AstroDistance

AstroDistance[astro]

ユーザの地理位置から現在観測されている天体 astro までの物理的距離を返す.

AstroDistance[astro,astro0]

astro0から現在観測されている天体 astro までの物理的距離を返す.

AstroDistance[astro,Dated[astro0,date]]

指定された日付に astro0から観測された astro までの物理的距離を返す.

詳細

  • AstroDistanceは,天体の中心や天球上の点のように空間を移動する特定の位置間の距離を計算する.
  • AstroDistance[astro1,astro0]の天体は天体の中心を表すEntity["Planet","Mars"]のような天文学実体として,あるいはGeoPosition[{lat,lon,h},"Mars"]Entity["SolarSystemFeature", "OlympusMonsMars"]のように天体の表面を参照する位置として,与えられる."JupiterBarycenter"のように物理的な位置を表す文字列も使うことができる.
  • AstroDistance[astro,astro0]の観測位置 astro0は太陽系内の位置でなければならないが,標的位置 astro は恒星や銀河のような深天のオブジェクトでもよい.
  • 観測の瞬間は,太陽系のBCRS座標で,AstroDistanceの第2引数によって決定され,デフォルトでは現在の瞬間であると解釈される.
  • AstroDistance[astro,astro0]では,太陽系外の astro オブジェクトについては,結果は常に天文学的,つまり,観測日に astro があった場所ではなく,光が放射された場所までの距離を与える光時間補正が行われる.
  • AstroDistance[astro,astro0]では,太陽系内の astro オブジェクトについては,結果はデフォルトで光時間補正が行われるが,AstroDistance[astro,{astro0,"LightTime""Geometric"}]を使うと幾何学的にできる.

例題

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  (3)

ユーザの地理位置から金星の中心までの現在の距離を求める:

月面上の点から観測した金星の中心までの距離を求める:

2015年から2030年までの木星と地球の中心間の距離をプロットする:

スコープ  (5)

現在の火星の中心から観測される木星の中心までの距離を求める:

上記は以下の形で表すこともできる:

金星の表面上の点から木星までの距離を求める:

中心間の距離と比較する:

現在の幾何学形状に応じて,差は金星の半径よりも小さい:

地表の場所の地理実体あるいは太陽系の特徴を表す実体を使う:

太陽と太陽系の重心間の距離を計算する:

次の100年間の距離をギガメートル,つまり百万キロメートル単位で計算する:

天体リストまでの距離を計算する:

結果はQuantityArray形式で与えられる:

Normalを使ってQuantity距離のリストに変換する:

アプリケーション  (4)

指定されたグレゴリオ年における木星の中心と地球の中心間の地理的距離を計算する関数を構築する:

2020年から2026年までの距離をプロットする:

2022年で最も近くなる瞬間を求める:

標準的なグレゴリオ暦に変換する:

次は2022年のある日 d における地球から太陽までの距離である:

地球の軌道の離心率のため,この距離は1年間にほぼ1AU振動する:

惑星の近日点は太陽に最も近くなった瞬間と定義される:

これは,2022年は1月4日の午前7時(グリニッジ標準時)頃である:

遠日点は太陽までの距離が最大になった瞬間と定義される:

これは,2022年は7月4日の午前7時(グリニッジ標準時)頃である:

織女星までの距離を求める:

太陽から観測された距離と比較する:

これは1年をかけて地球の軌道が太陽の周りを回るにつれて約1AU振動する:

星の固有運動のために太陽からの距離も時間につれて変化する:

織女星の負の動径運動によって反映されるように,距離は1年間にほぼ2.5AU減少する:

さまざまな惑星から見た現在の太陽の相対サイズを比較する:

特性と関係  (3)

AstroDistance[astro,obsrvr]AstroPosition[astro,obsrvr]["Distance"]に等しい:

AstroDistance[astro1,astro2]は光が astro1から astro2に伝播するのにかかる時間を考慮する.木星が以下の日付に火星から見える距離を計算する:

以下は光がその距離を進むのにかかる時間である:

以下は木星のその間の移動を無視した距離である:

差は1万マイルほどである:

以下は同時に火星が木星から見える距離である:

これらの結果は一致しない:

しかし,光時間補正なしの計算は一致する:

GeoPositionENUを使ってユーザ位置からプリンシペ島までのユークリッド距離を計算する:

GeoDistanceは地表における,したがってより長い距離を与える:

AstroDistanceが与えるユークリッド距離と比較する:

すべての天文補正を無効にすると完全に一致する:

Wolfram Research (2022), AstroDistance, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AstroDistance.html.

テキスト

Wolfram Research (2022), AstroDistance, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AstroDistance.html.

CMS

Wolfram Language. 2022. "AstroDistance." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/AstroDistance.html.

APA

Wolfram Language. (2022). AstroDistance. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/AstroDistance.html

BibTeX

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BibLaTeX

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