MOL (.mol)

予備知識

    • MIMEタイプ:chemical/x-mdl-molfile
    • MDL分子モデルファイル.
    • 3D分子モデルの格納と交換のために化学情報(cheminformatics)アプリケーションとWebで使われている.
    • プレーンテキスト表形式.
    • 単一の化合物を表す.
    • 原子の座標,化学結合の情報とメタデータを格納している.
    • Elsevier Molecular Design Limited (MDL)によって管理されている.

ImportとExport

  • Import["file.mol"]はmolfileから分子をインポートする.
  • Export["file.mol",mol]は分子モデルの要素をmolfileにエキスポートする.
  • Import["file.mol"]はmolfileに含まれる分子モデルを含むMoleculeを与える.
  • Import["file.mol",elem]はmolfileより指定された要素をインポートする.
  • Import["file.mol",{elem,suba,subb,}]は子要素をインポートする.
  • Import["file.mol",{{elem1,elem2,}}]は複数の要素をインポートする.
  • インポート形式は Import["file","MOL"]またはImport["file",{"MOL",elem,}]で指定できる.
  • Export["file.mol",mol]molMoleculeとしてmolfileを作成する.
  • Export["file.mol",expr,elem]expr が要素,elem を指定するものとして扱うことにより,molfileを作成する.
  • Export["file.mol",{expr1,expr2,},{{elem1,elem2,}}]では,それぞれのexpri が対応するelemiを指定するものとして扱われる.
  • Export["file.mol",expr,opt1->val1,]は指定値を持つとされる指定のオプション要素と一緒にexpr をエキスポートする.
  • Export["file.mol",{elem1->expr1,elem2->expr2,},"Rules"]は規則を使い,エキスポートされる要素を指定する.
  • 一般的な情報は,以下の関数ページを参照のこと.
  • Import, Exportファイルからインポートする,あるいはファイルへエキスポートする
    CloudImport, CloudExportクラウドオブジェクトからインポートする,あるいはクラウドオブジェクトへエキスポートする
    ImportString, ExportString文字列からインポートする,あるいは文字列へエキスポートする
    ImportByteArray, ExportByteArrayバイト配列からインポートする,あるいはバイト配列へエキスポートする

Import要素

  • 一般的なImport要素:
  • "Elements" ファイル中の有効な要素とオプションのリスト
    "Summary"ファイルの概要
    "Rules"使用可能なすべての要素の規則のリスト
  • データ要素:
  • "Molecule"分子モデルの記号表現
  • グラフィックス要素:
  • "Graphics3D"分子モデルの3D描画
    "StructureDiagram"2D構造式
  • データ表現要素:
  • "EdgeRules"規則のリストとして与えられる結合データ
    "EdgeTypes"文字列リストとして与えられる結合のタイプ
    "FormalCharges"整数のリストとして与えられる,原子の電荷
    "MassNumbers"同位体の質量数
    "VertexCoordinates"2Dまたは3Dの原子座標(通常,オングストロームで与えられている)
    "VertexTypes"通常,化学元素の省略形で与えられる,分子を構成するすべての原子またはグループ
  • Export["file.mol",{vert,coord},{{"VertexTypes","VertexCoordinates"}}]は原子の型とその2Dまたは3Dの座標値の指定からmolfileを作成する.
  • メタ情報要素:
  • "Header"このファイルからのヘッダ情報

オプション

  • グラフィカルImport要素:
  • ImageSizeAutomatic表示するグラフィックスの全体的なサイズを指定する
    BackgroundWhite使用される背景色を指定する
    ViewPointAutomatic3Dモデルを見る空間内の視点
  • デフォルト設定の"ViewPoint"->Automaticで,Wolfram言語はインポートされた分子の形状を見るのに最適な角度を自動的に計算する.
  • 3D描画スタイルを選択する:
  • "Rendering""BallAndStick"視覚化のメソッドの指定
  • "Rendering"の可能な設定:
  • "BallAndStick"原子と結合を玉と棒のモデルとして表示
    "Spacefilling"原子は重なり合う球として表示
    "Wireframe"結合は線として描画
  • 一般的なExportオプション:
  • "CoordinateDimension"Automatic2Dと3Dのどちらの座標を含むのか
    "Header"Automatic最初の行に使用する文字列
    IncludeAromaticBondsTrue"Aromatic"結合タイプを使用するかどうか
    IncludeHydrogensAutomatic明示的に水素原子を含むかどうか
  • "CoordinateDimension"Automaticと設定すると,分子式が明示的にAtomCoordinatesを含んでいる場合は3が,分子がAtomDiagramCoordinatesを含んでいる場合は2が選択される.
  • どちらもない場合,座標は自動的に生成される.このとき,分子が明示的または潜在的のどちらで水素を持つのかによって,それぞれ3Dまたは2Dの座標が使用される.

例題

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  (2)

MOLファイルにあるImport要素を表示する:

3D分子モデルをMoleculeとしてインポートする:

このファイルで,座標は式のAtomCoordinatesオプションに含まれている:

分子の2D表現を含むmolfileをインポートする場合,座標は式のAtomDiagramCoordinatesオプションに含まれる:

前の出力からmolfileを作成する:

Exportオプション  (3)

"CoordinateDimension"  (1)

"CoordinateDimension"nn は2または3)を使って2D座標をエキスポートするのか3D座標をエキスポートするのかを清書する:

IncludeAromaticBonds  (1)

デフォルトでは,芳香族結合は,存在する場合はMDL結合タイプ4で示される:

単結合と二重結合,つまりMDLスキームの結合タイプ1と2を交互に使うためには,オプションIncludeAromaticBondsFalseを使用する:

"Header"  (1)

「PubChem」の化合物IDのリストを使って出力にラベルを付ける: