FluidFlowPDEComponent

FluidFlowPDEComponent[vars,pars]

変数 vars,パラメータ pars のフローPDE(偏微分方程式)項を与える.

詳細

  • FluidFlowPDEComponentは,粘性流体の流れを,適用された力と制約条件に従ってモデル化する.
  • FluidFlowPDEComponentは,微分方程式の一部として使われる微分演算子の和を返す.
  • FluidFlowPDEComponentは,定常,時間依存,パラメトリックの解析のためのPDE成分を作成する.
  • FluidFlowPDEComponentは,流体の流れ現象を,従属変数としての速度 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"m", , "/", , "s"}, meters per second, {{(, "Meters", )}, /, {(, "Seconds", )}}}, QuantityTF]]),独立変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]]),時間変数 (単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]])でモデル化する.
  • FluidFlowPDEComponentは,2Dおよび3Dの空間次元のPDE項を作成する.
  • 定常変数 varsvars={{u[x1,,xn],v[x1,,xn],,p[x1,,xn]},{x1,,xn}}である.
  • 時間依存変数または固有モード変数の varsvars={{u[t,x1,,xn],v[t,x1,,xn],,p[x1,,xn]},t,{x1,,xn}}である.
  • FluidFlowPDEComponentが生成する異なる解析タイプのための方程式は vars の形式に依存する.
  • FluidFlowPDEComponentは,連続方程式と組み合されたベクトル値のナビエ・ストークス(NavierStokes)方程式系を作成する.
  • 体積密度 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"kg", , "/", , {"m", ^, 3}}, kilograms per meter cubed, {{(, "Kilograms", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]],流速 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"m", , "/", , "s"}, meters per second, {{(, "Meters", )}, /, {(, "Seconds", )}}}, QuantityTF]],時間 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]],粘性応力テンソル [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "Pa", pascals, "Pascals"}, QuantityTF]],圧力 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "Pa", pascals, "Pascals"}, QuantityTF]],恒等 ,本体負荷 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"N", , "/", , {"m", ^, 3}}, newtons per meter cubed, {{(, "Newtons", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]] のベクトル行列流体動力学PDE FluidFlowPDEComponentの時間依存平衡方程式は,ナビエ・ストークス方程式と連続方程式に基づく.
  • 可縮形式では,粘性応力テンソル は以下で与えられる.
  • ここで, [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"s",  , "Pa"}, second pascals, {"Pascals",  , "Seconds"}}, QuantityTF]]は動粘性係数であり,微小変形歪み速度測定値 [1/TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]]は以下で与えられる.
  • FluidFlowPDEComponentは,可縮または非可縮の流体流れのPDEモデルを,体積密度 の値の性質に応じて作成する.
  • 可縮流体動力学モデルは以下で与えられる.
  • 質量密度 の値が一定のとき,質量連続方程式は体積連続方程式 に簡約され,それにともなって粘性応力テンソルは に簡約される.
  • 非可縮流体動力学モデルは以下で与えられる.
  • 定常平衡方程式は を持つ.
  • ナビエ・ストークスモデル項は力密度(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"N", , "/", , {"m", ^, 3}}, newtons per meter cubed, {{(, "Newtons", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]])である.
  • 質量連続方程式モデル項の単位は力密度(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"kg", , "/(", , {"m", ^, 3}, , "s", , ")"}, kilograms per meter cubed second, {{(, "Kilograms", )}, /, {(, {{"Meters", ^, 3},  , "Seconds"}, )}}}, QuantityTF]])および体積連続(単位:[1/TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]])である.
  • フローは,が典型である. はレイノルズ(Reynolds)数である.
  • レイノルズ数 と定義される.ここで, [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]]は代表的長さであり, は流速である.
  • 次は,使用可能なパラメータ pars である.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "DynamicViscosity"-
  • ,動粘性係数(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"s",  , "Pa"}, second pascals, {"Pascals",  , "Seconds"}}, QuantityTF]]
  • "FluidLoad"0
  • ,体積力密度(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"N", , "/", , {"m", ^, 3}}, newtons per meter cubed, {{(, "Newtons", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]
  • "FluidDynamicsMaterialModel""Newtonian"なし
    "MassDensity"-
  • ,密度(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"kg", , "/", , {"m", ^, 3}}, kilograms per meter cubed, {{(, "Kilograms", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]]
  • "Material"-なし
    "ModelForm""Conservative"なし
    "ReynoldsNumber"-
  • "Material"が指定されると,材料定数は材料データから抽出される.それ以外の場合は,関連する材料パラメータを指定する必要がある.
  • 材料パラメータの代りにレイノルズ数 を指定することもできる.
  • デフォルトの材料モデルはニュートン流体モデルである.
  • パラメータ pars"FluidDynamicsMaterialModel"キーを指定することで代替材料モデルが指定できる.
  • 次の非ニュートン材料モデルも使うことができる.
  • 材料モデル名
    "PowerLaw"
    "Carreau"
    "Bingham-Papanastasiou"
    "Herschel-Bulkley-Papanastasiou"
  • 可縮の非ニュートン流体モデルについての粘性応力テンソル は,以下のように定義される.
  • 見かけ粘度 はせん断率 の関数である.
  • "ModelName"のモデルについての追加的な材料モデルに特有のパラメータは,"FluidDynamicsMaterialModel"-><|"ModelName"-><|...|>|>で指定できる.
  • 汎用モデルの"PowerLaw"モデル,汎用モデルは を実装する.
  • "PowerLaw"モデルには,次のパラメータを与えることができる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "PowerLawExponent"
  • ,指数
  • "MinimalShearRate",最小せん断率
    "ReferenceShearRate",基準せん断率
    "PowerLawViscosity",ベキ乗則粘度
  • 高分子流あるいは血流に有用な一般化された"Carreou"モデルは を実装する.
  • "Carreau"モデルには,次のパラメータを与えることができる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "PowerLawExponent"
  • ,指数
  • "TransitionExponent"2,指数
    "InfiniteShearRateViscosity",無限せん断率における粘度
    "Lambda",緩和時間(単位:[TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]]
    "ZeroShearRateViscosity",せん断率0における粘度
  • "Carreau"モデルも のCrossモデルに使うことができる.ただし,である.
  • 粘塑性材料に有用な"Bingham-Papanastasiou"モデルは を実装する.
  • "Bingham-Papanastasiou"モデルには,次のパラメータを与えることができる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "PlasticViscosity"
  • ,塑性粘度
  • "YieldStress",降伏応力
    "ShearRateFactor",せん断率係数
  • "PowerLaw"モデルと"Bingham-Papanastasiou"の混合である"Herschel-Bulkley-Papanastasiou"モデルは を実装する.このモデルは,ベキ乗則を用いてBinghamPapanastasiouモデルの塑性粘度 を計算する.両方のモデルのパラメータを設定することができる.
  • カスタムの見かけ粘度関数 fun は,"FluidDynamicsMaterialModel"-><|"Custom"-><|"ApparentViscosityFunction"->fun|>|>として設定できる.
  • カスタムの見かけ粘度関数 fun の関数シグネチャはfun[name_,vars_,pars_,data__]である.
  • カスタムの粘性応力テンソル関数 fun は,"FluidDynamicsMaterialModel"->funと指定することができる.
  • スタムの粘性応力テンソル関数 fun の関数シグネチャはfun[vars_,pars_,data__]である.
  • 非等温流はBoussinesq近似を使ってモデル化できる.
  • FluidFlowPDEComponent"SIBase"単位を用いる.形状はPDEと同じ単位でなければならない.
  • FluidFlowPDEComponentが連想 pars によって,keypi,pivi,]として指定されるパラメータ に依存するなら,パラメータ で置換される.

