TreeGame

TreeGame[{player1,action1,,actionk}]

player1の行動ノードを可能な行動 actionjで指定する.

TreeGame[Tree[playera1,{actiont1,,actiontk}]]

playera1の連想とactiontjの行動木で,Tree表記を使って行動ノードを指定する.

詳細とオプション

  • TreeGameは,展開型ゲーム,逐次手番ゲーム,ゲーム木としても知られている.
  • 木ゲームは,プレーヤーが有限個の行動を起すことができる行動ノードとゲームの終了と各プレーヤーの利得を表す終端ノードがある木として説明される.有限数のプレーヤーが交代で有限のゲーム木を生み出す可能性がある.
  • TreeGameは,通常,2人以上のプレーヤーが交互に行動する決定問題をモデル化するために使われる.例としてトランプやボードゲームが挙げられるが,市場参入,労働交渉,寡占(市場)行動等もこれに含まれる.
  • 次は,可能な行動 actionjである.
  • {playerj,action1,,actionm}playerjm 個の可能な行動 actionjがある行動ノード
    {payoff1,,payoffn}n 人のプレーヤーの利得が payoffkである終端ノード
  • 次は,行動ラベルと行動確率を含む行動ノードの追加的な情報である.
  • {playerj,,actionilabeli,}actionilabeliを使う
    {playerj,,actioniprobi,}確率 probiactioniを選ぶ
    {playerj,,actioni{labeli,probi},}ラベルと確率の両方を指定する
  • 行動ノードで確率的行動を使うときは,すべての行動にその行動ノードの確率がなければならない.
  • プレーヤーがどのノードにいるのかについて不完全な情報しかない場合にプレーヤーをモデル化する際は,同じ集合のすべての行動ノードにラベルが付けられた情報集合という概念を使う.
  • {playerjilabelk,action1,,actionm}行動ノードに ilabelkを使う
  • 使用可能な情報集合はゲームの木の同じレベルになければならない.
  • 不完全な情報の典型的な例として,他のプレーヤーの手札が分からないので自分がどのノードにいるのか分からないカードゲームが挙げられる.
  • 別のTree表記を使う.行動木には2つの形があるかもしれない.
  • Tree[<|"Player"playerj|>,{actiont1,,actiontk}]playerjm 通りの可能な行動 actionjがある行動ノード
    Tree[<|"Payoffs"{payoff1,,payoffn}|>,{}]n 人のプレーヤーの利得が payoffkである終端ノード
  • 行動ノードと終端ノードについての追加情報には,入ってくる辺を参照する行動ラベルと行動確率が含まれる.
  • "Label"label
  • 親の行動辺に label を使う
  • "Probability"prob親の辺に確率 prob を指定
  • 行動ノードで確率的行動を使うときは,すべての行動にその行動ノードの確率がなければならない.
  • 不完全な情報は行動ノードで示すことができる.
  • "InformationSet"ilab行動の木 actiontiの情報集合を指定する
  • 異なるプレーヤーが同じ情報集合を使った場合,それらは異なる情報集合として扱われる.
  • 同じプレーヤーが同じ情報内に行動数が異なるノードを持っている場合,それらは異なる情報集合として扱われる.
  • TreeGame g について,次の特性"prop"g["prop"]として追加することができる.
  • "Graph"ゲームのGraph表現
    "InformationSets"情報集合と含まれているノードの辞書
    "MatrixGame"木ゲームを行列ゲームに変換する
    "PayoffArray"ゲーム中のすべての利得値のベクトル
    "Players"プレーヤーのリスト
    "Plot"ゲームを木プロットとして表現する.TreeGamePlotを見よ
    "Rules"ゲームのRule表現
    "Summary"ゲームの基本データ
    "Tree"ゲームのTree表現
    "Validity"木ゲームの検証
  • TreeGameTreeGamePlotFindTreeGameStrategiesVerifyTreeGameStrategyTreeGamePayoff等の関数で使うことができる.

例題

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  (5)

プレーヤーが2人のゲームを作成する:

すべての行動に確率があるプレーヤーが2人のゲームを作成する:

グラフを表示する:

木を使ってプレーヤーが3人のゲームを作成する:

グラフを表示する:

各プレーヤーの行動が1つしかない,プレーヤーが3人のゲームを作成する:

それぞれの行動は同一の上昇集合の一部である:

行動の中に,確率があるもの,ラベルがあるもの,両方があるものがある,プレーヤーが2人のゲームを作成する:

グラフを表示する:

スコープ  (7)

基本的な用法  (4)

プレーヤーが2人のゲームを作成する:

各選択肢に確率があるプレーヤーが3人のゲームを作成する:

各プレーヤーの行動が1つしかない,つまり彼らの行動のそれぞれが同じ情報集合の一部である,プレーヤーが3人のゲームを作成する:

木ゲームについて考える:

すべての利得の配列について考える:

木ゲームがゼロ和かどうかを判定するために,合計利得が常に0であることを確かめる:

特性  (1)

TreeGameオブジェクトは,ゲームについての情報を与える特性を含んでいる:

"Properties"特性は使用可能な特性のリストを与える:

"Object"特性は,ゲームのオブジェクトタイプを与える:

"Summary"特性は,ゲームについての情報の簡単な要約を与える:

"NumberOfPlayers"特性は,ゲームのプレーヤー数を与える:

"NumberOfActions"特性は,ゲームの行動数を与える:

