ThermodynamicData

ThermodynamicData["name","property"]

物質"name"についての特定の特性の値を与える.

ThermodynamicData["name","property",{parameter1quantity1,parameter2quantity}]

物質"name"についての,指定されたパラメータにおける特定の特性の値を与える.

詳細

  • ThermodynamicData[]は使用可能な物質のリストを与える.
  • ThermodynamicData["Properties"]は使用可能な全特性のリストを与える.
  • 特定の場合に,該当しないあるいは未知の特性は,Missing[]で示される.
  • 適切な場合には,物質はQuantityを使って返される.
  • 特に指定がない場合は,物質特性は標準温度(293.15K)および標準圧力(101,325パスカル)で与えられる.パラメータが1つ指定された場合は,その値が標準温度(パラメータが"Temperature"の場合は圧力)と組み合されて値が導出される.
  • パラメータには,"Density""Enthalpy""Entropy""InternalEnergy""Pressure""Quality""Temperature"が含まれる.
  • 次は,サポートされるパラメータの組合せである.
  • "Density""Enthalpy"
    "Density""Pressure"
    "Density""Temperature"
    "Enthalpy""Entropy"
    "Enthalpy""Pressure"
    "Enthalpy""Temperature"
    "Entropy""InternalEnergy"
    "Entropy""Pressure"
    "Entropy""Temperature"
    "InternalEnergy""Pressure"
    "InternalEnergy""Temperature"
    "Pressure""Quality"
    "Pressure""Temperature"
    "Quality""Temperature"
  • パラメータの値はAssociationとして与えることもできる.
  • ThermodynamicData["name"]は,すべての特性を標準温度と標準圧力における値とともに返す.ThermodynamicData["name",{parameter1quantity1,parameter2quantity}]は,与えられたパラメータを使って値を計算してすべの特性を返す.
  • サポートされている物質の一般的な英語名は"property" "Name"を使って求めることができる.
  • パラメータに依存する特性
  • "AdiabaticBulkModulus"断熱圧縮についての体積弾性率
    "AdiabaticCompressibility"定エントロピーでの体積変化率
    "B12"混合第2ビリアル係数
    "ChemicalPotentials"量の変化によるギブズ自由エネルギーの変化
    "CompressibilityFactor"理想気体の挙動からの補正係数
    "Density"密度
    "DerivativeOfPressureWithRespectToDensityAndTemperature"密度と温度についての圧力微分
    "DielectricConstant"誘電率と真空の誘電率の比
    "DynamicViscosity"粘度
    "Enthalpy"エンタルピー
    "Entropy"エントロピー
    "ExcessEnergy"理想と現実の内部エネルギーの差
    "ExcessEnthalpy"理想と現実のエンタルピーの差
    "ExcessEntropy"理想と現実のエントロピーの差
    "ExcessGibbsFreeEnergy"理想と現実のギブズの自由エネルギーの差
    "ExcessHelmholtzFreeEnergy"理想と現実のヘルムホルツの自由エネルギーの差
    "ExcessVolume"理想と現実の体積の差
    "FirstDerivativeOfDensityWithRespectToPressure"圧力についての密度微分
    "FirstDerivativeOfDensityWithRespectToTemperature"温度についての密度微分
    "FirstDerivativeOfPressureWithRespectToDensity"密度についての圧力微分
    "FirstDerivativeOfPressureWithRespectToTemperature"温度についての圧力微分
    "FourthVirialCoefficient"第4ビリアル係数
    "GibbsFreeEnergy"ギブズの自由エネルギー
    "HelmholtzFreeEnergy"ヘルムホルツの自由エネルギー
    "InternalEnergy"内部エネルギー
    "IsenthalpicJouleThomsonCoefficient"定エンタルピーにおける圧力による温度変化
    "IsentropicExpansionCoefficient"比熱比
    "IsobaricHeatCapacity"定圧における熱容量
    "IsochoricHeatCapacity"定容積における熱容量
    "IsothermalBulkModulus"定温における体積弾性率
    "IsothermalCompressibility"定温における体積変化
    "IsothermalExpansionCoefficient"定温における圧力による膨張
    "IsothermalThrottlingCoefficient"等温絞り係数
    "MolarDensity"密度/モル容量
    "MolarEnthalpy"エンタルピー/モル容量
    "MolarEntropy"エントロピー/モル容量
    "MolarInternalEnergy"内部エネルギー/モル容量
    "MolarIsobaricHeatCapacity"定圧における熱容量/モル容量
    "MolarIsochoricHeatCapacity"定容積における熱容量/モル容量
    "MolarSpecificVolume"モル容積
    "Phase"位相
    "SecondAcousticVirialCoefficent"断熱音速の第2ビリアル係数
    "SecondDerivativeOfPressureWithRespectToDensity"密度についての圧力の二次微分
    "SecondDerivativeOfPressureWithRespectToTemperature"温度についての圧力の二次微分
    "SecondVirialCoefficient"第2ビリアル係数
    "SoundSpeed"音速
    "SpecificHeatInput"比熱入力
    "SpecificVolume"比容積
    "ThermalConductivity"熱伝導率
    "ThirdAcousticVirialCoefficent"断熱音速の第3ビリアル係数
    "ThirdVirialCoefficient"第3ビリアル係数
    "VolumeExpansivity"温度による体積膨張
  • "Enthalpy""Entropy",およびこれらのモル形式は物体の沸点におけるその値によって測られる.
  • "Phase"は,"Temperature"および"Pressure"の以外のパラメータの組合せに使うことはできない.
  • 三重点特性
  • "TriplePointGasDensity"三重点における気体密度
    "TriplePointLiquidDensity"三重点における液体密度
    "TriplePointPressure"三重点における圧力
    "TriplePointSolidDensity"三重点における固体密度
    "TriplePointTemperature"三重点における温度
  • 臨界点特性
  • "CriticalDensity"臨界点における密度
    "CriticalEnthalpy"臨界点におけるエンタルピー
    "CriticalEntropy"臨界点におけるエントロピー
    "CriticalInternalEnergy"臨界点における内部エネルギー
    "CriticalPressure"臨界点における圧力
    "CriticalTemperature"臨界点における温度
  • 位相境界特性
  • "SolidLiquidPhaseBoundary"温度あるいは圧力が与えられると,固体と液体の位相境界における対応する値を与える
    "SolidVaporPhaseBoundary"温度あるいは圧力が与えられると,固体と蒸気の位相境界における対応する値を与える
    "LiquidVaporPhaseBoundary"温度あるいは圧力が与えられると,蒸気と液体の位相境界における対応する値を与える

