N
詳細
- 式 expr にある数が厳密値または十分精度の高い数値ではないと,N[expr,n]は,指定された n 桁精度で結果を与えられないときもある.
- N[expr,n]は,内部で n 桁以上の精度で計算を行う場合もある.
- 内部処理で使われる補助的な追加桁数の最大値は$MaxExtraPrecisionで指定する.
- 精度 n は十進数で与えられる.整数である必要はない.
- n は$MinPrecisionから$MaxPrecisionの範囲内になければならない.$MaxPrecisionは,Infinityに設定しても構わない.
- n は$MachinePrecisionより小さくてもよい.
- N[expr]は,値が$MinMachineNumberから$MaxMachineNumberの範囲にある限り結果を機械精度の数で与える.
- N[expr]はN[expr,MachinePrecision]と等価である.
- N[0]は機械精度で0.を与える.
- Nは,ゼロではないすべての数を型RealまたはComplexに変換する.
- Nは,評価する関数の持つすべての引数を数値形に変換する.ただし,関数がNHoldAll等の属性の頭部を持つ場合はその限りではない.
- N[f[args]]:=value やN[f[args],n]:=value を使い,関数の数値的な値を定義することができる.
- N[expr,{p,a}]は最高で p の精度と a の確度で結果を生成しようとする.
- N[expr,{Infinity,a}]は確度 a で結果を生成しようとする.
- N[expr,{Infinity,1}]は式 expr の整数部分の数値近似を求めようとする.
例題
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数学定数 (4)
機械精度と適応的精度 (4)
N[e]は一般に数を機械数に置き換えて結果を計算する:
機械の丸め誤差は差分係数の誤差の両対数プロットに明らかに現れる:
N[e,p]は p がMachinePrecisionではない場合は任意精度数を使って適応的に働く:
適応的精度制御には,追加精度に対してデフォルトの限界である$MaxExtraPrecisionがある:
限界に達した場合,局所的に$MaxExtraPrecisionを大きくして問題を解決することができる:
Nは入力の近似数の精度を上げることはない:
SetPrecisionを使って入力式の精度を上げることができる:
データオブジェクトと特殊規則 (5)
Nは厳密な数値ベキには影響しない:
ベキは,NumericQでなければ変更される:
SparseArrayオブジェクトは表示された配列に基づいて扱われる:
一般に,N[Normal[s]]はNormal[N[s]]と同一である:
InterpolatingFunctionのようなデータオブジェクトはデータだけが影響を受けるような特殊規則を備えている:
新たな関数が機械数を使うように適切なデータだけが変更される:
Integrateのような操作は適当な場合は対応するN関数を使う:
これはNIntegrateを使っている:
要求精度が高い場合,数値アルゴリズムには非常に時間がかかるか調整が必要なことがある:
この場合はNIntegrateを直接使ってもよい:
特性と関係 (3)
N[e]の結果の精度は一般にMachinePrecisionである:
結果が機械数にしては大きすぎる場合は,精度が変わることがある:
N[e,p]の結果の精度は一般に p に等しいPrecisionである:
それが不可能な場合は,Wolfram言語がメッセージを出力する:
一般に$MaxExtraPrecisionを上げることで問題を回避することができる:
隠しゼロがある場合は正の精度に到達できないので,確度を使ってもよい:
N[e,{∞,a}]の結果は,一般に a と等しい Accuracyを持つ:
これが不可能な場合,Wolfram言語はメッセージを出力する:
一般に,$MaxExtraPrecision を上げることで問題は回避できる:
テキスト
Wolfram Research (1988), N, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/N.html (2003年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1988. "N." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2003. https://reference.wolfram.com/language/ref/N.html.
APA
Wolfram Language. (1988). N. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/N.html