"MinMaxPayoffs"特性は,各プレーヤーの最低利得と最高利得のリストを与える:

"Tree"特性は,ゲームのTree表現を与える:

"Plot"特性は,木ゲームをデフォルトのTreeGamePlotと同じ方法でプロットする:

"MatrixGame"特性は,任意のTreeGameMatrixGameに変換する:

情報集合  (2)

2人のプレーヤーがそれぞれ1つの情報集合しか持っていない,プレーヤーが2人のゲームを作成する:

ゲームをプロットする:

片方のプレーヤーが時間を意識していない,プレーヤーが2人のゲームを作成する:

ゲームをプロットする:

オプション  (2)

ColorFunction  (2)

木ゲームのグラフと木に使う色関数を指定する:

以下で木の外観が変わる:

木ゲームのグラフと木に使う色関数を指定する:

以下で木の外観が変わる:

これは,グラフの外観も変える:

アプリケーション  (11)

歴史ゲーム  (6)

3つのカーテンの一つの後ろに賞品が隠されている.司会者のモンティ・ホール(Monty Hall)が解答者に賞品はどこに隠されているかを尋ねる.司会者は,解答者が推理した後で賞品が隠されているのではないカーテンを一つ開け,推理されたものともう一つのカーテンを閉じたままにして退場する.解答者には,最初の推理通りにするか,もう一つのカーテンを選ぶかの選択肢が与えられる.

このモンティ・ホール問題を生成する:

ゲームをプロットする:

エスカレーションゲームは次のように定義される.2国が対立状態にある.片方の国には開始するかしないかの選択肢を持ち,もう片方の国は黙従するかエスカレートするかの選択肢を持つ.第3のプレーヤーである「自然」が利得のランダムさを説明するためにしばしば使われる.このゲームは冷戦時の原子力の脅威に関連して核ゲームとも呼ばれる.

エスカレーションゲームを生成する:

木について考える:

革命ゲームは次のように定義される.植民地には現状に抵抗するかこれを認めるかの選択肢がある.支配国は独立を認めるか抵抗を鎮圧するかできる.植民地が現状を認めた場合,支配国は課税することもしないこともできる.このゲームは,通常,抵抗が鎮圧された場合の利得が不明の状態で研究される.

革命ゲームを生成する:

木について考える:

海軍配置ゲームはビスマルクの戦いゲームを敗走する師団と追撃する師団に拡張したものである.

海軍配置ゲームを生成する:

グラフを表示する:

ムカデゲームについて考える:

「2倍か無か」の増加利得でムカデゲームを生成する:

グラフを表示する:

ビール・キッシュゲームは次のように定義されるシグナリングゲームである.プレーヤーBがプレーヤーAと決闘しようかどうか考えている. BはAが弱虫か荒くれ者かは知らない.BはAが弱虫なら決闘したい.Aは決闘を避けたいと思っている.Bは決断を下す前にAが朝食にビールを飲んだかあるいはキッシュを食べたかを観察する.どちらのプレーヤーも弱虫はキッシュを好み荒くれ者はビールを好むことを知っている.第3のプレーヤーである「自然」が利得のランダムさを説明するためにしばしば使われる.さらに,プレーヤーAはしばしばシグナルの「送り手」,プレーヤーBは「受け手」と呼ばれる.

ビール・キッシュゲームを生成する:

グラフを表示する:

ボードゲーム  (2)

勝つためには隣り合ったXまたはOが必要な2x2の三目並べについて考える(例えば,

の場合はXが勝ち,
の場合は引き分けになる):

すべての利得の配列について考える:

木ゲームがゼロ和かどうか判定するために,合計の利得が常に0であることを確認する:

2005年から2015年までのイロレーティングが2200より上のチェスのトーナメントからの,名前付きのすべてのオープニングの木について考える:

利得は各プレーヤーがこれらのトーナメントで勝った試合の割合を示している.

例えば,指定されたオープニングの利得がであるなら,これはこのオープニングがあるすべてのゲームで,平均で白の勝利が で黒の勝利が であり, は引き分けだったことを示している.

木ゲームをプロットする:

経済ゲーム  (2)

参入ゲームは経済学ではよく知られており,独占を回避する動機となる.潜在的な参入者は,独占者が制御している市場に参入するかどうかを選択する.参入者が参入すると,独占者は価格戦争を始めるか市場を共有するかできる.

対応するゲームを作成する:

木を示す:

これは参入ゲームと等価である:

サブゲームの完全均衡を計算する:

小さい企業と大きい企業が同じ製品の高値と安値を選択することについて考える

対応するゲームを作る:

木を示す:

サブゲームの完全均衡を計算する:

軍事ゲーム  (1)

李広と百騎兵の伝説は,将軍が強いか弱いか不明なシグナリングゲームであり,李広は撤退するか準備するかの決断を下す必要がある.

ゲームを生成する:

戦いをプロットする:

考えられる問題  (1)

与えられた行動について,一つの選択肢に確率がある場合はすべての選択肢に確率がなければならない:

Wolfram Research (2025), TreeGame, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TreeGame.html.

テキスト

Wolfram Research (2025), TreeGame, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TreeGame.html.

CMS

Wolfram Language. 2025. "TreeGame." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/TreeGame.html.

APA

Wolfram Language. (2025). TreeGame. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TreeGame.html

BibTeX

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BibLaTeX

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