SurvivalDistribution
SurvivalDistribution[{e1,e2,…}]
事象回数 eiの生存分布を表す.
SurvivalDistribution[{cw1,cw2,…}{e1,e2,…}]
事象 eiが打切り重み wiで起る生存分布を表す.
詳細とオプション
- SurvivalDistributionは生存分析,信頼性分析,持続時間解析に使われる.
- SurvivalDistributionは打切られた寿命データのEmpiricalDistributionを表すDataDistributionオブジェクトを生成する.
- eiについて次の各事象指定を使うことができる.
-
ti 打切りなし,事象は ttiで起る {ti,∞} 右打切り,事象は t で起る,ただし, ti≤t {-∞,ti} 左打切り,事象は t で起る,ただし,t<ti {ti,min,ti,max} 区間打切り,事象は t で起る,ただし,ti,min<t≤ti,max - cwiについて次の各検閲重み指定を使うことができる.
-
ci eiにおける ci件の事象 {ci,ri} eiにおける ci件の事象と ri件の右打切り事象 {ci,ri,li} eiにおける ci件の事象,ri件の右打切り事象,li件の左打切り事象 - SurvivalDistributionでは,事象時間と重みのリストは同じ長さでなければならない.
- EventData[{t1,…},{i1,…}]を使って打切りベクトル{i1,…}の事象時間{t1,…}を{{t1,min,t1,max},…}の形式に変換することができる.
- 使用可能なオプション
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Method Automatic 使用するメソッド WorkingPrecision Automatic 内部計算の精度 - SurvivalDistributionは自動的にデータに最適のメソッドを選ぶ.Kaplan–Meier推定は右打切りデータに使われる.他の打切りタイプでは,自己矛盾のない方法で推定が行われる.メソッドによっては特定タイプの打切りしかサポートしないものもある.
- Methodの可能な設定値
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Automatic 最適メソッドを自動選択 "Turnbull" 区間打切りデータのTurnbullアルゴリズム "KaplanMeier" 右打切りデータに積極限推定 "NelsonAalen" Nelson–Aalen累積ハザード推定に基づく "Noncensored" 打切りは無視され区間の中点が使われる "SelfConsistency" 両側打切りデータのTurnbullアルゴリズム - SurvivalDistributionはMean,CDF,RandomVariate等の関数とともに使うことができる.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (24)
基本的な用法 (4)
両側打切りデータのノンパラメトリック最大尤度推定を作成する:
ステータス指標の変換にEventDataを使う:
分布特性 (5)
打切り (7)
打切りのないデータは区間[(打切りなし) で表すことができる:
右側で打ち切られているデータ(右打切り)の分布の推定を行う:
16でのジャンプが削除され,生存関数が16を超えて再スケールされた:
左打切り観測と右打切り観測の任意の組合せが可能である(両側打切り):
任意のタイプの打切りを1つのデータ中に同時に存在させることができる(混合打切り):
2番目,3番目,4番目の観測値はそれぞれ左打切り,区間打切り,右打切りである:
EventDataをステータス指標と一緒に使って打ち切られた観測値を示す:
オプション (6)
Method (5)
デフォルトで,使用されるメソッドはデータに現れている打切りタイプに依存する:
PrecisionGoalを大きくした場合の平均推定:
WorkingPrecision (1)
30桁精度演算を使ってSurvivalFunctionを推定する:
アプリケーション (7)
次のデータで与えられる免疫組織化学反応の違いによる乳癌患者の生存率を比較する.フォローアップの時間は最初のグループが116週,2番目のグループが87週である:
191人の男子高校生にマリファナを吸い始めた正確な年齢を尋ねた.回答は「 歳のときにはじめて吸った」,「吸ったことはない」,「吸ったことはあるが何歳のときがはじめてだったか思い出せない」とした.次のデータからマリファナをはじめて吸った年齢の生存関数を推定する:
6メルカプトプリンで急性白血病の治療を受けた小児の生存率をNelson–AalenとKaplan–Meierの推定器を使って推定する:
累積ハザード関数のNelson–Aalen推定をプロットする:
次のデータから維持化学療法を続けているグループ (M)と続けていないグループ(NM) の急性骨髄性白血病の患者の生存曲線を比較する:
次のデータから放射線療法を受けた乳癌患者の細胞収縮までの累積ハザード関数を推定する:
20週目まで縮小がなかった場合の縮小までの時間の期待値を求める:
コードが破損するまでストレステストを行った.コードの中にはテスト中に何等かの形で破損するものがあったため,真の信頼性は右側打切りとなった.与えられたデータから信頼関数を推定する:
信頼関数はコードがある一定のストレスに持ち堪える確率である:
コードが45ポンドのストレスでも切れなかった場合の切断点の期待値を求める:
加えられた最大ストレスが100ボンドのときの17本のロープの分断点データが与えられた.経験推定とワイブルモデルを比較する:
SurvivalDistributionを使った経験モデル:
特性と関係 (9)
3つの打切りタイプそれぞれに3つの観測を加えた場合のインパクト:
打切りなしのケースとの一致は打切り部分が大きくなるにつれてずれが大きくなる:
CensoredDistributionは個々の観測ではなく分布に打切りを適用する:
データにClipを使うことはCensoredDistributionを同じウィンドウ上で使うことに等しい:
打切りがなければ,SurvivalDistributionはEmpiricalDistributionに等しい:
SurvivalDistributionをTruncatedDistributionと一緒に使うことは,打切りがある場合には,データに切断を適用することと同じではない:
考えられる問題 (5)
左打切り観測は削除された.これを避けるために値を3番目の位置に入れる:
重みリストは,分析からデータを除外することはできるが,分布領域から除外することはできない:
MaxIterationsを減らすと収束に失敗することがある:
MaxIterationsを増やしてこれを防ぐ:
Methodオプションを設定するとSurvivalDistributionがデータの特徴を無視することがある:
有限端点と区間中点は"Noncensored"メソッドを使って既知の事象時間として扱われる:
左打切り観測の区間中点と右端点は"KaplanMeier"メソッドあるいは"NelsonAalen"メソッドでは既知であるとみなされる:
テキスト
Wolfram Research (2010), SurvivalDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SurvivalDistribution.html.
CMS
Wolfram Language. 2010. "SurvivalDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/SurvivalDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2010). SurvivalDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SurvivalDistribution.html