MagneticPDEComponent

MagneticPDEComponent[vars,pars]

磁気PDE項を,変数 varspars で与える.

詳細

  • MagneticPDEComponentは,静磁気および低周波数の電磁気をモデル変数 vars,モデルパラメータ pars でモデル化するための方程式を生成する.
  • MagneticPDEComponentは,偏微分方程式の一部として使う微分演算子の和を返す.
  • MagneticPDEComponentは,永久磁石または導電性材料内を流れる低周波数電流によって生成される磁場と電場によって生成される静磁場をモデル化する.
  • MagneticPDEComponentは,一般に,電気モーター,コイル,電磁石のモデル化に使われる.
  • MagneticPDEComponentは,定常,時間,周波数,パラメータの解析のためのPDEを作成する.
  • MagneticPDEComponentは,静磁気および低周波数電磁現象を,独立磁気ベクトルポテンシャル (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"Wb", , "/", , "m"}, webers per meter, {{(, "Webers", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]])と独立変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]])でモデル化する.
  • MagneticPDEComponentは,静磁気の場合は外部電流もモデル化できる.
  • 静磁気の場合,電流が存在しない場合はMagnetostaticPDEComponentを使うべきである.
  • ベクトル値の従属変数が3-ベクトル={Ax1,Ax2,Ax3}として指定される.
  • 定常変数 varsvars={[x1,,xn],{x1,,xn}}である.
  • 周波数依存変数 varsvars={[x1,,xn],ω,{,,xn}}である.
  • 時間依存変数 varsvars={[t,x1,,xn],t,{x1,,xn}}である.
  • MagneticPDEComponentは,以下の定常磁気モデルを与える.
  • ここで, は真空透磁率(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"H", , "/", , "m"}, henries per meter, {{(, "Henries", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]]), は磁化ベクトル(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"A", , "/", , "m"}, amperes per meter, {{(, "Amperes", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]]),は外部電流密度ベクトル(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"A", , "/", , {"m", ^, 2}}, amperes per meter squared, {{(, "Amperes", )}, /, {(, {"Meters", ^, 2}, )}}}, QuantityTF]])である.
  • 磁化ベクトル は,磁気特性の強さと方向を示す,材料内の単位体積あたりの磁化双極子モーメントを指定する.s
  • MagneticPDEComponentは,以下の周波数領域モデルを与える.
  • ただし,真空透磁率 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"F", , "/", , "m"}, farads per meter, {{(, "Farads", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]],相対透磁率 [-],電気伝導率 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"S", , "/", , "m"}, siemens per meter, {{(, "Siemens", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]],角周波数 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"rad", , "/", , "s"}, radians per second, {{(, "Radians", )}, /, {(, "Seconds", )}}}, QuantityTF]],虚数単位 である.
  • MagneticPDEComponentは,以下の時間領域モデルを与える.
  • 磁化ベクトル の代替モデルは,残留磁束密度ベクトル (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"Wb", , "/", , {"m", ^, 2}}, webers per meter squared, {{(, "Webers", )}, /, {(, {"Meters", ^, 2}, )}}}, QuantityTF]])である.
  • 定常MagneticPDEComponent方程式は以下で与えられる.
  • は無単位のリコイル透磁率である.
  • 線形材料については,定常方程式MagneticPDEComponentは以下のように簡約される.
  • は無単位の相対透磁率である.
  • は.等方性,直交異方性あるいは異方性でよい.
  • は,磁場の関数でよく,非線形材料を説明することができる.
  • 磁気モデル項の単位は[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"A", , "/", , {"m", ^, 2}}, amperes per meter squared, {{(, "Amperes", )}, /, {(, {"Meters", ^, 2}, )}}}, QuantityTF]]である.
  • 次は,使用可能なパラメータ pars である.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "ExternalCurrentSource"{0,},外部電流密度ベクトル,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"A", , "/", , {"m", ^, 2}}, amperes per meter squared, {{(, "Amperes", )}, /, {(, {"Meters", ^, 2}, )}}}, QuantityTF]]
    "Magnetization"{0,},磁化ベクトル,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"A", , "/", , "m"}, amperes per meter, {{(, "Amperes", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]]
    "MagneticModelForm"None
    "RegionSymmetry"None
    "RelativePermeability"
  • ,無単位の相対透磁率
  • "RemanentMagneticFluxDensity"{0,},残留磁束密度,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"Wb", , "/", , {"m", ^, 2}}, webers per meter squared, {{(, "Webers", )}, /, {(, {"Meters", ^, 2}, )}}}, QuantityTF]]
    "Thickness"1,厚み,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]]
    "VacuumPermeability",真空透磁率,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"H", , "/", , "m"}, henries per meter, {{(, "Henries", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]]
  • 周波数領域モデルおよび時間領域モデルには,以下の追加的なパラメータが指定できる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "ElectricalConductivity"1
  • ,電気伝導率,単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"S", , "/", , "m"}, siemens per meter, {{(, "Siemens", )}, /, {(, "Meters", )}}}, QuantityTF]]
  • 独立変数の数 は, の次元およびベクトル の長さを決定する.
  • 2D,2D軸対称,3Dの形式のモデルが使用できる.
  • 相対透磁率が の3D定常モデルについては, "MagneticModelForm""FreeSpace"に設定でき,クーロンゲージ条件の場合,3D演算子は次のように簡約される.
  • 2Dの面外方向の場合,磁気ベクトルポテンシャルには 成分しかない.定常線形の場合は,方程式は以下で与えられる.
  • [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]]は 方向の"Thickness"を示す変数で,従属変数={0,0,Az}で指定される.
  • パラメータ"RegionSymmetry"の可能な選択肢には"Axisymmetric"がある.
  • "Axisymmetric"領域対称性は,以下のように角変数を削除することで円筒座標が簡約される切断円筒座標系を表す.
  • 次元簡約例:線形定常方程式
    2D
  • 方程式を解くためには,共変定式化が利用される.共変定式化は,変数の変更が で与えられる軸対称方程式に適用されるメソッドである.
  • パラメータの入力指定は対応する演算子項についてのそれと厳密に等しい.
  • パラメータが指定されていなければ,デフォルトの磁気PDEは以下のようになる.
  • MagneticPDEComponentが連想 pars によって,keypi,pivi,]として指定されるパラメータ に依存する場合,パラメータ で置換される.

例題

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  (3)

記号3D磁気PDEモデルを,真空透磁率 ,相対透磁率 で定義する:

デフォルトの磁気PDEモデルを,真空透磁率

,相対透磁率 で設定する:

記号時間依存磁気PDEモデルを定義する:

スコープ  (7)

相対浸透率を5に設定して磁気PDEモデルを定義する:

磁気PDEモデルをアクティブにする:

面外の記号2D磁気PDEモデルを,真空透磁率 ,相対透磁率 方向への外部電流で定義する:

方向および 方向の電流は考慮していない点に注意のこと:

記号2D軸対称磁気PDEモデルを定義する:

方向と 方向の電流は考慮されていない点に注意のこと:

3D自由空間磁気PDEモデルを相対透磁率1で定義する:

記号2D周波磁気PDEモデルを定義する:

デフォルトの磁気PDEモデルを,真空透磁率 ,相対透磁率 で設定してQuantityオブジェクトを保持する:

アプリケーション  (2)

2D定常解析  (1)

円形断面の長いワイヤをモデル化するために,使用するメッシュを定義する:

ワイヤ領域を定義する:

磁気PDEモデルを,ワイヤの 方向への一様電流密度で解く:

磁場を可視化する:

2D周波数解析  (1)

円形断面の長い銅線をモデル化するためのメッシュを定義する:

ワイヤ領域を定義する:

以下でモデルのパラメータを定義する:

変数を定義する:

方向の一様外部電流密度を定義する:

磁気方程式を定義する:

外部境界における0磁位条件を定義する:

PDEを定義する:

800Hzの角周波数を設定する:

角周波数 を置換してPDEを解く:

電場を計算する:

伝導電流を計算する:

外部電流を抽出する:

全電流を計算する:

全電流の大きさを可視化する:

Wolfram Research (2025), MagneticPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MagneticPDEComponent.html.

テキスト

Wolfram Research (2025), MagneticPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MagneticPDEComponent.html.

CMS

Wolfram Language. 2025. "MagneticPDEComponent." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/MagneticPDEComponent.html.

APA

Wolfram Language. (2025). MagneticPDEComponent. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MagneticPDEComponent.html

BibTeX

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