NProbability
NProbability[pred,xdist]
x が確率分布 dist に従うという仮定の下に,述語 pred を満足する事象の確率を数値で返す.
NProbability[pred,{x1,x2,…}dist]
{x1,x2,…}が多変量分布 dist に従うという仮定の下で pred を満足する事象の確率を数値で与える.
NProbability[pred,{x1dist1,x2dist2,…}]
x1, x2, … が独立であり分布 dist1, dist2, …に従うという仮定の下で pred を満足する事象の確率を数値で与える.
NProbability[pred1pred2,…]
pred2を仮定して pred1の条件付き確率を数値で与える.
詳細とオプション
- xdist は x dist dist または x \[Distributed]dist と入力できる.
- pred1pred2は pred1 cond pred2または pred1 \[Conditioned]pred2と入力できる.
- NProbabilityは数値総和と数値積分のメソッドを使う点を除いてProbabilityと同じように働く.
- 連続分布 dist では,pred の確率は∫Boole[pred]f[x]xで与えられる.ただしf[x]は dist の確率密度関数であり,積分は dist の領域で行われるものとする.
- 離散分布 dist では,pred の確率は∑Boole[pred]f[x]で与えられる.ただし,f[x]は dist の確率密度関数であり,総和は dist の領域で行われるものとする.
- NProbability[pred,{x1dist1,x2dist2}]はNExpectation[NProbability[pred,x2dist2],x1dist1]に相当するので,最後の変数が最初に合計されたり積分されたりする.
- N[Probability[…]]は記号的には求まらない確率についてはNProbabilityを呼び出す.
- 使用可能なオプション
-
AccuracyGoal ∞ 目標とする絶対確度の桁数 PrecisionGoal Automatic 目標とする精度の桁数 WorkingPrecision MachinePrecision 内部計算で使用する精度 Method Automatic 使用するメソッド
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (27)
基本的な用法 (9)
記号評価が失敗したらN[Probability[…]]を適用してNProbabilityを呼び出す:
数量の使用 (3)
ノンパラメトリック分布 (2)
派生分布 (9)
TransformedDistributionを使って確率を計算する:
ProductDistributionを使って確率を求める:
オプション (6)
AccuracyGoal (1)
AccuracyGoalを使って異なる確度の結果を得る:
Method (3)
Methodオプションを使って数値積分における二分法の反復回数を増やす:
Probabilityによる厳密な結果と比較する:
この例はNIntegrateを使う:
Activateを使って結果を評価する:
PrecisionGoal (1)
PrecisionGoalを使って異なる精度で結果を得る:
WorkingPrecision (1)
デフォルトで,NProbabilityは機械精度を使う:
WorkingPrecisionを使ってより高い精度で結果を得る:
アプリケーション (26)
ランダムな実験 (5)
コイントスの実験は,公正なコインを表が出るまで繰り返し投げ上げるものである.このプロセスのシミュレーションを行う:
公正なコインを 回トスして表の出る回数は,BinomialDistributionを使ってモデル化することができる:
100回のコイントスで表が出るのが60回から80回である確率を求める:
不正なコインを使った場合に表が出る確率が0.6であるとする:
公正な六面のサイコロは,DiscreteUniformDistributionでモデル化することができる:
ランダムにサイコロを投げる場合,この場合は3個のサイコロを回投げる場合を生成する:
公正なコインを使ったコイントスで表が4回出るまでに裏の出る回数を求める:
壷に100個のものが入っていてそのうち40個は特別なものだとする:
50個を壷から取り出した場合にそのうちの20個が特別である確率を求める:
スポーツとゲーム (3)
チェスのチャンピオンであるガルリ・カスパロフが,コンテストで100人のアマチュアと同時に対戦することになった.このような場合にチャンピオンが負ける確率は1%であるという.チャンピオンが全く負けない,または,2,5あるいは10試合に負ける確率を求める:
チャンピオンが負ける確率が10%になるような,より強い相手5人と同時に対戦する場合を同じように計算する:
フリースローの成功確率が0.75のバスケットボールの選手がいるとする.10回のフリースローのシミュレーションを行う:
この選手が試合で3回のフリースロー中2回で得点する確率を求める:
天候 (3)
交通 (2)
保険数理 (4)
グループの保険契約で雇用者の医療保険をカバーしている小さい企業がある.1年間の請求額 は で表される. はでに比例する密度関数の確率変数である. が10000を超えているとして, が40000を超える条件付き確率を求める:
優良ドライバーと劣悪なドライバーからの保険請求は,独立で平均がそれぞれ6年と3年の指数分布に従う.優良ドライバーからの最初の請求が3年以内に発生する確率と,劣悪なドライバーからの最初の請求が2年以内に発生する確率を求める:
2つの保険会社が大企業の保険入札に参加した.入札額は200から2200まででなければならない.2つの入札額の差が20以上の場合は入札額が低い方が採用される.その他の場合は,2つの保険会社についてさらに検討される.2つの入札が独立で2000から2200までの一様分布に従うとする.2つの保険会社についてさらに検討が重ねられる確率を求める:
自動車保険契約で請求される払戻金は平均19400,標準偏差5000で正規分布に従う.無作為に選んだ25の請求の平均額が20000を超える確率を求める:
信頼性 (3)
電池の寿命は平均1000時間標準偏差50時間でほぼ正規分布に従う.800時間から1000時間までの寿命の割合を求める:
100個の電池のうち寿命が800時間から1000時間の間にあるものを計算する:
ある系はそれぞれの寿命が母数の指数分布に従う,4つの独立した部品で構成されている.500時間までに故障する部品が出ない確率を求める:
SurvivalFunctionを直接使う:
最初の1200時間で厳密に1つの部品が故障する確率を求める:
CDFとSurvivalFunctionを直接使う:
BooleanCountingFunctionを使って論理条件を定義することもできる:
その他の応用 (6)
放射性物質は,平均で1秒当り3.2個の 粒子を放出する.この分布を示す:
ある会社が製造する釘は長さの平均0.497インチ,標準偏差が0.002インチで正規分布に従う.長さが0.5インチプラスマイナス0.004インチの条件に合う釘の割合を求める:
あるレストランでの顧客の待ち時間は平均5分で指数分布に従うと仮定する.顧客が10分以上待たされる確率を求める:
少なくとも10分待っている顧客がさらに10分以上待たなければならない確率を求める(過去は関係しない):
ある薬剤が30%のケースでは有効であることが証明されている.この薬剤が4人のうち3人の患者に有効である確率を求める:
10個一組になった中に5個の欠陥品があると仮定する.この中から6個をテスト用に取り出す.欠陥品の数を数えるというテストプロセスのシミュレーションを行う:
電話の通話時間は指数分布に従うと仮定する.平均通話時間は3.7分である.連続する9回の通話が25分より長くなる確率を求める:
特性と関係 (11)
分布の累積分布関数とSurvivalFunctionは確率として表現できる:
Probabilityを使ってある事象の確率の記号式を求める:
記号評価が失敗した場合,N[Probability[…]]はNProbabilityに等しい:
NExpectationを使って同じ結果を得る:
考えられる問題 (1)
記号母数があると,NProbabilityが警告を出さずに失敗することがある:
Probabilityは,この例題では,閉形式の結果を与える:
テキスト
Wolfram Research (2010), NProbability, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NProbability.html.
CMS
Wolfram Language. 2010. "NProbability." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/NProbability.html.
APA
Wolfram Language. (2010). NProbability. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/NProbability.html