Inset

Inset[obj]

グラフィックスの中に挿入されたオブジェクト obj を表す.

Inset[obj,pos]

グラフィックスの pos の位置に挿入するように指定する.

Inset[obj,pos,opos]

オブジェクトの中の位置 opos が囲い込んでいるグラフィックスの pos の位置になるように挿入位置を調整する.

Inset[obj,pos,opos,size]

囲い込んでいるグラフィックスの座標系で挿入するものの大きさを指定する.

Inset[obj,pos,opos,size,dirs]

挿入するものの軸が方向 dirs を向くように指定する.

詳細とオプション

  • Insetは,GraphicsおよびGraphics3Dで使うことができる.
  • インタラクティブな操作では,Inset[obj,]はデフォルトで単一ユニットとして選ばれる.内部の個々の要素を選択する場合にはダブルクリックしなければならない.
  • オブジェクト obj はグラフィックス,セル式,文字列,その他の式のいずれでもよい.
  • Graphics3Dに挿入されたオブジェクトは,3Dグラフィックスが回転される間は掲示板として表示される.
  • 位置は以下で指定できる.
  • {x,y}プロット中の通常の座標
    Scaled[{x,y},]0から1までスケールされた座標
    ImageScaled[{x,y},]画像全体を0から1にスケールした座標
    Offset[{dx,dy},]印刷用ポイント数による絶対オフセット
    Center{Center,Center}
    {valx,valy,valz}3Dグラフィックスでの座標
  • 座標が取り得るのは,数字,AutomaticあるいはLeftCenterRightAxisである.
  • 座標が取り得るのは,数字,AutomaticあるいはTopCenterBottomBaselineAxisである.
  • Axisはプロット中の軸の位置かタイプセットされたテキストの中心線に相当する.
  • Centerは画像全体の中心位置に相当する.
  • Inset[obj]Inset[obj,Center]に等しい.
  • opos のデフォルト値は,objAlignmentPointオプションの設定値であるか,デフォルトの obj の境界ボックスの中心である.
  • sizeAutomaticのとき,取込みは自然な大きさで行われる.
  • グラフィックスImageSizeの設定値で決定される
    タイプセット式折り返しなしの絶対的な大きさ
  • {w,Automatic}size はタイプセット式が幅 wで折り返されるように指定する.
  • size{w,h}として与えられると,縦横比が一定ではないオブジェクト obj は厳密に w×h の矩形になるように水平方向か垂直方向に伸張される.
  • obj が固定の縦横比を持ったオブジェクトである場合は,厳密な縦横比になるようにオブジェクトが伸張されたであろう方向の両側に空白スペースが均等に残される.
  • オプションBackgroundの設定値は,はめ込みの領域全体に渡る背景の指定に使われる.
  • デフォルトで,挿入物の 方向と 方向が囲い込んでいるグラフィックスの 方向と 方向に揃うように揃えられる.
  • Inset[,dirs]は違う揃え方を指定するのに使うことができる.
  • dirs が取り得る値
  • Automaticデフォルトの揃え方
    {xx,xy}{xx,xy}に沿った 方向
    {Automatic,{yx,yy}}{yx,yy}に沿った 方向
    {{xx,xy},{yx,yy}}{xx,xy}{yx,yy}に沿った の方向
    NoneInsetのコンテンツの方向を決して変えない
  • 方向だけあるいは 方向だけを指定すると,一般にはめ込みが厳密に回転する.
  • の両方向を指定すると,一般に回転とせん断が起る.ここで,もとのはめ込まれた長方形は与えられた方向のベクトルによる平行四辺形になる.
  • ベクトル{xx,xy}とベクトル{yx,yy}の方向だけが重要である.はめ込まれるもののスケールは{w,h}で決められる.
  • dirsNoneと指定すると,obj 方向が常に水平に保たれる.
  • dirs{Automatic,None}と指定すると, 方向が常に垂直に保たれる.
  • Inset[Graphics3D[],{x,y}]が2Dグラフィックスに現れた場合,Graphics3Dの整列点の投影,あるいは,デフォルトで,その2D境界ボックスの中心は,2Dグラフィックスの位置{x,y}に置かれる.
  • Inset[Graphics3D[],{x,y,z},{ox,oy}]は,オブジェクトの2D投影における位置{ox,oy}が位置{x,y,z}になるように指定する.
  • 2Dグラフィックスは,常に,3Dグラフィックスの表示平面と平行であるとみなされる.
  • Insetには次のオプションを与えることができる.
  • Alignment Left挿入した内容をどのように並べるか
    Background None取込みの範囲全体に使う背景
    BaseStyle {}挿入したコンテンツに使うベーススタイル
    ContentSelectable Automaticコンテンツの選択を許容するかどうか
    FormatType Automaticテキストのフォーマットタイプ
  • Background->Automaticとすると,挿入先のグラフィックス全体に指定されている背景色が,それがどのようなものであれ使われる.
  • サイズ指定には,ScaledImageScaledOffsetの形式を使うことができる.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (4)

