JPEG2000 (.jp2,.j2k)

予備知識

    • MIMEタイプ:image/jp2
    • JPEG2000ラスタ画像および圧縮形式.
    • 写真画像に使われる.
    • JPEGはJoint Photographic Experts Groupの頭字語である.
    • バイナリファイル形式.
    • 種々の色解像度と不透明度をサポートする.
    • ウェーブレット変換に基づく可逆・不可逆圧縮を用いる.
    • 画像を別々に符号化された長方形タイルの配列として保管することができる.

ImportとExport

  • Import["file.jp2"]はJPEG2000ファイルを画像としてインポートする.
  • Import["file.jp2",elem]はJPEG2000ファイルから指定された要素をインポートする.
  • インポート形式はImport["file","JPEG2000"]またはImport["file",{"JPEG2000",elem,}]で指定できる.
  • Export["file.jp2",expr]は画像,グラフィックス,その他のラスタ画像の任意の式をJPEG2000にエキスポートする.
  • Wolfram言語のグラフィックスや任意の式をJPEG2000にエキスポートすると,結果の画像はその表示形式と同じラスタサイズとなる.
  • 画像オブジェクトはデフォルトでそれぞれのラスタサイズでエキスポートされる.
  • JPEG2000はラスタ画像形式であるので,フォントはすべてエキスポートの際にラスタライズされる.
  • 一般的な情報は,以下の関数ページを参照のこと.
  • Import, Exportファイルからインポートする,あるいはファイルへエキスポートする
    CloudImport, CloudExportクラウドオブジェクトからインポートする,あるいはクラウドオブジェクトへエキスポートする
    ImportString, ExportString文字列からインポートする,あるいは文字列へエキスポートする
    ImportByteArray, ExportByteArrayバイト配列からインポートする,あるいはバイト配列へエキスポートする

ノートブックインターフェース

  • ノートブックフロントエンドでは,「挿入」 「画像」および「開く」メニューでJPEG2000ファイルがセルにインポートできる.
  • 「選択範囲の形式保存」はノートブックの選択した部分をJPEG2000ファイルにエキスポートする.

Import要素

  • 一般的なImport要素:
  • "Elements" ファイル中の有効な要素とオプションのリスト
    "Summary"ファイルの概要
    "Rules"使用可能なすべての要素の規則のリスト
  • データ表現要素:
  • "Data"色の値の配列
    "Graphics"Graphicsオブジェクト
    "Image"Imageオブジェクトとして与えられたラスタ画像
    {"Thumbnail",size}指定の size のサムネイル(デフォルトでは size = Small
  • ImportExportはデフォルトで"Image"要素をJPEG2000ファイルに使用する.
  • Import["file.jp2","Data"]"ColorSpace"オプションで指定された色モデルを使って符号化される色の値の配列を与える.
  • 個々の画像タイルは以下を使って選択または指定できる:
  • "Tiles",mタイルの m 行目
    "Tiles",m,nm 行目の n 番目のタイル
    "Tiles",m,n,elemm 行目の n 番目のタイルの要素 elem
  • Importの高度な要素:
  • "BitDepth"ファイルの各色チャンネルに使用されるビット解像度
    "Channels"ファイルで使用される色チャンネルの数
    "ImageSize"ラスタ次元
    "Summary"ファイルの概要

オプション

  • ImportおよびExportのオプション:
  • ImageSizeAutomatic画像の全体の大きさ
    "ImageTopOrientation"Topファイルに保管されている画像の向き
  • Exportオプション:
  • "BitDepth"Automatic各色チャンネルに使用されるビット解像度
    CompressionLevelAutomatic画像符号化アルゴリズムの圧縮パラメータを設定する
    "ImageTopOrientation"Topエキスポートされた画像の向き
    "TileSize"Automatic画像タイルのピクセル寸法
  • "BitDepth"は1から31までの整数に設定できる.
  • CompressionLevelが取り得る範囲は0から1までで,値が大きいほどファイルサイズが小さいことに対応する.
  • 不可逆圧縮法については,圧縮レベルが高いほど,より質の低い符号化に対応する.
  • "TileSize"はJPEG2000ファイルの画像タイルのデフォルトサイズを指定する.これは通常という形式に指定されている.一番下の行と一番右の列はデフォルトサイズより小さいことがある.
  • 詳細な特性と設定:
  • "ColorSpace"Automatic画像の色空間
    "ImageEncoding""JPEG2000"ファイルで使用される圧縮法
    "TileDimensions"{1,1}タイル化配列の次元
  • ImportExportはグレーレベルおよびRGB画像においてJPEG2000アルファチャンネルをサポートする.
  • "ImageEncoding"が取り得る設定:
  • "JPEG2000"標準の不可逆JPEG2000符号化
    "Lossless"JPEG2000圧縮法の可逆バージョン

例題

すべて開くすべて閉じる

  (3)

JPEG2000ファイルを画像としてインポートする:

画像の概要:

画像オブジェクトをJPEG2000にエキスポートする:

Import要素  (13)

利用できる要素  (3)

利用できる要素のリスト:

すべての要素を規則のリストとしてインポートする:

いくつかの画像オプションを取得する:

"Options"要素はインポートされた画像のオプションをすべて返す訳ではない:

データ表現  (5)

"Data"  (1)

画像データをインポートする:

インポートされたデータから画像を作成する:

"Graphics"  (1)

Graphicsオブジェクトとしてインポートする:

"Image"  (1)

Imageオブジェクトとしてインポートする:

JPEG2000のデフォルトのインポート要素である:

"Thumbnail"  (1)

画像のサムネイルをインポートする:

"Tiles"  (1)

画像をタイルのリストとしてインポートする:

画像タイルを組み合せる:

メタデータ  (5)

"BitDepth"  (1)

各色チャンネルを表すために使用されたビット数を取得する:

"Channels"  (1)

画像のチャンネル数を取得する:

"ColorSpace"  (1)

符号化された色空間を取得する:

インポートされた画像の色空間をImageColorSpaceを使って取得する:

"ImageSize"  (1)

ファイルに保存された画像の大きさを取得する:

インポートされた画像に対してImageDimensionsを適用しても同じ結果が得られる:

"Summary"  (1)

画像の概要を取得する:

Exportオプション  (3)

ImageSize  (1)

デフォルトでは,画像は完全解像度でエキスポートされる:

エキスポートする画像のラスタサイズを指定する:

"ImageTopOrientation"  (1)

デフォルトでは直立方向の画像は"ImageTopOrientation"->Topを使ってエキスポートされる:

向きを指定する:

"TileSize"  (1)

エキスポートの際にタイルの大きさを指定する: