GaussianMatrix
半径 r のガウス(Gauss)カーネルに相当する行列を与える.
GaussianMatrix[{r,σ}]
半径 r,標準偏差 σ のガウスカーネルに相当する行列を与える.
GaussianMatrix[r,{n1,n2}]
ガウス行列の行に関しては n1次の導関数から,列に関しては n2次の導関数から形成される行列を与える.
GaussianMatrix[r,{{n11,n12},{n21,n22},…}]
ni1導関数と ni2導関数の和から形成される行列を返す.
GaussianMatrix[{{r1,r2,…},σ},…]
第 i 指標方向で半径 riのガウスカーネルに相当する配列を与える.
詳細とオプション
- GaussianMatrix[r]は中心からの指標位置 でを近似する値を与える.ただし,σ=r/2である.
- デフォルトで,GaussianMatrix[r]の要素の和は1である.
- GaussianMatrix[…,{n1,n2}]は,デフォルトで,離散導関数を有限差分として構築する.
- GaussianMatrix[r,{{2,0},{0,2}}]はLOG(Laplacian-of-Gaussian)変換から形成される行列を返す.
- GaussianMatrix[{Automatic,σ,f},…]は,各方向にガウス行列の離散積分に対して少なくとも f の割合を含むのに十分な大きさの行列を構築する.
- r,σ,f の任意のものが,異なる方向に異なる値を指定するリストになることができる.
- 整数 r について,GaussianMatrix[r,…]は×行列を返す.
- 非整数 r について,r の値は事実上整数に丸められる.
- 指定可能なオプション
-
Method "Bessel" 行列要素の決め方 Standardized True 切断を考慮するために行列を再スケールしたりシフトしたりするかどうか WorkingPrecision Automatic 行列要素の計算に使う精度 - Methodオプションの使用可能な設定値には"Bessel"と"Gaussian"がある.
- デフォルトのオプション設定のMethod->"Bessel"では,GaussianMatrix[r]はに比例する要素を持ち,最適な離散たたみ込み特性を持つカーネルを返す.
- Method->"Bessel"では,ガウスの導関数は有限差分演算子で得ることができる.GaussianMatrix[{r,}]は有限差分方程式を満足する.
- Method->"Gaussian"では,GaussianMatrix[r]は生の連続的な関数形に比例する要素を持つ.
- Method->"Gaussian"では,ガウスの導関数は関数形式の偏導関数に比例する.GaussianMatrix[{r,}]は微分方程式 をほぼ満足する.
- Standardized->Trueとすると,比例因子によってGaussianMatrix[r]の要素の和が1になることが確かになる.しかし,少なくとも1つの非零要素 niを含むGaussianMatrix[r,{n1,n2,…}]の要素の和は0になり,各方向に原点から niのベキ乗までの距離の倍で重みを付けた要素の和は1になる.
- Standardized->Falseとすると比例因子は使われない.
予備知識
- GaussianMatrixは,ガウス分布に従う行列を返すコンストラクタ関数である.このような行列は,平滑化あるいは画像の導関数を取るためのたたみ込みにおけるカーネルとして使われることが多い.
- 関数ImageConvolveを使ってガウス行列カーネルを使った画像のたたみ込みを行うことができる.平滑化カーネル行列あるいは導関数カーネル行列を作成するその他の関数に,ShenCastanMatrixおよびSavitzkyGolayMatrixがある.非平滑化カーネルもまた画像の平滑化に使えることに注意のこと.この目的でよく使われるバイナリカーネルにはDiskMatrix,DiamondMatrixおよびその他の同様の関数がある.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (6)
一般化と拡張 (4)
オプション (10)
Method (4)
Standardized (5)
テキスト
Wolfram Research (2008), GaussianMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/GaussianMatrix.html (2015年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2008. "GaussianMatrix." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2015. https://reference.wolfram.com/language/ref/GaussianMatrix.html.
APA
Wolfram Language. (2008). GaussianMatrix. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/GaussianMatrix.html