OrthogonalMatrix

OrthogonalMatrix[omat]

直交行列 omat を構造化配列に変換する.

詳細とオプション

  • 直交行列は,構造化配列として表されるときは,指定が便利にでき,InverseLinearSolve等のより効率的な操作が可能になる.
  • 直交行列を含む行列の分解には,QR分解,Hessenberg分解,Schur分解,固有値分解がある.
  • 直交行列 の列ベクトル は正規直交なので,v_i.v_j=TemplateBox[{{i, ,, j}}, KroneckerDeltaSeq]である.
  • 正方直交行列 は,転置がその逆行列と等しい行列である.つまり,この行列は TemplateBox[{V}, Transpose]=TemplateBox[{V}, Inverse]という関係を満足する.
  • 正方直交行列の逆行列もまた直交行列である.
  • 次元 p×q の行列 は,pqTemplateBox[{V}, Transpose]Vq×q の恒等行列であるか,pqVTemplateBox[{V}, Transpose]p×p の恒等行列であるなら直行行列である,
  • 直交行列は行列の乗算の下で閉じているので,もまた直交行列である.
  • OrthogonalMatrix sa については sa["prop"]で以下の特性"prop"にアクセスできる.
  • "Matrix"完全配列として表される直交行列
    "Properties"サポートされる特性のリスト
    "Structure"構造化配列の型
    "StructuredData"構造化配列に保存されている内部データ
    "StructuredAlgorithms"構造化配列について特別なメソッドを持つ関数のリスト
    "Summary"Datasetとして表される要約情報
  • Normal[OrthogonalMatrix[]]は直交行列を通常の行列として与える.
  • OrthogonalMatrix[,TargetStructure->struct]は直交行列を struct で指定された形式で返す.以下は使用可能な設定である.
  • Automatic返す表現を自動的に選択する
    "Dense"行列を密な行列として表す
    "Structured"行列を構造化配列として表す
  • OrthogonalMatrix[,TargetStructureAutomatic]OrthogonalMatrix[,TargetStructure"Structured"]に等しい.

例題

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  (1)

直交行列を構築する:

その要素を表示する:

NormalOrthogonalMatrixをその通常の表現に変換できる:

スコープ  (5)

等長変換(反射と回転)に相当する行列は直交行列である:

実数の反射行列は直交行列であり対称行列でもある:

複素直交行列:

この行列は直交行列だがユニタリ行列ではない:

矩形直交行列:

その転置もまた直交行列である:

OrthogonalMatrixオブジェクトは行列についての情報を与える特性を含んでいる:


"Summary"特性は行列についての情報の簡単な要約を与える:

"StructuredAlgorithms"特性は構造化アルゴリズムを持つ関数を列挙する:

オプション  (1)

TargetStructure  (1)

直交行列を密な行列として返す:

直交行列を構造化配列として返す:

アプリケーション  (5)

CircularRealMatrixDistributionから導かれた行列は直交行列である:

回転行列:

直交行列はTemplateBox[{}, Reals]^n上で標準的な内積を保持する.表現を変えるなら, が直交行列で がベクトル行列なら である:

つまり,ベクトル間の角度は変化しない:

ノルムは内積からくるので,ノルムもまた保持される:

任意の直交行列は回転および/または反射を表す.行列の行列式がなら,これは純粋な回転である.行列式がなら,この行列は反射を含む.次の行列について考える:

行列式はである:

つまり,これは純粋な回転である.デカルト単位ベクトル は相対的な位置を保持している:

次の行列は直交行列だがその行列式はである:

したがって,この行列は反射を含む.デカルト単位ベクトル は相対的な位置が反転する:

直交行列は多くの行列分解で重要な役割を果たす:

行列 は常に任意の非零の実ベクトル について直交である:

はハウスホルダー(Householder)反射と呼ばれる.反射であるので,行列式はである:

これは, と垂直な平面を通した反射を表し, に送る:

と垂直な任意のベクトルは によって変化しない:

行列計算において,は指定された列ベクトル の選択された成分を0に設定するために使用される:

特性と関係  (1)

OrthogonalMatrixの転置は元の行列の逆行列に等しい:

Wolfram Research (2024), OrthogonalMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/OrthogonalMatrix.html.

テキスト

Wolfram Research (2024), OrthogonalMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/OrthogonalMatrix.html.

CMS

Wolfram Language. 2024. "OrthogonalMatrix." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/OrthogonalMatrix.html.

APA

Wolfram Language. (2024). OrthogonalMatrix. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/OrthogonalMatrix.html

BibTeX

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BibLaTeX

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