DrazinInverse
正方行列 m の一般化された逆行列 を求める.
詳細とオプション
- 正方行列 m のDrazin逆行列は,m の不変部分空間に基づく一般化された逆行列である.
- Drazin逆行列は,Moore–Penrose逆行列が一般化された逆行列であるように,一般化された逆行列である.しかし,Drazin逆行列は不変部分空間を扱い,固有値問題,微分方程式および差分方程式の解等と関連しているのに対し, Moore–Penrose逆行列は最小二乗問題を扱い,フィッティング,特異値分解,近似等と関連がある.
- DrazinInverse[m]は として計算することができる.ただし,{t,c,n}はCoreNilpotentDecomposition[m]によって返されたリストである. »
- Drazin逆行列 は と の関係を満足する. »
- 行列のベキ零指標 は零固有値に対応する最大ジョルダン(Jordan)ブロックのサイズとして定義される.Drazin逆行列 は関係 を満足する.ただし, は m のベキ零指標である. »
- 正則正方行列 m について,Drazin逆行列 は標準的な逆行列に等しい.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (3)
スコープ (10)
基本的な用法 (6)
特殊行列 (4)
IdentityMatrixはそれ自体のDrazin逆行列である:
アプリケーション (3)
と はどちらも特異なので,この方程式は標準形 にはできない:
DSolveValueが与える結果と比較する:
特性と関係 (8)
DrazinInverseは可逆行列についてはInverseと同じである:
DrazinInverse[m]は と の関係を満足する:
PseudoInverseとは異なり,必ずしも である訳ではない:
ムーア・ペンローズ(Moore–Penrose)方程式[詳細]を満足する必要もない:
DrazinInverseは,行列随伴のもとでは可逆である,すなわち:
DrazinInverseはCoreNilpotentDecompositionで計算できる:
DrazinInverse[m]は,対角行列 m について非零の要素が反転された対角行列である:
JordanDecomposition[m]で与えられたジョルダン行列 について考える:
DrazinInverseは対角要素が0のブロックを0にマップし,他のブロックをその逆数にマップする:
DrazinInverse[m]は という関係を満足する.ただし,k は m の指標である:
PseudoInverseはDrazinInverseによって と表すことができる:
テキスト
Wolfram Research (2021), DrazinInverse, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DrazinInverse.html.
CMS
Wolfram Language. 2021. "DrazinInverse." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/DrazinInverse.html.
APA
Wolfram Language. (2021). DrazinInverse. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DrazinInverse.html