IsotopeData
IsotopeData[{Z,A},"property"]
原子番号 Z,質量数 Aの同位体の指定された特性の値を返す.
IsotopeData["name","property"]
指定された名前の同位体の特性の値を返す.
詳細
- 同位体名は対応する元素名あるいはその省略形に質量数 A を付けて(例として"Sodium23","Na23"が挙げられる)で指定することができる.{"name",A}という形も使うことができる.
- IsotopeData[]は,既知の同位体すべてのリストを返す.
- IsotopeData[{Z,A}]は同位体名を返す.
- IsotopeData["name"]またはIsotopeData[Z]は,指定された名前または原子番号の元素の既知の同位体すべてのリストを返す.
- 指定された Z, A の同位体が存在しない場合,IsotopeData[{Z,A}]Missing["Unknown"]を返す.
- IsotopeData["Properties"]は同位体に使用できる全特性のリストを返す.
- 特定の場合について適用されない,あるいは未知の特性はMissing[…]で示される.
- 特定の精度までしか分からない数値は一般にその精度のタグが付けられ,任意精度の形式で返される.
- 基本同位体特性
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"AtomicMass" 原子質量単位での同位体の質量 "AtomicNumber" 原子番号 "BindingEnergy" 結合エネルギー "IsotopeAbundance" 相対的な同位体の存在量 "MassExcess" 質量超過 "MassNumber" 質量数 "NeutronNumber" 中性子の数 "QuantumStatistics" ボース粒子には,フェルミ粒子には - 量子数および構造特性
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"MagneticMoment" 核磁子における磁気モーメント "Parity" パリティ "QuadrupoleMoment" 電気四極子モーメント(バーン) "Spin" スピン - 崩壊関連特性
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"BranchingRatios" 各崩壊方式の分岐比 "DaughterNuclides" 各方式の最終娘核種 "DecayEnergies" 各方式の崩壊エネルギー (keV) "DecayModes" 観測された崩壊方式のリスト "DecayModeSymbols" 観測された崩壊方式の標準的な記号 "DecayProducts" すべての最終的な崩壊生成物と分岐割合のリスト "HalfLife" 崩壊半減期 (秒) "Lifetime" 崩壊寿命 (秒) "MolarRadioactivity" 1モルあたりの放射能 "SpecificRadioactivity" 特殊な放射能 "Stable" 同位体が安定しているかどうか "Width" 崩壊幅 (MeV) - 崩壊方式表示の例には"AlphaDecay","BetaDecay","BetaPlusDecay","ProtonEmission","NeutronEmission","SpontaneousFission","ElectronCapture","Delayed"がある.「遅延」崩壊モード指定は中間の励起状態の存在を示す.
- 通常の崩壊関連特性は最終的な基底崩壊生成物しか含まない.
- 励起状態特性
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"ExcitedStateEnergies" エネルギーkeVのリスト "ExcitedStateHalfLives" 崩壊半減期(秒)のリスト "ExcitedStateLifetimes" 崩壊寿命(秒)のリスト "ExcitedStateParities" パリティのリスト "ExcitedStateSpins" スピンのリスト "ExcitedStateWidths" 崩壊幅のリスト (MeV) - 名前関連特性
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"FullSymbol" 省略の完全形 "Name" 完全なテキスト名(例:"helium 4") "StandardName" 標準的なWolfram言語による名前(例:"Hydrogen3") "Symbol" 標準的な省略形 - IsotopeData["class"]は,指定クラスの同位体のリストを返す.IsotopeData[name,"class"]は,name に対応する元素が指定クラスにあるかどうかによってTrueまたはFalseを返す.
- 同位体のクラス
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"AlphaDecay" 崩壊による崩壊 "BetaDecay" 崩壊による崩壊 "BetaPlusDecay" 崩壊による崩壊 "Boson" ボーズ・アインシュタイン(Bose-Einstein)量子統計に従う "ElectronCapture" 電子捕獲による崩壊 "Fermion" フェルミ・ディラック(Fermi-Dirac)量子統計に従う "NeutronEmission" 中性子放射による崩壊 "ProtonEmission" 陽子放射による崩壊 "SpontaneousFission" 自発核分裂による崩壊 "Stable" 放射性崩壊の面で安定 "Unstable" 放射性崩壊の面で不安定 - IsotopeData["name","property","ann"]は特性に関連したさまざまな注釈を返す.以下は,よく使われる注釈の例である.
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"Description" 特性の短いテキスト表記 "Interval" Interval[…]で与えられる不確実性の範囲 "LongDescription" 特性の長めのテキスト表記 "Note" 特性に関する追加情報 "Units" 返される値の単位 "UnitsName" 使用単位の英語名 "UnitsNotation" 使用単位の表記法 "UnitsStandardName" 使用単位のWolfram言語における標準名 "Value" 特性値(特に注記が指定されていない場合はデフォルト)
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (17)
名前とクラス (8)
特性と注釈 (5)
不確実性はIntervalを使って表される:
アプリケーション (5)
特性と関係 (8)
Tableを使って同位体のリストの特性値を求める:
Mapを使って同じことを行う:
GridとTextを使ってフォーマットされた表としてデータを表示する:
DeleteCasesを使って欠損していないデータを除去する:
あるいは,CasesとExceptを使って欠損データを除去する:
ListPlotを使って特性値のリストをプロットする:
Missingデータはプロット関数で自動的に除去される:
データが何桁にも渡る場合はListLogPlotを使う:
ParticleDataを使って素粒子の情報を求める:
ElementDataを使って元素の物理特性および化学特性を求める:
ChemicalDataを使って分子の情報を求める:
考えられる問題 (2)
おもしろい例題 (1)
FixedPointを使って指定された開始点から到達可能なすべての核種を求める:
RelationGraphを使ってウラン232の崩壊鎖を可視化する:
テキスト
Wolfram Research (2007), IsotopeData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/IsotopeData.html (2014年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "IsotopeData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/IsotopeData.html.
APA
Wolfram Language. (2007). IsotopeData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/IsotopeData.html