評価の制御
Wolfram言語は通常与えられた任意の式を取り,可能な限り評価する.しかし,Wolfram言語には柔軟なプリミティブの集合が組み込まれており,必要な場合に評価の処理を詳細に制御することができる.
完全な式の評価制御
Hold — 式を評価しないまま維持する
HoldForm — 式を評価しない形で表示する
Defer — 評価しないで表示するが,Wolfram言語入力として与えられた場合は評価する
関数の引数の評価制御
HoldAll,HoldFirst,HoldRest — 関数の引数を未評価で維持する設定をする属性
Evaluate — 関数の引数を即座に評価する
Unevaluated — 関数の引数を評価しないで渡す
より詳細な制御
ReleaseHold — 未評価で維持された構造を開放する
HoldComplete ▪ HoldPattern ▪ HoldAllComplete ▪ SequenceHold ▪ Update
NHoldAll,NHoldFirst,NHoldRest — 引数の数値的評価を行わないようにする
未評価の式の操作
With — 変数の値を評価しないで挿入する
Extract — 番号付けされた部分を評価しないで抽出する
ReplaceAll(/.) ▪ ReplacePart ▪ Delete ▪ Position
ToString,ToExpression — 文字列形式に,あるいは文字列形式から変換する
大域評価制御
$IterationLimit ▪ $RecursionLimit ▪ TerminatedEvaluation
リソースの制約
TimeConstrained ▪ MemoryConstrained
ノートブックにおける評価
非アクティブ式
Inactivate — 式のすべての部分を非アクティブにし,灰色で表示する
Activate — 式の部分を再びアクティブにする
Inactive — 非アクティブの式のすべてのシンボルに付けるラッパー
IgnoringInactive — パターンマッチングにおいて非アクティブラッパーを無視する
DisableFormatting — ホールドされた式がフォーマットされないようにする