Cosh

Cosh[z]

z の双曲線余弦を与える.

詳細

  • 記号操作・数値操作の両方に適した数学関数である.
  • 特別な引数の場合,Coshは自動的に厳密値を計算する.
  • Coshは任意の数値精度で評価できる.
  • Coshは自動的にリストに縫い込まれる. »
  • CoshIntervalオブジェクトおよびCenteredIntervalオブジェクトに使うことができる. »

予備知識

  • Coshは,双曲線余弦関数である.これは,三角法を通して使われる,Cos円関数の双曲線バージョンのようなものである.これは,実数について, の面積が,単位双曲線 と交わる原点からの放射線と 軸との間の面積の2倍になるようにすることで定義される.そうすると,Cosh[α]は交点の水平座標を表す.Coshとしても定義される.ただし, は自然対数Logの底である.
  • Coshは,その引数が有理数の(自然)対数であるときは,自動的に厳密値に評価される.引数として厳密な数式が与えられると,Coshは任意の数値精度に評価されることがある.Coshを含む記号式の操作に便利なその他の演算には,TrigToExpTrigExpandSimplifyFullSimplifyがある.
  • Coshは要素単位でリストおよび行列に縫い込まれる.対照的に,MatrixFunctionを使って,平方行列の双曲線余弦(つまり,通常のベキが行列のベキで置き換えられた双曲線余弦関数のベキ級数)を与えることができる.
  • Cosh[x]は,xに近付くにつれて,指数的に増大する.Coshは,Cosによって満足されるような,ピタゴラス(Pythagorean)の恒等式に似た恒等式を満足する.双曲線正弦関数の定義は,恒等式によって,複素引数 にまで拡張される.双曲線余弦関数は完全である.つまり,複素平面の有限なすべての点において複素微分が可能である.Cosh[z]は,原点付近で級数展開 を持つ.
  • Coshの逆関数はArcCoshである.他の関連する数学関数にはSinhおよびSechがある.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (4)

数値的に評価する:

実数の部分集合上でプロットする:

複素数の部分集合上でプロットする:

0における級数展開:

スコープ  (48)

数値評価  (6)

数値的に評価する:

高精度で評価する:

出力精度は入力精度に従う:

Coshは複素数を入力として取ることができる:

Coshを高精度で効率よく評価する:

自動縫込みを使って配列の要素ごとの値を計算する:

MatrixFunctionを使って行列のCosh関数を計算することもできる:

IntervalオブジェクトとCenteredIntervalオブジェクトを使って最悪の場合に保証される区間を計算する:

Aroundを使って平均的な場合の統計区間を計算することもできる:

特定の値  (4)

固定された純粋な虚点におけるCoshの値:

無限大における値:

Coshの最小値:

最小値を の根として求める:

値を代入する:

結果を可視化する:

単純で厳密な値は自動的に生成される:

より複雑な場合は明示的にFunctionExpandを使う必要がある:

可視化  (3)

Cosh関数をプロットする:

の実部をプロットする:

の虚部をプロットする:

の極プロット:

関数の特性  (12)

Coshはすべての実数値と虚数値について定義される:

Coshは1以上のすべての実数値に達する:

複素値の領域は平面全体である:

Coshは偶関数である:

Coshは鏡特性cosh(TemplateBox[{z}, Conjugate])=TemplateBox[{{cosh, (, z, )}}, Conjugate]を有する:

Coshx の解析関数である:

Coshは非減少でも非増加でもない:

Coshは単射ではない:

Coshは全射ではない:

Coshは非負である:

特異点も不連続点も持たない:

Coshは凸である:

TraditionalFormによる表示:

微分  (3)

一次導関数:

高次導関数:

次導関数の式:

積分  (4)

Coshの不定積分:

Coshを含む三角関数の積の不定積分:

原点を中心とした区間上のCoshの定積分:

これは半分の区間の積分の2倍である:

その他の積分例:

級数展開  (4)

Seriesを使ってテイラー(Taylor)展開を求める:

の周りのCoshの最初の3つの近似をプロットする:

Coshの級数展開における一般項:

Coshのフーリエ(Fourier)級数の最初の数項:

Coshはベキ級数に適用できる:

積分変換  (2)

LaplaceTransformを使ってラプラス変換を計算する:

HankelTransform

関数の恒等式と簡約  (6)

倍角のCosh

総和のCosh

マルチアングルの式を変換する:

双曲線関数の和を積に変換する:

実変数 および を仮定して展開する:

指数関数に変換する:

関数表現  (4)

Cosを介した表現:

ベッセル(Bessel)関数を介した表現:

MeijerGによる表現:

CoshDifferentialRootとして表すことができる:

アプリケーション  (10)

双曲線を描く:

無限小変換から双曲型空間の回転行列を構築する:

相対論的なboost行列:

この行列はミンコフスキー(Minkowski)計量について直交する:

速さ η についての相対論的座標変換を構築する:

非相対論的極限:

正弦Gordon方程式の特殊解:

解を検証する:

双曲幾何学におけるピタゴラスの定理:

小さいt極限が通常のピタゴラスの定理を与える:

微分方程式を解く:

異なる方程式の解の双曲線形を求める:

のとき,小さい絶対誤差でを近似することを示す:

Cosh関数とSinh関数を使って双曲線上の点を求める:

特性と関係  (12)

Coshの基本的なパリティと周期性の特性は自動的に適用される:

双曲線関数を含む複雑な式は自動的には簡約されない:

Simplifyを使う:

逆関数で構築する:

双曲型方程式を解く:

超越方程式の根を数値的に求める:

双曲型方程式を簡約する:

積分:

積分変換:

Coshは多くの数学関数の特殊形に現れる:

Coshは数値関数である:

Coshの母関数:

Coshの指数母関数:

考えられる問題  (5)

機械精度の入力では正解を出すのに不十分である:

厳密な入力を与えると答も正確になる:

$MaxExtraPrecisionの設定値を大きくする必要があるかもしれない:

機械数の入力で高精度の結果が得られることがある:

無限大ではベキ級数は存在せず,Coshは真性特異点を持つ:

TraditionalFormでは,引数の周りに丸カッコが必要である:

おもしろい例題  (1)

複素平面上のネストした双曲型余弦関数:

Wolfram Research (1988), Cosh, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), Cosh, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "Cosh." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html.

APA

Wolfram Language. (1988). Cosh. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_cosh, author="Wolfram Research", title="{Cosh}", year="2021", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html}", note=[Accessed: 21-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_cosh, organization={Wolfram Research}, title={Cosh}, year={2021}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/Cosh.html}, note=[Accessed: 21-November-2024 ]}