例題

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  (4)

フローPDE(偏微分方程式)モデルを定義する:

記号フローPDEを定義する:

定常フローPDEモデルをレイノルズ(Reynolds)数100で定義する:

レイノルズ数1000の駆動キャビティ内の流速と圧力について解く:

流体の速度を可視化する:

スコープ  (8)

特定の材料についてのフローPDEモデルを定義する:

フローPDEモデルを動粘性係数と質量密度で指定する:

特定の材料についてのフローPDEモデルをActivateする:

二次元,動粘性係数 ,質量密度 の記号定常流体動力学PDEを指定する:

三次元,動粘性係数 ,質量密度 の記号定常流体動力学PEDを指定する:

時間依存フローPDEモデルを定義する:

二次元,動粘性係数 ,質量密度 の記号時間依存流体動力学PDEを指定する:

質量密度 が空間あるいは時間の関数 であれば,可縮流体動力学PDEが生成される:

質量密度 が一定なら,非圧縮性の流体動力学PDEが生成される:

アプリケーション  (3)

定常解析  (1)

箱の上部で流れが駆動されるキャビティ内の速度と圧力について解く:

流体の速度を可視化する:

非ニュートン流動  (1)

ベキ乗則流体流れモデルを使って開水路における非ニュートン流動の流量を計算する.

領域を設定する:

変数,流量パラメータ,指数およびベキ乗則粘度のパラメータの非ニュートンベキ乗法則を設定する:

流入プロファイル{1/2,0},流出圧力0でPDEを解く.かべは滑り止め壁として設定されている:

領域の速度を可視化する:

水路の中央から上部までの流れのプロファイルを1にスケールしてプロットする:

時間依存解析  (1)

時間依存駆動キャビティ問題を解く.

箱の上部の流速を上げる補助関数を作成して可視化する:

PDEを設定する:

境界条件を設定する:

初期条件を設定する:

解の過程をモニターし,PDEを解くのにかかる時間を測定する:

さまざまな時間についての速度場のラスタライズした枠を可視化する:

Wolfram Research (2024), FluidFlowPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FluidFlowPDEComponent.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2024), FluidFlowPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FluidFlowPDEComponent.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2024. "FluidFlowPDEComponent." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/FluidFlowPDEComponent.html.

APA

Wolfram Language. (2024). FluidFlowPDEComponent. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FluidFlowPDEComponent.html

BibTeX

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BibLaTeX

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