円板の中にプロットを挿入する:

グラフィックスに式を入れる:

2Dプロットの上に3Dグラフィックスを挿入する:

2Dグラフィックスを3Dグラフィックスに挿入する:

スコープ  (19)

位置  (6)

デフォルトで,Centerは位置に使用される:

AutomaticCenterと等価である:

グラフィックス中で通常の座標を指定する:

スケールされた(Scaled)座標を使う:

ImageScaledは充填も含めた画像全体の座標を指定する:

Offset座標を使う:

記号位置を指定することができる:

整列  (4)

デフォルトで,Centerは整列位置に使われる:

AutomaticCenterと等価である:

記号位置を使って挿入オブジェクト中の整列位置を指定する:

挿入したグラフィックス座標を使って整列位置を指定する:

軸を整列位置とする:

大きさ  (6)

大きさが指定されていない,またはAutomaticの場合,挿入されたグラフィックスの画像サイズが使われる:

タイプセット式の場合は,絶対フォントサイズが使われる:

囲い込んでいるグラフィックスの単位で挿入物の幅を指定する:

幅と高さの両方が指定されると,縦横比が固定されていなければ,挿入グラフィックスは引き延ばされる:

{w, Automatic}はタイプセット式の折り返し幅を指定する:

3Dグラフィックスでは,画像サイズを絶対値で指定する:

Scaledを使って画像サイズを指定することもできる:

方向  (3)

挿入物の 軸の方向を指定する:

挿入物の 軸の方向を指定する:

軸と 軸の方向を別々に指定する:

一般化と拡張  (3)

方向に反転させる:

方向に反転させる:

コントロールを挿入する:

オプション  (7)

Alignment  (1)

挿入物のコンテンツの並べ方を決める:

Background  (1)

背景色を指定する:

BaseStyle  (2)

ベーススタイルを設定する:

名前付きのスタイルを使用する:

ContentSelectable  (1)

挿入物を選択可とするかどうかを決める:

FormatType  (2)

デフォルトで,式はTraditionalFormで表示される:

StandardFormで式を表示する:

アプリケーション  (3)

凡例付きの複数関数のプロット:

国を選ぶ:

Insetで注釈関数を設定する:

注釈付きの地図を表示する:

凡例付きの株式のプロットを定義する:

いくつかの自動車メーカーの株価変化を描画する:

特性と関係  (2)

記号位置はImageScaled座標と相対的である:

タイプセット式の場合,TextInsetに似た機能を提供する:

おもしろい例題  (1)

テキストのランダムなコラージュ:

Wolfram Research (2007), Inset, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Inset.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2007), Inset, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Inset.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2007. "Inset." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/Inset.html.

APA

Wolfram Language. (2007). Inset. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Inset.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_inset, author="Wolfram Research", title="{Inset}", year="2014", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/Inset.html}", note=[Accessed: 21-November-2024 ]}

BibLaTeX

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