UpperTriangularize
m の上三角要素を除くすべての要素をゼロで置換した行列を返す.
UpperTriangularize[m,k]
m の k 次の劣対角より下の要素のみをゼロで置換する.
詳細とオプション
- UpperTriangularize[m]は,たとえ m が正方行列ではなくても使うことができる.
- UpperTriangularize[m,k]において,正の k は主対角より上の劣対角を示し,負の k は主対角より下の劣対角を示す.
- UpperTriangularizeはSparseArrayオブジェクトに使うことができる.
- UpperTriangularize[…,TargetStructure->struct]は,上三角行列を struct で指定された形式で返す.次は,可能な設定である.
-
Automatic 返す表現を自動的に選択する "Dense" 行列を密な行列として表す "Sparse" 行列を疎な配列として表す "Structured" 行列をUpperTriangularMatrixとして表す - UpperTriangularize[…,TargetStructureAutomatic]のとき,もとの行列が,密な行列,疎な配列,構造化DiagonalMatrix,あるいは構造化UpperTriangularMatrixなら,結果の上三角行列の構造はもとの行列の構造と同じである.それ以外の場合は,密な行列が返される.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (12)
基本的な用法 (8)
特殊行列 (4)
HilbertMatrixの上三角部分を劣対角も含んで計算する:
オプション (2)
TargetStructure (2)
結果をUpperTriangularMatrixとして返す:
TargetStructureAutomaticの設定は疎な結果を与える:
TargetStructureAutomaticの設定は密な結果を与える:
アプリケーション (3)
LUDecompositionは行列を{lu,perm,cond}として返される上三角行列と下三角行列の積として分解する:
LowerTriangularizeで lu の厳密な下部分を抽出し,対角に置く:
UpperTriangularizeで lu の上部分を抽出する:
SchurDecompositionは2×2ブロック上三角行列を与える:
この行列が主対角の一つ下から始まる上三角行列であることを確認する:
JordanDecompositionは相似変換 を介して任意の行列を上三角行列に関連付ける:
特性と関係 (11)
UpperTriangularizeが返す行列はUpperTriangularMatrixQを満足する:
QRDecompositionは上三角行列を与える:
CholeskyDecompositionは上三角行列を与える:
JordanDecompositionは上三角行列を与える:
HessenbergDecompositionは主対角の一つ下の対角が加えられた上三角行列である行列を返す:
HermiteDecompositionは上三角行列を与える:
UpperTriangularize[m,k]はTranspose[LowerTriangularize[Transpose[m],-k]]に等しい:
テキスト
Wolfram Research (2008), UpperTriangularize, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularize.html (2023年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2008. "UpperTriangularize." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2023. https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularize.html.
APA
Wolfram Language. (2008). UpperTriangularize. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularize.html