NullSpace

NullSpace[m]

行列 m の零空間の基底を形成するベクトルのリストを与える.

詳細とオプション

  • NullSpaceは,数値的および記号的な行列に機能する.
  • 次のオプションを与えることができる.
  • MethodAutomatic使用するアルゴリズム
    Modulus 0使用すべき法とする整数
    ToleranceAutomatic使用する数値許容度
    ZeroTestAutomatic行列の要素を零とみなすかどうかを判別する関数
  • NullSpace[m,Modulus->n]は,整数行列モジュロ n の零空間を見出す.
  • NullSpace[m,ZeroTest->test]は,test[m[[i,j]]]を評価して行列の要素がゼロであるかどうかを定める.
  • Methodオプションの設定可能な値は"CofactorExpansion""DivisionFreeRowReduction""OneStepRowReduction"である.デフォルト設定のAutomaticでは,与えられた行列によってこれらのメソッドを使い分ける.

例題

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  (3)

3×3行列の零空間を求める:

ベクトル上のmのアクションは零ベクトルである:

記号行列の零空間:

m倍すると零ベクトルになることを確かめる:

矩形行列の零空間を計算する:

返されたどちらのベクトルも零空間にあることを確かめる:

スコープ  (13)

基本的な用法  (8)

機械精度行列の零空間:

複素行列の零空間:

厳密行列の零空間:

任意精度行列の零空間:

零空間を記号的に求める:

非正方行列の零空間:

大きい数値行列の零空間は効率的に計算される:

有限体の元を含む行列の零空間:

特殊行列  (5)

疎な行列の零空間:

構造化行列の零空間:

IdentityMatrix[n]は常に空の零空間を持つ:

IdentityMatrix[{m,n}]の零空間は空ではない:

HilbertMatrixの零空間を計算する:

次数の一変量多項式の行列の零空間を計算する:

オプション  (1)

Modulus  (1)

mは0から4までの整数の3×3ランダム行列である:

5を法とした演算で零空間を計算する:

ベクトルは5を法とした零空間にある:

アプリケーション  (12)

スパンと線形独立  (5)

次の3つのベクトルは線形独立ではない:

したがって,行がベクトルである行列の零空間は非空である:

次の3つのベクトルは線形独立である:

したがって,行がベクトルである行列の零空間は空である:

次のベクトルが線形独立かどうかを判定する:

ベクトルから形成された行列は非空の零空間持つので線形独立ではない:

次の行列の列空間の次元を求める:

零空間が空なので,この列空間の次元は列数に等しい:

次のベクトルでスパンされた部分空間の次元を求める:

ベクトルで形成された行列の階数は3なので,これが部分空間の次元になる:

方程式の解法と可逆性  (7)

次の方程式系が一意解を持つかどうかを判定する:

系を行列形式に書き換える:

係数行列 は空の零空間を持つので,系は一意解を持つ:

Solveを使って結果を確かめる:

は非空の零空間を持つ3×3特異行列である:

について解 を求める:

すべての解が で与えられる.ただし,は零空間にある任意のベクトルである:

次の行列に逆行列があるかどうかを判定する:

零空間は自明ではないので,この行列は可逆ではない:

Inverseを使って結果を確かめる:

次の行列が非零の行列式を持つかどうかを判定する:

零空間は空なので,行列式は非零でなければならない:

Detを使って結果を確認する:

の零空間が自明ではないなら の固有値である.行列は,多重度が の零空間の次元よりも大きい固有値を持つなら不完全である.次の行列 の固有値がであることを示す:

Eigenvaluesを使って結果を確認する:

2が2回現れるのに固有値は1次元なので行列 は不完全である:

Eigensystemで結果を確かめると固有ベクトルのリストが0で充填されていることで不完全さが示される:

次の行列の固有ベクトルの基底を求める:

まず,固有値を計算する:

一意の各固有値について零空間を求める:

JoinApplyを使って2つの1次元空間と1つの2次元空間を組み合せる:

Eigenvectorsを使って結果を確認する:

10×10 01のランダムな可逆行列の割合を推定する:

特性と関係  (8)

の零空間の要素の線形結合 について, は0を与える:

階数・退化次数の定理によると,零空間の次元は列数引くMatrixRank[m]である:

正方行列では,Det[m]!=0のときかつそのときに限って m は自明の零空間を持つ:

正方行列では,m は階数が最高のときかつそのときに限って自明の零空間を持つ:

正方行列では,m は逆行列を持つときかつそのときに限って自明の零空間を持つ:

正方行列では,mLinearSolve[m,b]が一般的な b の解を持つときかつそのときに限って零空間を持つ:

行列 の零空間の次元はその退化次数 としても知られている:

2つの正方行列の積の退化次数はSilvesterの退化次数の法則を満足する:

この場合は,逆順の積は異なる退化次数を持つ:

しかし,こちらも上記の法則を満足する:

正方行列 m の零空間はRowReduceを使って計算できる:

恒等行列で拡張された行列に対して行の削減を行う:

行の拡張された半分に先頭の1があるならその半分は零空間にある:

NullSpaceを使って零ベクトルを得る:

たとえベクトルは等しくなくても,それらは同じベクトル部分空間の基底である:

Wolfram Research (1988), NullSpace, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NullSpace.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), NullSpace, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NullSpace.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "NullSpace." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/NullSpace.html.

APA

Wolfram Language. (1988). NullSpace. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/NullSpace.html

BibTeX

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