Grad

Grad[f,{x1,,xn}]

勾配を与える.

Grad[f,{x1,,xn},chart]

勾配を座標 chart で与える.

詳細

  • Gradは,累乗された共変微分としても知られている.
  • Grad[f,x]xf で入力することができる.記号 delまたは\[Del]とタイプする.変数 x のリストは下付き文字として入力する.
  • 空のテンプレート gradと入力する.を使ってカーソルを下付き文字から移動することができる.
  • 指定された変数に明示的には依存しない数量はすべて,偏導関数が0であると考えられる.
  • f が次元{n1,,nk}の配列の場合,Grad[f,{x1,,xm}]は次元{n1,,nk,m}の配列を与える.
  • f がスカラーの場合,Grad[f,{x1,x2,,xn},chart]chart に関連する正規直交基底でベクトルを返す.
  • Grad[f,{x1,,xn},chart]では,f が配列の場合,その次元は{n,,n}でなければならない.f の成分は chart に関連する正規直交基底にあると解釈される.
  • Grad[f,{x1,,xn},chart]は,ユークリッド空間における座標グラフについては f をデカルト座標に変換して通常の勾配を計算し,chart に変換し直すことで計算できる. »
  • Gradの主要な特性に,chart が正規直交基底で表現された測定値 g で定義付けられるなら,Grad[g,{x1,,xn]},chart]はゼロを与えるというものがある. »
  • Gradの第3引数にある座標チャートは,CoordinateChartDataの第1引数におけるのと同じように,トリプル{coordsys,metric,dim}で指定することができる.dim を省略した短縮形を使うこともできる.
  • Grad[f,VectorSymbol[]]は,ベクトル記号についての勾配を計算する. »
  • GradSparseArrayオブジェクトおよび構造配列オブジェクトに使うことができる.

例題

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  (4)

三次元直交座標の勾配:

三次元円柱座標に正規直交基底を使った勾配:

二次元の勾配:

del を使って を, を使って下付き文字にした変数のリストを入力する:

grad を使ってテンプレート を入力し, を使って入力間を行き来する:

スコープ  (8)

直交座標のベクトル場の勾配,ヤコビ行列:

スカラー関数のヘッシアンを計算する:

曲線座標系では,一定の成分を持つベクトルの勾配が非零になることがある:

測定基準,座標系,パラメータを指定する勾配:

Gradは曲がった空間に使うことができる:

ノルム TemplateBox[{"x", n, TemplateBox[{}, Reals]}, VectorSymbol3]TemplateBox[{"x", n, TemplateBox[{}, Reals]}, VectorSymbol3] についての勾配は TemplateBox[{"x", n, TemplateBox[{}, Reals]}, VectorSymbol3] 方向の単位ベクトルである:

TemplateBox[{"x", n, TemplateBox[{}, Reals]}, VectorSymbol3] のそれ自身についての勾配はSymbolicIdentityArray[{n}]である:

座標のそれ自身についての勾配:

これは n 次元の恒等行列である:

n 次元におけるノルムの勾配:

3次元における結果に特化する:

アプリケーション  (4)

ポテンシャル関数から力を計算する:

2変数の関数の極値点を求める:

とヘッセ(Hesse)行列式の符号を計算する:

2番目の導関数検定から,最初の2点(プロット中の赤と青の点)は最小値で3番目の点(プロット中の緑の点)は鞍点である:

3変数関数の臨界点を求める:

f のヘッセ行列を計算する:

臨界点の固有値がすべて同符号のとき,その点は極小値である.正の値と負の値がある場合は鞍点である:

第3と第4の点の固有値はどちらも正なので,これらの点は極小値であり,最小値はこれら2点で f を評価することで決定することができる:

この関数については,任意の3臨界点は線形従属であり,すべてが単一の平面上にある:

この平面の法線を計算する:

極小値を緑,極値ではない臨界点を赤くして,この関数を可視化する:

ベクトル値関数の原点における勾配を6次まで計算する:

原点における関数と最初の3つの導関数の値を見る:

f のマクローリン(Maclaurin)級数の3次多項式を手計算で求める:

マクローリン級数の6次多項式をプログラムを使って計算する:

特性と関係  (6)

Grad[f,vars]は事実上D[f,{vars}]と等価である:

Gradは新たな最内部次元に対応する新たなテンソルスロットを最後に加える:

冒頭に新たなスロットを加える場合は,Transposeを使って最初と最後のスロットを入れ替える:

これは配列の方向導関数を使う際に意味を持つ:

ユークリッド座標グラフ cGradを計算する.計算のために一度デカルト座標に変換し,計算後に再びユークリッド座標に変換し直す:

結果は直接Grad[f,{x1,,xn},c]を計算した場合と同じである:

直交座標においてのみ,配列の勾配は配列の成分の勾配に等しい:

chart が正規直交座標で表現されている測定値 g で定義されるなら,Grad[g,{x1,,xn},chart]はゼロである:

GradStructuredArrayオブジェクトの構造を保つ:

勾配は追加的な次元を持つが,対称性は入力と同じである:

インタラクティブな例題  (2)

関数のレベル等高線の法線ベクトルは関数の正規化された勾配に等しい:

点の法線を表示するインタラクティブな等高線プロットを作る:

スカラー関数の勾配についての式をさまざまな座標系で見る:

Wolfram Research (2012), Grad, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Grad.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), Grad, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Grad.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "Grad." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/Grad.html.

APA

Wolfram Language. (2012). Grad. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Grad.html

BibTeX

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BibLaTeX

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