StateSpaceTransform

StateSpaceTransform[sys,{p,q}]

行列 p および q を使って状態空間モデル sys を変換する.

StateSpaceTransform[sys,{{x1p1[z],},{z1q1[x],}}]

変数変換{x1p1[z],}および{z1q1[x],}を使って変換する.

詳細とオプション

  • StateSpaceTransformは状態変数が変換されている,変換されたモデルを返す.変換は相似変換,同値変換あるいは制約のある同値変換でよい.
  • sys は,標準あるいはディスクリプタのStateSpaceModelAffineStateSpaceModelあるいはNonlinearStateSpaceModelである.
  • 標準のStateSpaceModel[{a,b,c,d}]の場合,変換前と変換後の系は変換 によって関連しており,対応する方程式は以下によって与えられる.
  • 一般に,pq は逆の関係にあり,その場合,変換は相似変換である.pq の次のデフォルトが標準的なStateSpaceModel変換に使われる.
  • p または {p,Automatic}{p,Inverse[p]}
    {Automatic,q}{Inverse[q],q}
  • ディスクリプタStateSpaceModel[{a,b,c,d,e}]については,変換前と変換後の系は変換 によって関連付けられており,対応する方程式は以下によって与えられる.
  • 一般に,p および q は可逆行列であるが,変換が同値変換になる逆行列ではない.ディスクリプタStateSpaceModel変換には次のデフォルト値が使われる.
  • p または {p,Automatic}{p,IdentityMatrix}
    {Automatic,q}{IdentityMatrix,q}
  • ヤコブ行列D[p[z],{z}]j によるAffineStateSpaceModel[{a,b,c,d},x]およびNonlinearStateSpaceModel[{f,g},x,u]では,変換前の系と変換後の系は変換 によって関連付けられており,対応する式は以下によって与えらる
  • 一般に,p[z]q[x]は逆の関係にある.その場合,変換は微分同相写像である.
  • {{x1->p1[z],},{z1,}}必要であれば q[x]が計算される
    {Automatic,{z1->q[x],}}p[z]が計算される
  • 変数変換行列{p,q}が与えられた場合,結果の系は入力と同じタイプである.非線形状態空間モデルの場合,これらは変換規則{{x1->p1.z,},{z1->q1.x,}}を表すとみなされる.
  • 変数変換規則{{x1->p1[z],},}が与えられた場合,結果の系は常にAffineStateSpaceModelまたはNonlinearStateSpaceModelである.
  • StateSpaceTransformはオプションDescriptorStateSpaceを取る.

例題

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  (1)

相似変換

行列のペアを使う:

スコープ  (15)

線形変換  (10)

相似変換

行列のペアを指定する:

変換を として指定する:

ディスクリプタ系についての相似変換

ディスクリプタ系についての同値変換

対応する行列ペアの指定:

状態方程式に行列 q を左側から掛けた同値ディスクリプタ系を得る:

新たな状態は本質的にもとの状態,すなわち である:

ディスクリプタ系では,可逆な p および q を伴う変換は同値系を与える:

もとの系:

非可逆的な p あるいは q は,等価性が制限された系を与える:

線形離散時間系は行列変換では連続時間系と同じような動作をする:

に従ってAffineStateSpaceModelを変換する:

新変数 z によって変換を指定する:

変換を として指定する:

変数を使う:

変換とその逆変換を指定する:

に従ってNonlinearStateSpaceModelを変換する:

新変数 z によって:

逆変換によって:

変換とその逆変換:

正規直交行列については,TransposeAutomaticあるいはInverseの代りに用いることができる:

非線形変換  (5)

StateSpaceModelの非線形変換:

AffineStateSpaceModelの非線形変換:

NonlinearStateSpaceModelの非線形変換:

非線形変換とその逆変換を指定する:

非線形変換の逆変換は,操作点が指定されている場合にのみ必要とされる:

一般化と拡張  (2)

非正方直交行列は部分系を選ぶ:

対応する行列ペア:

非線形変換については,分割された逆指定が部分系を選ぶ:

完全な系:

オプション  (1)

DescriptorStateSpace  (1)

標準StateSpaceModelをディスクリプタ系として扱う:

これは,明示的なディスクリプタ指定と同じ結果を与える:

逆変換でも同様の結果が得られる:

アプリケーション  (6)

単一入力系の可制御同伴形を得るための関数:

単一出力系の可観測同伴形を得るための関数:

状態を並べ替える:

単純な振り子のモデルを,直交座標から極座標に変換する:

直交座標のモデル:

極座標のモデル:

直接球積(dq)変換を,永久磁石ステッピングモーターモデルに適用する:»

dq変換を電流 および に適用する:

dq変換を入力電圧にも適用する:

モーターの航空機方程式を機体から翼の座標に変換する:

特性と関係  (8)

出力応答は,相似変換の下では不変である:

同様の系は等しい変換関数を持つ:

固有値(したがって安定性)は相似変換の下では不変である:

可制御性と可観測性は相似変換の下では不変である:

ハンケル特異値 は相似変換の下では不変である:

系のモデルの分解はすべて状態変換を使う:

ControllabilityMatrixに基づいたControllableDecomposition

ObservabilityMatrixに基づいたObservableDecomposition

ObservabilityGramianに基づいたInternallyBalancedDecomposition

JordanDecompositionに基づいたJordanModelDecomposition

KroneckerModelDecomposition

座標変換を使った線形化はStateSpaceTransformの使用にも関連している:

状態変換はフィードバック線形化の中間ステップである:

フィードバックを適用し,次に状態変換を適用して変換された系を得る:

特性"TransformedSystem"は同じ結果を与える:

考えられる問題  (2)

変換行列は正規直交または可逆でなければならない:

次は正規直交でも可逆でもない:

逆変換の解が複数ある場合は,そのうちの1つだけが選ばれる:

逆変換の解が3つある:

所望のものを選ぶ:

Wolfram Research (2010), StateSpaceTransform, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/StateSpaceTransform.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), StateSpaceTransform, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/StateSpaceTransform.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "StateSpaceTransform." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/StateSpaceTransform.html.

APA

Wolfram Language. (2010). StateSpaceTransform. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/StateSpaceTransform.html

BibTeX

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BibLaTeX

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