HighpassFilter
HighpassFilter[data,ωc]
カットオフ周波数 ωcのハイパスフィルタをデータ配列に適用する.
HighpassFilter[data,ωc,n]
長さ n のフィルタカーネルを使う.
HighpassFilter[data,ωc,n,wfun]
平滑化窓 wfun をフィルタカーネルに適用する.
詳細とオプション
- ハイパスフィルタリングは,通常,信号中の高周波数は変更せずに低周波数成分を減らすために使われる.
- HighpassFilterは,窓法で作られた有限インパルス応答(FIR)カーネルでデジタル信号を変換する.
- カットオフ周波数が大きいほど低周波数の損失が大きくなる.カーネルが長いほど,周波数の識別性が向上する.
- data は以下のいずれでもよい.
-
list 任意階数の数値配列 tseries TimeSeriesやTemporalDataのような時間データ image 任意のImageオブジェクトまたはImage3Dオブジェクト audio AudioオブジェクトまたはSoundオブジェクト - 画像や多次元配列に適用された場合,フィルタリングはレベル1から始めて各次元に連続的に適用される.HighpassFilter[data,{ωc1,ωc2,…}]は 次元で周波数 ωci を使う.
- HighpassFilter[data,ωc]はカットオフ周波数 ωcと入力 data に適したフィルタカーネル長と平滑化窓を使う.
- よく使われる平滑化窓 wfun
-
BlackmanWindow Blackman窓による平滑化 DirichletWindow 平滑化は行わない HammingWindow ハミング窓による平滑化 {v1,v2,…} 値 viの窓を使う f からの範囲で f をサンプリングして窓を作る - 使用可能なオプション
-
Padding "Fixed" 使用する充填値 SampleRate Automatic 入力に想定されるサンプルレート - デフォルトで,リストと同様画像にもSampleRate->1が想定される.音声信号と時系列については,サンプルレートは抽出されるか入力データから計算されるかする.
- SampleRatesr の場合,カットオフ周波数 ωcは 0から sr× まででなければならない.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (3)
スコープ (13)
データ (8)
TimeSeriesにフィルタをかける:
スウェプトサイン(時間とともに周波数を変化させる正弦波)の音声信号にハイパスフィルタをかける:
デュアルトーン多重周波数(DTMF)信号のSoundオブジェクトにハイパスフィルタをかける:
オプション (3)
アプリケーション (3)
HighpassFilterを使ってAudioオブジェクトの音が「より細く」なるようにする:
現代の88鍵のピアノでは,55番目のキー(C5)の基本周波数は約523Hzである.HighpassFilterを使って,以下の音声クリップにあるこのキーのすべての倍音を保持しつつ,基本波を効率的に削除する:
特性と関係 (8)
LeastSquaresFilterKernelとHammingWindowを使ってハイパスフィルタを作る:
HighpassFilterの結果と比較する:
平滑化窓なしでの長さ21のハーフバンドハイパスフィルタのインパルス応答:
テキスト
Wolfram Research (2012), HighpassFilter, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/HighpassFilter.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2012. "HighpassFilter." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/HighpassFilter.html.
APA
Wolfram Language. (2012). HighpassFilter. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/HighpassFilter.html