SDTS (.ddf)

予備知識

    • SDTS GIS形式.
    • 米国地質調査所により使用される地理情報標準.
    • 地図と地図データのアーカイブおよび交換に使用される.
    • SDTSはSpatial Data Transfer Standardの頭字語である.
    • ISO 8211に基づく.
    • 米国連邦情報処理規格.
    • SDTSは複数の.ddfファイルを一般に.tar.gzファイルに組み合せたアーカイブを転送する.
    • ファイル拡張子.ddfはData Descriptive Fileから派生したものである.
    • バイナリ形式.
    • DLG(デジタル線グラフ)を含む.
    • デジタル線グラフは主に地図に使われるベクトルデータである.
    • デジタル標高モデルは標高値のラスタとして保管される.

Import

  • Import["dir","SDTS"]またはImport["dir"]はSDTSディレクトリ全体をインポートし,全グラフィックスレイヤーの描画の組合せを返す.
  • Import["fileCATD.ddf"]はインポートするSDTSバンドルのメインの.ddfファイルを明示的に指定する.
  • Import["dir"]GeoGraphicsオブジェクトを返す.
  • Import["dir","elem"]はSDTSファイルから指定された要素をインポートする.
  • Import["dir",{"elem","suba","subb",}]はサブ要素をインポートする.
  • Import["dir",{{"elem1","elem2",}}]は複数の要素をインポートする.
  • 一般的な情報は,以下の関数ページを参照のこと.
  • Importファイルからインポートする
    CloudImportクラウドオブジェクトからインポートする
    ImportString文字列からファイルからインポートする
    ImportByteArrayバイト配列からインポートする

Import要素

  • 一般的なImport要素:
  • "Elements" ファイル中の有効な要素とオプションのリスト
    "Summary"ファイルの概要
    "Rules"使用可能なすべての要素の規則のリスト
  • データ表現要素:
  • "Graphics"単一のグラフィックスオブジェクトにまとめられた全レイヤー
    "GraphicsList"SDTSアーカイブのレイヤーを表すグラフィックスのリスト
    "Data"各レイヤーのグラフィックスプリミティブ
    "SpatialRange"通常10進法表記の度数で与えられる,地理座標の範囲
  • ImportはデフォルトでSDTSバンドルに"Graphics"要素を使う.
  • Importに要素"Graphics"を与えると,SDTSアーカイブの組み合されたグラフィックスの内容がGraphicsまたはGeoGraphicsオブジェクトとして得られる.
  • データ表現要素:
  • "LayerNames"文字列のリストとして与えられる,各レイヤーのラベル
    "LayerTypes"各レイヤーのSDTSデータ型
  • ファイルで使用されている測地原点と準拠楕円体を表す要素:
  • "CoordinateSystem"ファイルで使用されている座標系の名前
    "Datum"測地原点
    "SemimajorAxis"準拠楕円体の長半径(メートル)
    "SemiminorAxis"準拠楕円体の半短径(メートル)
    "InverseFlattening"楕円の逆扁平率
    "LinearUnits"座標系単位
  • 地図投影法とそのパラメータを指定する要素:
  • "Projection"投影法名とパラメータ
    "Centering"投影の原点を定義する緯度と経度
    "StandardParallels"標準緯線
    "CentralScaleFactor"中心経線または投影中心におけるスケール係数
    "GridOrigin"中央緯線と中央経線のグリッド座標値{n,e}
    "ProjectionName"使用されている投影法のWolfram言語における標準名
    "ReferenceModel"どの基準球,準拠楕円体を使用するか
  • ファイルの低レベルメタ情報にアクセスする:
  • "CoordinateSystemInformation"ファイルに保管されている座標系の生のパラメータ
  • 地図投影法の詳細情報はGeoProjectionDataのページを参照のこと.

オプション

例題

  (1)

SDTSデジタル線グラフィックスデータをインポートし,ベクトルグラフィックスとして描画する:

このファイルで利用できる全インポート要素を示す:

レイヤー名とタイプを示す:

このSDTSバンドルに含まれるファイルの名前を示す: