MatrixGame

MatrixGame[{{,},}]

プレーヤー1と2がそれぞれ行動 ij を取る場合のプレーヤー1の利得が ,プレーヤー2の利得が-であるゼロ和二人ゲームを指定する.

MatrixGame[{{{,},},}]

プレーヤー1と2がそれぞれ行動 ij を取る場合のプレーヤー1の利得が ,プレーヤー2の利得が である非ゼロ和二人ゲームを指定する.

MatrixGame[{{{,,},}}]

プレーヤー1からプレーヤー n までがそれぞれ行動 i1,,inを取る場合のプレーヤー k の利得が である一般的な n 人ゲームを指定する.

詳細とオプション

  • MatrixGameは,標準型ゲーム,戦略型ゲーム,同時手番ゲーム,双行列ゲーム,ワンショットゲームとしても知られている.
  • MatrixGameは,通常,同時に行動する2人以上のプレーヤーがいる決定問題をモデル化するために使われる.例として,ジャンケンのような手遊びだけでなく,囚人のジレンマや市場ゲームのような軍事ゲームやビジネスゲームもある.
  • プレーヤーが2人の行列ゲームは利得ベクトルの配列 で表現される.プレーヤー1に可能な行動が 種類,プレーヤー2に可能な行動が 種類の場合, の次元はおよび pi,j,k==である.
  • 人ゲームは利得ベクトルの深さ の配列 で表される.プレーヤー に可能な行動が 種類なら, は次元pi1,,in,k==を持つ.
  • 最適戦略を求めるためにはFindMatrixGameStrategiesを使うとよい.戦略からの期待される利得が求めたければMatrixGamePayoffを使うとよい.
  • 次は,使用可能なオプションである.
  • GameActionLabelsAutomatic行動に使用するラベル
    GamePlayerLabels Automaticプレーヤーに使用するラベル
  • MatrixGameの特性には次の特性が g["prop"]として含まれる.
  • "ComponentPayoffArray"深さ のプレーヤー配列の長さ のベクトル
    "Dataset"プレーヤーのDatasetをタイプセットする
    "GameActionLabels"行動ラベルのリスト
    "GamePlayerLabels"プレーヤーラベルのリスト
    "PayoffArray"長さ の利得ベクトルの深さ の配列
    "Plot"可視化
    "TreeGame"行列ゲームを木ゲームに変換する
  • 行列ゲームの指定方法には,主に次元の利得ベクトルの配列"PayoffArray"と次元の利得配列のベクトル"ComponentPayoffArray"の2つの形式がある.

例題

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  (4)

プレーヤーが2人のゼロ和ゲームを作成する:

データ集合を表示する:

プレーヤーが2人のゲームを作成する:

データ集合を表示する:

プレーヤーが3人のゼロ和ゲームを作成する:

データ集合を表示する:

囚人のジレンマゲーム.複合利得行列を与える:

ナッシュ均衡を求める:

ナッシュ均衡で期待される利得を計算する:

スコープ  (10)

基本的な用法  (3)

プレーヤーが2人のゼロ和ゲームを作成する:

プレーヤーが2人のゼロ和ゲームの場合,プレーヤー1の利得が pi,jであればプレーヤー2の利得は-pi,jである:

プレーヤーが2人のゲームを作成する:

データ集合を表示する:

プレーヤーが2人のゲームを行動ラベルとプレーヤーラベルを付けて作成する:

データ集合を表示する:

特別なゼロ和ゲーム  (2)

ジャンケン(石-紙-ハサミ)ゲームを有向グラフとして表す:

ジャンケン(石-紙-ハサミ)ゲームを作成する:

これをプロットする:

プレーヤーが2人のゼロ和ゲームを有向完全グラフで作成する:

データ集合を表示する:

規則ベースのゲーム  (2)

配列規則を使ってプレーヤーが2人のゼロ和ゲームを作成する:

プロットを表示する:

プレーヤーが2人の対称ゲームを,配列規則を使って行列

に基づいて作成する:

プロットを表示する:

成分配列と複合配列  (2)

成分配列に基づいて手動で複合配列を作成する:

MatrixGameを使って成分配列に基づいて複合配列を作成する:

複合配列に基づいて手動で成分配列を作成する:

MatrixGameを使って複合配列に基づいて成分配列を作成する:

ゲームの特性  (1)

MatrixGameオブジェクトは,ゲームについての情報を与える特性を含む:

"Properties"特性は,使用可能な特性のリストを与える:

"ObjectType"特性は,ゲームのオブジェクトタイプを与える:

"Summary"特性は,ゲームについての情報の簡単な要約を与える:

"CompositePayoffArray"特性は,ゲームの利得配列の複合形式を与える:

"ComponentPayoffArray"特性は,ゲームの利得配列の成分形式を与える:

"PayoffArray"特性もまた,ゲームの利得配列の成分形式を与える:

"PayoffData"特性は,各プレーヤーの可能な利得のリストを与える:

"Dataset"特性は,行列ゲームを利得のデータ集合として与える:

"Plot"特性は,行列ゲームをMatrixGamePlotと同じ方法でプロットする:

"TreeGame"特性は,任意のMatrixGameTreeGameに変換する:

オプション  (4)

ActionLabels  (2)

各プレーヤーの行動の名前を指定する:

これらには"ActionLabels"を介してアクセスできる:

これは,"Dataset"特性の動作を変える:

"p"で始まる野菜の収量についてのランダムなゲームについて考える:

データ集合を見る:

間違った数の行動ラベルが与えられた場合には無視される点に注意のこと:

GamePlayerLabels  (2)

各プレーヤーの行動の名前を指定する:

これらにはGamePlayerLabelsを介してアクセスできる:

3人の農民の野菜の収量についてのランダムなゲームについて考える:

プロットを見る.図のツールチップはプレーヤーのラベルに基づいている点に注意のこと:

アプリケーション  (11)

進化/生物学ゲーム  (1)

ワキモンユタトカゲは異なる3つのタイプのオスという繁殖戦略を持つ.喉がオレンジ色のオスは大きいハーレムを持つ.喉が青いオスは維持するメスの数は少ないがこれを守る傾向が強い.喉が黄色のオスはメスの振りをしてハーレムに忍び込む.野外での観察に基づき,それぞれのオスの戦略の適合度は既存のオスの出現頻度に強く依存することが分かっている.は,番目の戦略を持つオスに支配された環境における 番目の戦略の適合度を与える:

このゲームは対称であると仮定して,成分利得行列を求める:

適合行列から,ジャンケンと同じようなプレーヤーが2人の対称ゲームが定義できる:

プロットからも分かるように,このゲームはジャンケンに似ている:

混合集団の中で,各戦略の適合度は恋愛ゲームの期待される利得として定義できる:

次世代における各戦略の集団が現世代の集団とその適合度に比例すると仮定すると,次の環境ダイナミクスが与えられる:

喉の色が黄色が35%,青が50%,オレンジ色が15%から始めて,最初の100世代の振動パターンを観察する:

ナッシュ均衡を求める:

ナッシュ均衡から始めれば振動を避けることができかもしれない:

余暇のゲーム  (3)

ジャンケンは,石 > ハサミ,ハサミ > 紙,紙 > 石の循環順序に基づいている.このゲームを表すグラフを作成する:

グラフ表現を使ってゲームを作成する:

データ集合を表示する:

ナッシュ均衡を計算する:

グラフを使って支配順を設定することでジャンケン(石-紙-ハサミ)を石-紙-ハサミ-火-水に一般化する:

ゲーム全体をゼロ和ゲームとして作成する:

データ集合を表示する:

ナッシュ均衡を計算する:

モラは古代ギリシャや古代ローマの時代から何千年も続くハンドゲームである.各プレーヤーが同時に任意の数の指を出した手を見せ,指の数を言う.全員の指の合計数を言い当てたプレーヤーがポイントを得る.

プレーヤーが2人で「m本の指」のモラゲームが以下のように構築できる:

伝統的な5本指のモラは,両方のプレーヤーに対して可能な50の行動がある対称ゼロ和ゲームである:

スポーツゲーム  (1)

サッカー,野球,テニスを含むさまざまなゲームでプレーヤーは決定を迫られる.ここではどんな所定の行動も最適ではない.例えば,サッカーのペナルティーキックの際に,キッカーとゴールキーパーは両方とも左右どちらにキックする/動くかを無作為に選ばなければならない.キックミスや他の失策のために得点確率は変化する可能性がある.現実世界のデータに基づく現実的な得点行列は以下のようになる:

明らかな問いは,キッカーとゴールキーパーが戦略をどのように無作為選択するかである:

この場合は得点頻度も問いたい:

得点確率が変わった際に同じ計算を行うことができる:

興味深いことに,社会通念の「自分の強みを優先する」はほとんどの場合最適ではない:

経済ゲーム  (3)