例題

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  (5)

標準圧力・標準温度における水のエントロピーを求める:

アンモニア中の音速を求める:

指定圧力・指定温度における空気粘度を求める:

三重点における水の位相の密度を求める:

水(液体)の密度が最大になる温度を求める:

スコープ  (8)

名前  (2)

物質名のリストを得る:

物質の一般的な英語名を求める:

特性  (3)

特性値は,任意の有効なWolfram言語の式でよい:

特性のリストを得る:

位相境界特性は欠落している熱力学座標を返す:

熱力学パラメータ  (3)

パラメータの指定には数量のリストを入力として使うことができる:

熱力学パラメータの範囲を使って物質の特性を計算する:

Associationを使って熱力学のパラメータを与えることができる:

アプリケーション  (9)

アンモニアのエントロピーと温度の関係をプロットする:

さまざまな物質について密度と温度の関係を探る:

冷たい水を温めて蒸気を発生させるために必要なエネルギーを,キロジュールを単位として求める:

物質の相図を調べる:

圧力とエントロピーの関係を示すモリエ図を構築する:

二酸化硫黄について,GibbsおよびHelmholtzの特定の自由エネルギーを求める:

定温定圧での容積曲線を求める:

これらの曲線を補間し,およびを求める:

という関係を用いて等圧熱容量を導出する:

計算と実際の値を比較する:

プランクの熱力学ポテンシャル を三次元でプロットする:

値を集める:

10モルの空気についてのスターリングサイクルを調べる:

等温膨張曲線および等温圧縮曲線を,それぞれ摂氏200度および摂氏100度で計算する:

図を作成する:

で機械的作用を計算する:

膨張および収縮における最大圧力と最低圧力を求める:

内部エネルギーの変化を計算する:

作用および内部エネルギーの変化を用いて,効率を計算する:

可能な最大カルノー効率と比較する:

考えられる問題  (6)

標準的ではない物質あるいは特性名を使ってもうまくいかない:

数量の次元は正しくなければならない:

パラメータの特定の組合せだけがサポートされている:

固体についてのデータはこの関数からは得られない:

位相境界は限られた値についてしか得られない:

Missingの項目については算術演算はできない:

演算の前にMissingの項目を削除する:

おもしろい例題  (4)

蒸気圧公式  (1)

臨界温度および臨界圧力を求める:

蒸気と液体の位相境界を求める:

位相境界の代数形を導出する:

フィットの正確さを求める:

圧力容積線図  (1)

1モルの水について考える:

臨界点付近の (圧力温度)線図を作成する:

気体と液体が共存する領域には直線が見られる.

この領域を 曲線とともに表示する:

等温線を使ってファンデルワールス(van der Waals)方程式のパラメータ および を推定する:

気体液体共存領域では,van der Waals方程式の等温線は非単調であり,不安定性あるいは非物質的な動作を表しているので,Maxwellの規則を使って置換しなければならない:

水の変動  (1)

室温・標準空気圧の大量の水があるとする.1cm^3中の水の分子のどのくらいが時間とともに変動するだろうか.

大規模正準集団内で,粒子の変動の二乗平均平方根について,の関係を導出することができる.ただし, は水の密度である:

を有限差分として計算する.変動は約450億個の水の分子に見られる:

ジュール・トムソン係数  (1)

圧縮した気体についてのジュール・トムソン(JouleThomson)係数を計算する.陰関数微分法を使ってから得られる:

偏微分は数値近似されている:

水素とヘリウムのジュール・トムソン係数は負のことがあり,膨張すると暖かくなる:

Wolfram Research (2014), ThermodynamicData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ThermodynamicData.html.

テキスト

Wolfram Research (2014), ThermodynamicData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ThermodynamicData.html.

CMS

Wolfram Language. 2014. "ThermodynamicData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/ThermodynamicData.html.

APA

Wolfram Language. (2014). ThermodynamicData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ThermodynamicData.html

BibTeX

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