の波長に最も近い原子状態遷移を求める:

500nmに最も近い10の状態遷移を求める:

波長区間内のスペクトル線を求める:

エネルギーが近くの原子状態を求める:

最も近い2つの状態を求める:

遷移が2つの原子状態間にあるかどうか確かめる:

放出された光子のレベルと周波数を持つ遷移を求める:

特定の原子レベルからすべての磁気双極子遷移を求める:

原子レベルをその素子数と量子数に基づいて求める:

状態の量子数を使って原子遷移を求める:

オプション  (1)

Method  (1)

観測値だけではなく,すべての波長について検索を行う:

アプリケーション  (2)

バルマー線の波長を求める:

炭素の可視スペクトル内の波長をプロットする:

特性と関係  (1)

励起準位は波数が大きくなる順に並べられる:

考えられる問題  (1)

原子状態はエネルギー量と長さの逆によってのみ検索可能である:

状態遷移は長さと波長の数量によってのみ検索可能である:

おもしろい例題  (4)

タングステンの可視遷移線を調べる:

すべての基底状態原子の,使用可能なエネルギー準位について学ぶ:

タングステンの可能な原子状態についてのエネルギー分布を調べる:

ネオンの最初の20の原子状態についての励起エネルギーをプロットする:

Wolfram Research (2017), SpectralLineData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SpectralLineData.html.

テキスト

Wolfram Research (2017), SpectralLineData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SpectralLineData.html.

CMS

Wolfram Language. 2017. "SpectralLineData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/SpectralLineData.html.

APA

Wolfram Language. (2017). SpectralLineData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SpectralLineData.html

BibTeX

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