腹をすかせた3人の男がレストランに行って会計を割り勘にすることにした.定食には高いものと安いものの2つのオプションがある.安い方の値段は良心的な10ドルで高い方は40ドル相当のものに50ドルの値段がついている.この状況をMatrixGameとして表現する:

ゲームをプロットする:

ナッシュ均衡を求める:

価格戦争は,複数の企業が最低価格を提供しようとするが任意の企業の利得が選択される価格に直接相関することである.3つの企業間の価格戦争について考える.各企業は低価格か高価格を選ぶことができる:

ゲームを可視化する:

価格をできるだけ高くするという共通の利害があるにもかかわらず,競争によって低価格でナッシュ均衡が生まれる:

一組の夫婦がアクティビティA,B,Cから選べるとする.妻はAを,夫はBを好むが,どちらもCは好まない.この状況をMatrixGameを使って表す:

ゲームをプロットする:

ナッシュ均衡を求める:

軍事ゲーム  (1)

ブロット大佐ゲームは2人のプレーヤーが同時にいくつかの戦場に限られた中隊を分配するゼロ和ゲームである.戦場ごとに最も多くの中隊を届けたプレーヤーがその戦闘に勝つ.利得は勝利を収めた戦場数である.戦場数が2で,ブロット大佐側は2隊,敵側は4隊のブロット大佐ゲームについて考える:

ゲームをプロットする:

いくつかのナッシュ均衡を求める:

各戦略の利得を求める:

交通ゲーム  (2)

2人のプレーヤーが同じ時間に同じ交差点に到着する.どちらのプレーヤーも直進するか止まるかできる.両方が直進すると,結果は死亡事故になる.直進に成功した場合の利得は1,停止した場合の利得は0である.この状況をMatrixGameとして表す:

これを見ると,一般に.死亡事故を除外する戦略がナッシュ均衡であることがわかる:

驚くべきことに,道路網に1つまたは複数の道路を追加すると全体的な交通が遅くなる可能性がある.これはブライスのパラドックスとして知られるものである.a から b までの道路網がある場合,c または d を介して2つの異なる道路網を使用するとする.道路 acdb20 n 分かかる.ここで,n は道路上のドライバーの数である.cbad はドライバーの数には関係なく45分かかる.道路網をグラフとして表す:

ドライバーの数を n=2として,a から b へのすべての経路を求める:

全部で4通りの経路があるが,各経路を選択したドライバーの数を数える:

各経路の所要時間の合計を求める:

負の通勤時間を最大にする:

利得行列に基づいて交通ゲームを作成する:

交通ゲームを可視化する:

通勤者が選択した異なる経路に対応する2つの純粋な戦略がある:

これらの純粋な戦略は65分という最短通勤時間も与える:

上記の交通ゲームを追いながら,モデリングを自動化し一般的な道路網を解く.ここで,start 頂点と end 頂点は車の出発点と到達点であり,道路の各部分の容量は辺重みを使って符号化されている:

dc の間に短いが容量が高い道路を加える:

この状況は2人のドライバーのための新たな交通ゲームを定義する:

交通ゲームを可視化する:

ゲームを解く:

既存2つの経路間で切り替えると,唯一の安定解では通勤時間は制限された道路網(65分)よりも長く(82分)なるという囚人のジレンマのような状態になる:

考えられる問題  (1)

与えられた配列が完全配列でなければ,MatrixGameは評価されない:

おもしろい例題  (1)

このゲームの利得は以下の通りである.タカがハトに会った場合は最高利得 (3)を得るが,タカが別のタカに会った場合は最低利得(0)になる.ハトがタカに会った場合の利得は1で2羽のハトが会った場合はそれぞれが利得2を得る.

タカ・ハトゲームの利得シミュレーション関数を形成する:

各タイムステップの最後,各プレーヤーがゲームをした後で,各母集団(タカまたはハト)からランダムに選択された一人のプレーヤーが次の規則に従って戦略を変える.「私は(ランダムに選択された)自分の母集団の一員を見た.相手が自分より高い利得を得ているときかつそのときに限って私は相手の戦略を採用する」.母集団内模倣モデルの可視化を行う:

シミュレーションを生成する:

Wolfram Research (2025), MatrixGame, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGame.html.

テキスト

Wolfram Research (2025), MatrixGame, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGame.html.

CMS

Wolfram Language. 2025. "MatrixGame." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGame.html.

APA

Wolfram Language. (2025). MatrixGame. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixGame.html

BibTeX

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BibLaTeX

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